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灯し火

作者: 檸檬

春の浜辺は


磯の香りただよえば


貝掘りの季節となります


親子連れ 小さなバケツにスコップ


足洗い場には

お父さん、お母さん、

幼子の小さくてやわらかな足を

綺麗に洗って拭いてあげています


浜辺にはハマヒルガオが

海をみたいと波打ち際まで

近づいていくように咲いています


可憐な薄桃色の花びらでさくら貝のようでした


春の浜辺はバーベキューの香りもします


お腹が空いてきます 


バーベキューの煙が昇っていく


海の向こうの山は緑が萌 


海は穏やか 船もわたります


海面と空の境界線を曖昧にしていく

みずいろの中に眩しい光の粒子は細やかに

反射してキラキラと瞬く


その豊かさを海へと運ぶ山には


昔お魚を売り歩いた行商人の道が


名所となり


そこから遍路道へつづく道でもあるようです


遍路道の休憩所には小さな水車があり


大師の湧き水が流れ 


麓へと並んだもみじの青葉、

イチョウの青葉の船着き場のように


小川がせせらぎ、

穏やかな緑の風の道となっています


その奥の杉並木の遍路道を


深く入ってゆけば


空気が凛と冷え、立ち止まり


ふと見上げれば


高い杉の葉からの木漏れ日が降り


木の葉が


はらりと舞う


自然とひとつになる入口のようです


杖を石畳みにつき鳴らし存在を確かめながら


大不動明王 青龍寺奥の院への道をゆく


自然とわたしはあなたを思い


またここに導かれている不思議を思い


言の葉がはらりと落ちる瞬間を思って


そんな遍路道を歩けるだけ


あるいてみたい


そんな希が心に灯ったのです








































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― 新着の感想 ―
[良い点] 春の浜辺の、磯の香りと賑やかな家族の姿。海を見たいとばかりに、波打ち際まで咲く薄桃のハマヒルガオも目に浮かぶようです。 海と空の境目が溶けゆくような視界に舞う、光の粒子たち。せせらぐ小川…
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