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Breaker's

作者: 楚羅

どうも。初めまして。作者の楚羅です。



初めての小説で面白さに欠けると思いますが読んで貰えれば嬉しいです。


では、どうぞ。


―俺たちは、目の前の壁をぶっこわす!!だから『Breaker's』だ!―




「ん・・・。」


懐かしいな。あの頃の夢。か。


あ、どうも。おはようございます。僕の名前は天道粋繕すいぜんて言います。どうぞよろしくお願いします。


僕は此処『マイ・ホ~ム』にお世話になっています。此処は孤児や家庭の事情で行き場のない子供を引き取ってくれる施設です。



「お~い。ゼン!起きてるか~。起きてるなら今すぐ降りてこ~い。3秒以内な~。」



今僕を呼んだ人は此処の施設を管理する『大和庄次郎だいわしょうじろう』さんです。



「はい。さ~ん。」



「1と2はぁぁぁぁぁ!?」



朝の6時に大声で叫びながら階段を疾走中。なぜそんなに必死になるかって?うん。聞かないで。お願い。




「はい。6秒。残念ですね。朝飯は50%カット~。」



これで僕が必死になったのがわかりましたか?同情しないで。涙が出ちゃうから。



「ゼーッ、ゼーッ。ど、どうしたんですか?こんな朝早く。」



「喜べ!お前を是非養子に欲しいと言ってきてる人がいるんだ。」



「よ、養子に。ですか?」



「おう。で、もう来てるから。」



「は?」



「いや、だから。もう来てるんだって。その人。」



思考停止中。



「あまり待たせんの悪いから早くしろ~。」



思考再開。で、何?養子?どういうこと?え?



「とりあえず。その頭。何とかして来い。はい。10秒以内な~。」



「だぁぁぁぁぁ!!」



大声&全力疾走2回目。もう・・・、泣いていいですか?




「初めまして。天道粋繕君。私は『雨宮涼歌りょうか』よ。よろしく。」



僕に手を差し出してきた。えっと・・・、雨宮涼歌さん。やばいッ!凄く綺麗だ。肩まで伸びた黒くつやのある髪。目はタレ目で、唇はふっくらしていて柔らかそうだ。おっとりとしているが、凛としている。どう見ても20代に見えるがなんと、実は40代だという。嘘だ・・・・。



「お~い。ゼン。何やってんだ~。」



「あ、すみません!えっと。あ。此方こそよろしくお願いします。」



涼歌さんは、ニコッと微笑みながら握手をして来た。


うん。やっぱり綺麗だ。



「急な話でごめんなさいね。でも、何事も早い方がいいと思って。」



「いえ、謝らなくても良いですよ」


「そうですよ。コイツなんかに謝る必要は無いですよ。」



はははっ。何か目頭が熱くなってきたぞ。


「でも、何故僕を養子に?」



「そ~ねぇ。一言でいうと。一目惚れってヤツね。」



「ひ、一目惚れですか。」



顔が引き吊る。



「そう。だから養子になって欲しいのよ。大和さんも了承してくれてるから後はあなたが良いと言ってくれれば・・・」



「お断りします。」



「え?」



涼歌さんが言い終わらない内に断った。



「はぁ~。まったくお前は。」



「どうしてかしら?」



大和さんが呆れながら言い、涼歌さんが唖然として尋ねてきた。


「僕は誰の養子にもなる気は在りません。こんな僕に声を掛けてくれた事はありがたいと思っています。」



「・・・・。」



涼歌さんは黙って僕の話しを聞いている。



「僕は此処の生活で十分なんです。今さら家族が出来たって戸惑うだけですから。それに僕は・・・・。いや、何でもありません。とにかくこの話しは無かった事にして下さい。」



「わかったわ。」



涼歌さんはわかってくれたみたいだ。よかった。



「・・・・・。話し合いだけで済ましたかったんだけどね。仕方がないか。」



「え?どういうこ、と。」



溜め息混じりで言う涼歌さん。そして、僕の目の前にはゴツいスーツ姿の男の人が二人。


て、あれ?こんな人達いたっけ?ん?何この人達。



「あ、あの~。」



「失礼します。」



ズドッ!



僕の視界は真っ暗になった。真っ暗になる直前。大和さんが泣きながら「サヨナラ」と言っていた。僕は思った。



嘘泣きだな。と。

「う、ん・・・・。」



あれ?此処は?僕はたしか、『マイホ~ム』で涼歌さんに養子にならないかと言われて、それを断って、それからスーツ姿の男の人に殴られて。



「あら。目が覚めた?ようこそ雨宮家へ。」



なるほど。どうやら僕は誘拐。じゃなくて強制的に連れてこられたのか。


周りを見渡すとどうやらリビングのようだ。結構広い空間にソファーやテレビ。テーブル、本棚なんてものがある。ちなみに僕が寝ていたのはソファーみたいだ。


僕はソファーから起き上がり。まだ痛む腹を擦りながら涼歌さんがいるテーブルに向かった。



「で、涼歌さん。


僕を養子に選んだ本当の理由を教えて下さい。」



「そうね。わかったわ。あなたを養子に選んだ理由はね。」



少し間を開けて涼歌さんは口を開いた。



「娘達を護って欲しいのよ。」



「は?」



「後で紹介するけど、私には三人の子供がいるの。それで、その三人をあなたに護って貰いたいの。」



「何で僕なんですか?そんなに心配ならあのスーツ姿の男人達みたいな人をボディーガードにすればいいんじゃないんですか?第一。僕は非力な一般人ですよ?」



「そんなことはないわ。あなた以外に三人を護れる人なんていないと思うわ。」



「な、何故ですか?」



「あなたが・・・・。『breaker's』にいたからよ。」



「ッ!?」



「たった5人の最強の戦闘集団『breaker's』。決して善良な市民には手を出さず、警察でも手を出さないほど凶悪な暴走族や犯罪者などを片っ端から叩き潰して来た。そして、周りからこう呼ばれるようになった。『breaker's』(破壊者達)と。」



「・・・・・。」



「ごめんなさいね。あまり過去の詮索はしない方が良いのかも。いや。してはいけないのだけど。『breaker's』にいたあなた以外に娘達を任せられないと思ったの。」



「・・・・・。」









「でも。それよりもあなたには本当に家族になって欲しいと思ったの。あなたの事は大和さんに聞いたわ。」


「そうですか・・・。」



「あなたが、両親に捨てられた事を。ね。」



そう。僕は両親に捨てられた。それもまだ生後半年も経たない内に捨てられた。『マイホ~ム』の門の側に手紙と一緒に置いてあったと大和さんに聞かされた。そして、その手紙も見せてもらった。手紙にはこう書かれていた。




『宜しく御願いします。』


とだけ書かれていた。


許せなかった。僕を捨てた両親をとても憎んだ。憎んで憎んで、それでも憎んだ。


でも、心の奥底に会いたいと思う自分がいた。


そして、会いに行った。父親は見つからなかったが、母親は『マイホ~ム』からは結構遠くなるが見つかった。5時間掛けて行った母親の家には、既に家庭があった。


母親が言うには僕は好きでも何でもない男と出来た子供があなたなの。だから捨てた。こっちは家庭があるしもう此処には来ないでね。と、追い返された。


頭が真っ白になった。それと同時に何もかもがどうでもよくなった。


『マイホ~ム』に帰った後は酷かった。施設の誰とも顔を会わせる事もなく。毎日夜遅くになると近くの繁華街に出向き、不良共を片っ端から叩き潰した。学校にも行かず、ずっとこんなことを続けていた。


周りの人の迷惑?知ったこっちゃない。そう思っていた。


彼らに出会うまでは。



~3年前~


「よぉ。お前が『壊し屋』だな?」




僕はその頃『壊し屋』と呼ばれていた。今まで沢山のカス共を叩き潰してきたからなぁ。



「単刀直入に言う。・・・・。お前、俺の仲間になれ。」




「はぁ?」




「だから。仲間になれ。」




「嫌だね。まぁ、どうしてもって言うのなら。」




俺は身構えた。目の前の奴に集中し、




「俺を・・・・。」




脚に力を込めて。




「倒してみろやぁぁぁぁぁ!!!!」




奴に向かっていった。




「気に入った。やはりお前は仲間に欲しい。」奴は慌てる素振りもなく、ただ立っていた。




「俺の名は『轟清流』(とどろきせいりゅう)轟流総合武術の次期師範だ。よろしくな。」




これが清流との出会い。そして、『breaker's』の始まりだった。









最初は俺と清流だけだったけど、清流は気に入った奴を仲間にしていった。そして、俺達が5人になった時、仲間の一人が俺達に名前が欲しいと言い出した。




「俺達の目の前にはいつも壁がある。その壁をぶっこわしながら俺達は突き進む。」




清流が呟くように言った。



そして俺達は『breaker's』(破壊者達)になった。


~現在~


「母親に会った後むしゃくしゃしていた僕は『breaker's』に入ったんです。」




涼歌さんには「ただ、暴れたかったから『breaker's』に入った。」と、言った。清流達の事は話さなかった。


いや、話したくなかった。たとえそれが母親になる人でも。話したくはない。





「そうなのね。・・・・・。でも。」



涼歌さんは僕に近づきながら優しく語りかける。




「あなたが『breaker's』にいようがいまいが関係ないわ。」





僕を優しく抱き締めながら・・・・。




「私はあなたを養子だなんて思わない。大切な息子として、掛け代えのない大切な存在として。」




涼歌さんは泣きながら。






「あなたを。愛します。」



と、言った。










「ありがとう。」




そして。僕は決めた。




「母さん。」





『雨宮粋繕』になることを。


どんな事があろうと。この家族を・・・・・・・・。










護ってみせる。と。





キャラクタープロフィール


天道粋繕


男・16才


戦闘集団『breaker's』の一員。解散後は、『マイホ~ム』という施設で平和に暮らしていた。だが、粋繕を養子にしたい。と言って現れた、雨宮涼歌に半ば拉致られながら強引に雨宮家の一員になった。

顔・中の上

身長・175cm

特技・轟流総合武術が使える。

特徴・伊達眼鏡を掛けている。




雨宮涼歌


女・40代らしいがどう見ても20代


粋繕を拉致?した張本人。実は世界規模の大企業の社長。その為家には帰ってくることは少ない。娘達を護ってくれる存在として、そして息子が欲しい!という彼女自信の願いの為に粋繕を拉致。養子として迎えた。


顔・上の上

身長・165cm

特技・拉致(粋繕談)




轟清流


男・17才


粋繕を仲間にし、その後『breaker's』を名乗り、暴走族等を叩き潰していった。『breaker's』解散後は海外で生活しているとか。轟流総合武術の次期師範で、粋繕に武術を強制的に叩き込んだ。


顔・上の下

身長・180cm

特技・轟流総合武術




大和庄次郎


男・永遠の10代(50才)


『マイホ~ム』の管理人。以上。











「俺だけ酷くない?」by大和

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