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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

俺のムスコが雄叫びをあげている

作者: アイモア50

初投稿です。よろしくお願いします

『勇気と無謀は全然ちがう』と痛いくらい思い知った。



 昨晩のことである。俺は友達とLINE通話をしていたのだが、友人が突然 『実はオレ皮剥けてる』なんてことを言い出しやがったんだ。『現在進行中、すげえだろ』と連なるイチモツの自慢。一見するとただの男のくだらない話だが俺は何か焦りを覚えた。

 まず俺の“ソレ“は剥けていない。加えて知り合いの話によるとすでに●貞を卒業した同級生が出没したらしい。俺らはまだ高校生だぞと思うと同時にどこか羨ましかった。さらにウェブサーフィンで知ったことだが『やっぱり剥けてないより剥けてる方がかっこいいよねぇ』という一意見。これらの要素が矢となりて、何者にもなれぬ俺の心を突き刺した。 『覚悟を決めねば…』

せめて一太刀、いきなり卒業するのは不可能。だがムスコの皮を剥くことくらいはできるのではなかろうか。

 自分の身体は自分が一番よくわかっている。このまま剥いたとて待つのは痛み、ムスコの、赫耀の怒り。まさに顔を真っ赤にして怒るムスコは決して俺を無事には済まさないだろう。だが怒るムスコを受け止めないで誰が親というものか。16年以上共にしてんだぞ。痛みを恐れている場合か。友人も、そして●貞卒業したやつもみんな裏で努力してきたんだ。ムスコを調伏して我が力としてきたんだ。痛みなんぞに、痛みなんぞに…


翌日の授業中、


『イィィタアァぁあアアアアァァアアアァァぁい!!!』

 空襲警報の如くバカデカい叫びが俺の心の中にこだまする。ジンジンとした痛みがジワジワ股間の先にやってくる。新手の拷問なのかと思うくらいに俺の心はうなりをあげまくった。しかし表向きは平常を保つ。ち●こごときで騒ぎを起こす人間は人扱いされない。そうだとしても痛すぎる。今は授業だから座った状態だがひとたび脚を動かすと痛みが辻斬りのように襲ってくる。ウガガガガガガガガガガ  立って歩いてなんてことをしたら絶対今の数倍の地獄が待っている。だが幸い今は座っている。このまま乗り切るぞ,


『市持、ここ板書してみろ』


先生の口から俺の名が飛び出す。ー俺は絶望した。

 処刑内容は起立して黒板に向かい、数十秒にかけて問題を解く。

そんなぁあああぁぁぁあセンセぇーーーそんなことしたらおれしんじゃうよぉぉ〜(泣)

『どうした市持、早く立てよ』何も知らない先生が無慈悲に俺を煽る。『い、いや俺は...』と言いかけたがヤバかった、同調圧力が。この程度の問題解けないの、ダッサ(笑)という声が周りから伝わってくる気がする。まさに袋の中のちんこだ。どうする俺 と思ったそのときだ。『センセー、市持今お腹痛そうなんで代わりに俺が解きます』友人が手をあげて俺を庇ったのだ。あの皮を剥いたLINEを送ったその友人が。

『そうか、じゃあ頼むよ。そんでぇ市持は具合大丈夫か。』

『はい、大丈夫です』どういうわけだ。俺は皮を剥いたことを誰にも言ってない。にも関わらず友人はまるでそのことを知っているかのように手を上げやがった。まずはありがとうだが一体どういうことだ。授業後俺は友人に確認した。


 『どういうことだ、何故俺が苦しそうだとわかったんだ?』

と俺が友人に問うと、『面を見りゃわかるよ、おまえ皮剥いたんだろ。必死に痛み我慢してる顔普通に漏れてたぜ(笑)』

平常を保ったつもりなのに…我ながら恥ずかしい。

『君は凄いな、皮を剥いているのに顔色ひとつ変えないなんてよ』

『おいおいこれでも最初は痛かったんだぜ。慣れだって慣れ。けど、』『けど?』俺が投げ返すと

『痛かったら意地はらずにしまってもいいんだぜ皮の中に。』

『なんだイヤミかねキミ。』『な訳ねーだろ。別に急いで剥くもんじゃねーから、ゆっくりでいいぞってこと』

なるほどそれもそうだな。俺は周りの差に少々焦りすぎたのかもしれない。ムスコは無理やり調伏するから痛む。ゆっくり時間をかけてムスコとの和解をはかっていくべきだったんだ。ーありがとう友人。俺大事なことに気づいたよ。キミの言う通りしまいに行くよ。

俺はトイレへと向かった。

 (トイレに来たことだし、ついでに要でもたそうかなぁ)と思い、便器にムスコを向けたときだった。おや となりの人のムスコを何故か優先的に見てしまった。おやおや、なんということでしょう、となりの男子のソレは剥けてないではありませんか。おやおやおや

(ふん、勝った。俺の勝ちだ。コイツ皮かぶってやがるぜ。お子ちゃまだねぇ雑魚ちんがぁ)今の俺なら皮を剥いたままでもムスコをパンツに収納できるーそんな自信が溢れてくる。俺は勝利した。自分にも他人にもムスコにも。世界が俺中心に回ってる気がする。さぁ我がイチモツよ、俺のパンツに入れ!俺はムスコを納刀した


イタァァぁああぁあァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアああぁぁぁあああぁぁぁアアアあい!!!


やっぱりダメだった

ありがとうございます

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― 新着の感想 ―
[一言]  あまりのアホさ加減に笑いが止まりませんでした。(ほめています)このテーマでこれだけ書ける筆力とハートに脱皮…いや、脱帽します。  面白かったです。ありがとうございました。
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