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明日、君に会いにゆく  作者: 岩山竜秋
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最後の約束

「もう二度と会いたくない…もう二度と私の目の前に現れないで…」


はぁっ!

最悪の朝だ。最悪な悪夢で、いや、最悪な再放送で起きてしまった。


なんで、未だに引きずってんだろ

あれから6年か…


初恋の相手を絶縁してから6年経った今でも

引きずってるなんかダサすぎんだろ


バカバカしっ…


俺は、そんな最悪の朝に嫌気がさしながら

まだ眠たくて落ちてきそうなまぶたを無理やりこじ開けた。


ふとテーブルに目をやるとそこには親友の、優と愛の結婚式の招待状


あぁ、忘れてた…


この前電話あったんだったけ

幸せそうだったな、優

愛とはしばらく会ってなかったからけど

結局あの二人結婚するんだって微笑ましく思ったのは覚えていた。

まぁ学生時代から仲良しカップルだったしな


あ、そうだ、風の噂で聞いたけど優依も結婚するらしい

もう長年付き合ってる彼氏とそろそろ結ばれるらしい


そんなことどうでもいい、どうしよ、行かないどこうかな…悩むな…


プルルルルルルル…


このくそ忙しい朝に電話が鳴った

誰からだよ、だいたい非常識す……


優からだ。何があったんだろ


「もしもし?」

「もしもし…?柊弥…?」


なんだか、電話先から聞こえた優の声は震えた声だった。


「どした?」

「あのさ…優依が…」

「なに?俺あいつの話嫌いなの知ってるよね?」

「優依が……」

「何?朝からイラつかせたいわけ?」

「死んだ……」

「え?」

「交通事故で亡くなったってさっき連絡が俺らにあった……」

「そっか、愛は?」

「ううん…全然だめ…理解してないって言うか認めたくないみたい…」

「仲良かったもんな」

「柊弥、お前さ、いや、やっぱ会ってから話すわ…通夜来れる?」

「うん。行くよ。」


あれ、なんでだろ。

どうでもいい、あんなやつもう知らないって思ってたのに

なんでだろ。俺、泣いてる……


通夜の会場に着いた


そりゃ、人が死んでんだからそうだろうけど

優依の通夜には似合わないぐらい静かな会場だった


大型トラックが歩行中の優依に突っ込んだらしい

優依は即死、トラックの運転手は飲酒運転だったらしい

即死だって、笑えてくるよな

なんでこんなに人って弱いんだろな


あー、みんな泣いてるよ

ど真ん中で一番泣いてるあの男、彼氏かな

なんであいつは泣いていいんだろ。


俺泣いちゃダメかな?

大好きな人が、今でも世界で一番大好きな人が亡くなったんだぞ

泣かせろよ、なんであいつだけ…

なんであいつだけ泣いてんだよ!

お前が、彼氏じゃなかったら優依は死んでなかっ…

最低だ俺…変わるわけもないのに…


「来ねぇかと思った」


落ち着いた優が俺に寄り添い話し始めた


「さすがに来ねぇとだめだろ」

「電話で、言おうと思ってたやつだけどさ…」

「あぁ…うん。」

「あいつ可愛いよな」

「やめろ、お前愛がいんだろ」

「やっぱり…」

「なんだよ」

「お前まだ優依のこと」

「なわけねぇだろ」

「別に俺に隠すこと無くね?」

「大好きで、あの彼氏のこと恨んでたら?」

「俺はかっこいいと思う」

「正解だからあっち行け」


「お前もう我慢すんなよ…」


そう言われると自分でも制御出来ないぐらい大粒の涙が溢れた


「柊弥…」

「会いたいよ…優依に会いたい…」

「ちょっと、愛の所行ってくるな」


なんで事故なんかで死ぬんだよ

もっと、いや、もうなんも誤魔化すこともないか…


会いたいよ、優依


「ばーか、そんなに好きなのに、何も行動しなかったんだ」


急にそんな言葉が聞こえた。

誰…?周りを見回しても誰もいな…

なんだこれ!周りを見回すと辺りは真っ暗

まるで時間が止まってるようだった。


「そんなに後悔してるなら戻ってみる?」


だから誰!?どこにいんの!


「ここだよ、柊弥」


後ろを振り返ると、白いパジャマのようなものを着た茶髪の高校生ぐらいの女の子がいた。


「どうして、俺の名前を…?てか君は?」

「私の名前は、ランジュ」

「ランジュ?」

「あなたの人生のセーブ係」

「俺の?セーブ係…?」

「急に言われても難しいよね。説明するね、人生にはいくつかのセーブポイントがあって、私はその場面に戻してあげることが出来る。まぁ妖精みたいなもん!」

「過去をやり直せるってこと…?」

「そう!まぁ本人が望めばだけどね!」

「それで俺の人生を?」

「そう、幸か不幸かなんかやってみた人しか分からない」

「そっか」

「でもね、優依ちゃん救えるかもよ…」

「未来も変えれんの!?」

「うん。もちろん、大事なセーブポインドで失敗した部分を自分で考えてやり直す必要があるけど。」

「大丈夫!俺やるよ!」

「過去を変えることもだけど未来を変えるのはもっと難しい、やれるの?」

「優依を救うためなら…」

「わかった。何回戻れるかは柊弥のセーブポイント次第だけどそんなに優依ちゃんが好きなら自分で救ってきな!」

「うん!」


こうして、俺とランジュの

優依を助けるための過去への冒険が始まった。


優依、これが本当の最後の約束


「必ず助け出すからね、今、会いにゆきます」

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