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南無地獄大菩薩 白隠禅師の言葉 闇の中 落ちて、落ちて、その行く先は南無地獄

作者: 舜風人

白隠禅師(江戸期の禅僧)の言葉に「南無地獄大菩薩」が、ある


この題目を揮毫した掛け軸も多く残っている


さらに、、、白隠禅師はこう述べている


 「地獄に気づいた人は少ない、地獄を脱した人はさらに少ない、

            しかし、人の為に地獄におりた人は、なお、一層少ない。」



この世は地獄?

あの世も地獄?

あそこもここもみんな地獄?


ああ  そうだね


世の中を見まわしてみようか、

今はコロナ禍だからなんとなく

世間が全体に地獄っぽいけど?


でもしばらく前までは(去年の今頃)

世間はのんびりムードで?

オリンピック特需期待で

ウキウキだらけだったんじゃないでしょうか?

インバウンドの激増期待?

外国から観光客も2000万人も来るぞ?

さあ?

ホテル建設だ

民泊を始めようか

和牛も

特産品も外人にバカ売れ期待?

で?


その


10か月後


まさか

日本全土に「非常事態宣言」が出されるとは。

一気に自粛モードに

入国禁止

外出禁止

ステイホーム

オリンピックなんて吹っ飛んでしまいましたよね


これではホテル?

観光バス?

日本食ブーム?

すべてご破算ですよね。


まあそれでも今あたりを見回してみても


日本はまあまあ平穏ですよね?

砲弾が頭の上を飛んでくるわけじゃなし

戦車が町中を疾走しているわけじゃなし

まあ?平穏?


コロナが無かったころを思い出してみてください。

一見平穏な日本がそこにはあったはずです。


でもそういう一見平穏な日本でも、

その裏ではどうでしょうか?


「裏」という言い方が不謹慎だというならば

「目立たないが」、、、と言い換えましょう。


今日本では年間自殺者が3万人とも言われていますね。

2018年にがんで死亡した人は373,584人です。

いわゆるひきこもりは100万人いるとも言われています。


「身体障害、知的障害、精神障害の3区分について、各区分における障害者数の概数は、身体障害者(身体障害児を含む。以下同じ。)436万人、知的障害者(知的障害児を含む。以下同じ。)108万2千人、精神障害者392万4千人となっている」 平成30年の統計より引用になります。


更に、、事件や事故、犯罪で亡くなる人はどれほどいるのでしょうか?


自然災害


交通大事故


猟奇犯罪


恨み


ねたみ


憎悪の事件。






東日本大震災では3万人に迫る人数が亡くなっています。




こういう統計数を改めてじっくりとみると


まさにこの世は地獄そのものといえるのではないでしょうか?




でも私を含めて、、、そこらのふつうに平凡に暮らしていれば


これらは全くと言ってよいほど気が付きませんよね?


そこらの町をただ歩いている限りは


日本は平和そのものに見えるからです。




でも実は以上のようなこういう統計があるのです。


そしてある日突然、世間を騒がすような猟奇事件が起こったりすると


一般庶民も騒然とするのでしょうね。




アニメスタジオ放火事件


大量無差別殺人事件


幼女拉致監禁事件


カルト宗教事件




これらは普段は日常の平穏さに覆われて見えなかったことがまるで水道管が突然破裂して


大量の水が噴き出してくるように突沸した?


ということではないでしょうか?




この硬い地表の下には実は灼熱のマグマが数千度の高温で煮えたぎっているのです。


そういう一見平穏な世間の内部にはまさに地獄が潜んでいるのです。




日本というこの一見平和な国にも実は地獄がひそんでいる。


病魔地獄


借金地獄


ギャンブル地獄


薬物地獄


犯罪地獄


愛欲地獄


不倫地獄


生老病死その地獄






そうです世の中は


実は地獄だらけなのです


あそこも地獄


ここも地獄


一切合切地獄だらけ。


それが世の中の真実なのです。




それに気づく人


それをサトル人


それを無視する人


それに溺れる人


それを悪用する人


それを克服しようとする人


、、、、、、、、、、、様々です。




ですが


実は白隠禅師は


このような地獄でしかないこの世というものを


見据えて、、、、、、、、、




「地獄に気づいた人は少ない、地獄を脱した人はさらに少ない、


            しかし、人の為に地獄におりた人は、なお、一層少ない。」




と、述べているのです。




まず世間というものが本当は地獄であることに気づきなさいよ


というサトリの教えです




そしてその次は


地獄を脱する教えがあるということを悟りなさいよ、


それは仏法ですよ、、という言葉です。




これを仏教でいえば、、、、、、、、




生老病死


世間皆苦


一切皆苦


であり


仏法はそれからの脱出を教えているということです


四諦をサトリ


諸行無常をサトリ


八正道を実践し、、


中道を歩み


清貧を守り


無欲を実践し。




そうすればあなたはこの世の地獄から救われると、説くのです。




しかし




白隠禅師はさらに言う。




「、、、、人の為に地獄におりた人は、なお、一層少ない。」




自分だけ悟って安住していてはいけないというのです。


自分だけ菩提で安住?それではダメです。




そこから今度はあなたが地獄に降りて



地獄であなたが大菩薩にならなければいけないと説くのです。



地獄をおのれがものとして心と体で全身で受け止め、大慈悲心で地獄を飲み下す?



そうすることで実は



地獄はもはや地獄ではなくなるのです。



というのは?




あそこもここも一切が地獄です


ということは地獄が常態?ということです


地獄だらけなのです。


それは、あたりまえ?


だから


地獄を仏心で飲み下せれば、あなたの心と体の中で、、地獄は慈悲心と菩提心で昇華?してしまうのです?



そうすれば、、、地獄はそのままで菩薩そのものでもあるのです。


仏心は


そういうコペルニクス的大転換が起こるのです。


だから、、


地獄をそのままで菩薩様として手を合わせる



それが



南無地獄大菩薩



という本当の意味なのです。



地獄のほかに世界はない


この世はみんな地獄なのだ。


地獄即世界


地獄即菩提


だから?



地獄はそのままで、、菩薩様、、、、、





地獄で菩薩とは?



つまり



地獄の中にこそ



本当の菩薩がいるのです。



救いの菩薩はまさに地獄の中にいる





というか、、、、



地獄はそのままで、、ありがたい菩薩様なのです



地獄即菩薩




人間因果で


逃れられない地獄なら?



あえて地獄にどっぷりとつかり切ってもいいのだろう。



だが



入り浸って



堪能しきって



前後不覚を見失ってはいけません。



その地獄



まっさらな気持ちで



全身・善心・仏心で無心に地獄を受け止めて



あえて菩薩と崇めよう。





うれしい哀しい我が地獄



アナ恥ずかしや



地獄様



いいえ



地獄大菩薩様



地獄は我が人生のすべてかも?



地獄こそが本当の人生修行?



地獄で色どるわが人生模様?



地獄は人生そのものなのです。





南無



地獄大菩薩さま



どうぞ地獄の果てまでもつれて行ってくれしゃんせ



鬼と閻魔に見送られ?どうぞ地獄の底までも





あなたが、、もしも、あなたの地獄に究極に、仏の心で没入・投身しきったら?



そのときあなたは地獄を突き抜けて、、突如、その向こう側にワープして、ツン抜けて行ってしまうのです。



突き抜けたその先は、、、



そこは、、、そうです



もはや、、、地獄ではないのです。





あなたが



「これは私の受けるべき私の地獄だ」と



真正面からその地獄と向き合い



決して背を向けずに対面し



どこまでもその地獄と付き合い



どこまでもその地獄のそこまでも



仏心で、大慈悲心でおりてゆくゆるぎない決心をするならば、、、、









そこはもう地獄ではないのです。





じゃあそこはどこ?





そこは、、、そうです、、、、南無地獄大菩薩の世界なのです。





それが







「南無地獄大菩薩」








という






この偈の本当の意味なのです。



さあ、




それでは




皆さんご一緒に




この偈を


無心で


無欲で


仏心で


慈悲心で




さあ




唱えるのです








南無地獄大菩薩




南無地獄大菩薩




南無地獄大菩薩




南無地獄大菩薩










、、、、、、、、、、、、、、、、、、、








  闇の中 落ちて、落ちて、




  その行く先は南無地獄




  愛欲も




  憐憫も




  毒も




  血反吐も




  名誉も




  金銭も




  ああ




  南無地獄大菩薩








  気が付けば




  あなたは




  慈悲の




  笑顔の




  優しいお姿の 




  南無地獄大菩薩







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