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14話


「ただいまー!!」

「お帰り!お兄ぃ!」


家に着くとニッコニコな春がでてきた。


うーん、上機嫌だなぁ。

やっぱそうなのかねぇ、そういうことなんかねぇ。


というのもだ、帰ってくる途中に大地からトークアプリで送られてきたんだ。


『兄貴が兄貴なら妹も妹だな。お前ら異常だぞ?』

ときたのだ。


今の俺の演技力はまだまだだと思っているし他にも上がいるのも分かってはいるが一応大地に選んでもらえた俺だ。

それと同列に並べたということはそういうことである可能性が高い。

それにだ......


【ねぇ、聞いて?今日の結果聞いて?ねぇ?ねぇ?】


みたいな表情をしているこいつに結果を聞いても分かりきっているような気がする。

気がするんだがなぁ。


「今日のオーディションはどうだったんだ?」


ニヤァァ


うっわこの顔うっざ。


「受かったよ!お兄ぃ!受かったよ!凄いでしょ?凄いでしょ?」

「ハイハイ、スゴイスゴイ」

「むー、もっと褒めてよ!」


ハァ、仕方のねぇやつだな。


俺は春を抱き寄せて頭を撫でながら。


「よく頑張ったな、お兄ちゃんは春と同じ事務所で、同じ高校に通えて嬉しいぞ」

「な、な、な」


やけに大人しくなったな。


俺の胸に抱き寄せた春の様子を見てみると、顔を真っ赤に染めてパクパクと口を動かしていてその他は微動だにしない。

本当に大丈夫か?


「なぁ、春大丈夫か?」

「大丈夫大丈夫だよ、大丈夫だから離して!離してー!」


声をかけるとハッと我に返ったようになってバタバタと暴れる。

自分から褒めろって言ったんに。


仕方が無いので大人しく離れる。


「と、とにかく、私受かったから!高校一緒だから!」

「そっか、あ、そういえば」


ふと、ここちゃんが同じ高校なことを思い出した。


「ん?どうしたの?お兄ぃ」

「ここちゃんも同じ高校だし、事務所も一緒だぞ?」

「へ?ここっちが?」


ここっち、ホントに仲良かったんだな、俺は知らんかったよ......


「あぁ、それに明日ウチの隣に引っ越してくるってよ」

「へ?」


心底驚いたようでポカンとした顔になる。


「そ、そうな、ん?そういえばなんでそんなこと知ってるの?」

「え?いや、今日久しぶりにここちゃんと会ってさ、偶然だったんだけどな?会えてよかったよ」

「えぇー、いいなぁ、私も会いたかった」


ふっふっふー、いいだろぉ!

あ、そういえば、あの返事をしないとなんだよな。


「ま、そういう事だから、多分母さんがそのへん知ってると思うぞ?連絡取り合ってるらしいし」


そんじゃ、とそそくさ自分の部屋に戻る。


後ろで「母さんが?私も話したかったのに、これは帰ってきたら尋問しないと」とか聞こえたけどワイは止めんよ、むしろしてくれ。


自分の部屋に戻ると、無造作に机に置いてあった封筒を取る。


中にある、注意事項?みたいな紙?みたいなのを見る。


えーと、恋愛について、っと。


『我が事務所としては恋愛を禁止する、ということは無い。これは弥生大地による意思である。』


............大地による意思?

んー、美穂さんか?


分からんけど良いってことか。


そっか......

いやぁ、うん、でもなぁ、ここでトークアプリで返したり電話で言うことは出来るんだけどなぁ。

出来るんだけどさぁ。


うん、決めた!


トークアプリを開き、ここちゃんに一言送る。


『返事は明日、会った時直接、直接言うから少しだけ待ってて』


これでいいよな?


何分か、まだかまだかと待っていると返信が来た。


『分かった、待ってるね』


そう返ってきた。

素っ気ないような感じがするがこれは、照れてるのかな。

恐らく俺が何をしたいのかが分かっているのだろう。


そっかぁ、分かってるのかぁ、とか思ったりもしないでもないが、ま、しょうがないよな。


だから俺は明日のために気合を入れる。


俺は明日、俺からここちゃんに告白しようと思う。

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