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17話


あの後リビングに移動した母さんたちからお菓子と飲み物を受け取り色々と茶化されながら部屋へと移動してきた。


「すまん、遅くなった」

「ううん、いいよ?どうせ母さんたちがよく分からない感じで騒いでたんだろうしね?」


あー、まあ、八割方合ってるだよなぁ。


「それにしても懐かしいなぁ、この辺は昔と変わってないねぇ」


部屋をぐるーっと見回している。


「ん、この辺は結構変わった?昔はおもちゃ入れだったよね?」

「そうだな、今は本棚になってるし」


それはそうだろう、変わっている場所は変わっているし変わらない場所は変わらない、それに。


「あれ、これって......」


そう言ってここちゃんが取った物は昔の写真が入っている写真立てだ。


それこそ、昔から変わらない思いが入っているものだ。


「覚えてる?その写真」

「うん、覚えてるよ?だってこれは」

「「昔、お互いの夢を誓った時に撮った写真だから」」


ここちゃんはビックリした顔をしてこっちを見てくる。

俺は得意気にニヤリと笑う。


「俺はその写真を見て、ずっとずっと頑張ってきたんだよ、夢を叶えるために」

「うん」

「いや、正確には挫折した時、その写真を見るために努力して立ち直った、だからこそ、それは誓いの写真だった。」

「どういうこと?」


さっきまでの話と全く繋がらない不思議なことを言い始めているように思うのだろう。

それもそうだ、だって前世のことを知らないから、違う世界線を見てないのだから。


「俺は1度挫折した、夢を諦めた、努力して努力して削って削って細くなって、薄くなって、ポキリと折れた、だけどな?知ったんだよ、知ってしまった。俺がずっとずっと共に歩いて来た見えない相棒は走りきっちまったんだよ、同じように削られて薄くなってもな」

「相棒?」

「そうだ」


(まぁ、それでもあいつは、俺のせいで......)


一瞬暗い気持ちが横切ったが頭を振って落ち着かせる。


「だからそいつのお陰で気がついた、そしてもう一度前を向いた、その結果を見るために、俺が認めれる世界を見るために」

「うん」


たぶん、何を言ってるかは理解できないだろう、だけどそれでもいい、もう1人のお前のおかげで俺はすくい上げられた。

この舞台に立つために、だから名誉を称える意味も含めてこの話をしなければいけなかった。


「そうして努力して、また同じ場所に戻った、物語の始まりに戻った、だからその写真は俺の誓いだ」

「誓い」

「あぁ、そうだ、それで俺は、俺は」


あぁ、怖い、足が震える、喉が渇いた、もしかしたら断られるかもしれない。

いや、分かっている、普通は結果が分かっていることだ、だけど俺は前世を含めて何十年とこの感情を持ってきた。

それを伝えるのが怖いのだ。


「なぁ、ここちゃ、いや、心音、俺はなお前のことが」


ここちゃんは俺の事をじっと何も言わずに俺の事を真っ直ぐに見てくる。


「俺は心音のことが......好きだ」

「............ッ!」

「小さい頃から何年も何年も好きで好きで仕方がなかった、ずっとずっと会いたかった、話したくて仕方がなかった。でも会えなくて話せなくて伝えることが出来なくて、でもお互いの誓いあった夢を叶えるために前を進んで進んで進んで、やっと道は交差した、やっと会えた」


ここちゃんは肩を震わして下に俯いている。


「俺は夢を叶えるために進んで少し予定とは違うけど、俺の探している人を見つけたんだ、だから俺は言わないといけないと思う」


息を吸って少し限りなく薄く潜る。

我を忘れないように、いや、我であったまま、薄く纏うことができるように。


「お迎えに上がりました、お姫様、私と共に人生を歩んでくれませんか?」


そこでここちゃんは少しずつ顔を上げて、泣きながらこちらを見てきた。

そして、今まで見た事がないほど綺麗で美しい笑顔を俺に向けて言ってきたのだ。


「もちろんです、私の、私だけの王子様!」





ここで第一部が終了となります、そして、とても申し訳ないのですが、1度ここで完結とさせていただきます。

申し訳ございませんm(_ _)m


というのもいくつか理由があるのですが一番大きい要因としてここから先のプロットのデータが遥か彼方へと旅に出まして(消失しちゃいました......)


なのでプロットの練り直しをするために1度ここで完結とさせていただきます。


この物語を書ける時が来れば再開するつもりでいるので、再開した時にはまた、この物語を、不知火暁斗を見て頂けると嬉しいです!


また、この物語の他にいくつか投稿している作品もありますので、もしこの作品を見て私の作品が気になってくれた方は他の作品も見ていってください!

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