3話
ハッ!
次に暁斗が目覚めたのは
(ここは、リビング?)
「あうあうー」
「どうしたのー?あきとー」
母さん!!?
どういうことだ?
俺は引かれて死んだのでは......
というか母さんがでかい?
よく考えると天井までの距離感などがおかしいような気がする。
周りが木の柵で覆われて......
覆われて?
「だうだう?」
「なにか言おうとしているみたいねー、ママって呼んでもいいのよ〜、あきと〜」
......まさか、いや、さっきから聞こえる赤ちゃんっぽいのって。
腕をぐっと上げる
にぎにぎギュッ
俺赤ちゃんになっとるーー!!?
「まうだーー!!!?」
「んー、惜しい!あともうちょっとね〜」
違う!そうじゃない!
待て待て待て?
どういうことだ?引かれて死んだら赤ちゃんになってた?
来世、じゃないよな?
母親も一緒で、俺の名前も一緒、いや、まだ分からないよな、成長していけば分かるか?
とにかく分からないのだが、ひとつ分かったことがある。
赤ちゃんって、暇?
やることが無さすぎるどうしよう......か......な
ハッ!
寝てた!?寝てたよな、今......驚きだ......
赤ちゃんって意識が飛ぶように寝るのか......
気をつけよ。
とにかく今回の人生では努力を欠かさずして諦めずに生きる!
あとは、もし、俺が不知火暁斗で前の人生のタイムリープなのであれば。
心音のために生きる。
全てを心音のために捧げる。
きっと心音は同じ夢を抱くはず、いや?あれは俺のことが好きになってくれたからあの夢だったのか?
分からないけど、もし心音と同じ約束をしたのであれば。
次は違えない。
とりあえず今は、寝るか。
赤ちゃんは寝るのが仕事だ。
それから15年。
俺は15歳になった。
どうやら俺は前世の不知火暁斗と一緒のようで全く同じ環境だった。
今俺に起きているのはタイムリープのようなものらしい。
そして俺はきちんと心音と会って昔と一緒で仲良くなって、また恋をした。
はじめて会った時に泣きそうになったが頑張って耐えた。
俺、エラい。
そして6歳の時、俺はあの約束をした。
人生のターニングポイントとなるであろう、あの約束を。
きっと心音はまた、努力して芸能人へと歩んでいくのだろう。
だから、俺も行く。
今度はついて行く。
いや、むしろ追い抜く。
そして支えてやるんだ。
だから、努力した。
全てに対して。
運動も勉強も声の出し方も。
運動に関しては心音と会う前から既に努力していた。
今世は手を抜かないって決めてたし。
だから今世では前世とは違い。
勉強も運動も周りを置き去りにしている能力を持って生きてきた。
周りからは才能だなんだと言われてきたが。
全て努力だ。
手を抜いたことなどない。
それと前とは違い運動に力を入れていたとか生き方が違かったからだろうか?
顔が前世とは違う。
どちらかというとカッコイイって言われるくらいにはなったかな?
たぶん?
という感じになった。
まぁ、モテるってことは無かったがな。
周りからは
『無自覚』とか『鈍感』とか言われてきた。
イジメかな?って思ったけどそんなことないっぽいし友達も多い。
よく分からん。
あと前世とは違い幼なじみの愛らしさについて布教してたら、幼なじみ教教祖と呼ばれるようになってしまった。
まぁ、これも心音がアイドルとしてデビューした時の布石だと思え問題ないだろう。
高校には普通科に進学したが芸能人になるために両親の説得はした。
今世では前世とは違い周りは冷たい反応はせずにどちらかというと、本当か!?応援する!お前ならできる!ってガチトーンで言ってくれる人が多かったので両親も、と思っていたけど。一言一句間違いなく言ってきた。
『いい加減現実を見たらどうなの?これからの人生あなたがやりたいことをやるのもいいと思うけれど手に職をつけないと生きていけないのよ?芸能界なんてそんな甘い世界じゃないのよ?』
『諦めてしっかり勉強して就職した方がお父さんはいいと思うよ?』
前世も含めて十数年忘れたことがない言葉だった。
だけど
『俺が好きな子と約束したことだ。好きな女のために動けないなんてそんなの男じゃねぇ。それに、きっと二人なら背中を押してくれるって信じてるからさ。頼む』
この言葉で親父はニヤッとして母さんはやれやれとしたが。
二人は
『『昔から心音ちゃんの為になると暁斗は変わるね(わね)』』
と言って認めてくれた。
そして今日は......
勝負の日だ。
ここまでが序章、プロローグと言ったところです。
ここから主人公、不知火 暁斗の物語が始まります。
皆さんも今までの人生で1度は後悔を経験したことがあると思います。
あの時にこうしていれば、努力していれば、思うこともあるでしょう。
この物語はやり直しから初めて一切妥協などせずハッピーエンドまで手を伸ばし続ける、そんな物語にしていこうと思います。
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