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脱出と爆発  作者: 次元
5/5

Part5 Final


第八章:役者勢揃い


次元達がティプトンホテルに着くと、ホテルの周りには救急車やパトカーが沢山集まっていた。涼真とモーズビーと合流すると涼真がいきさつを話し始めた。


「ああ、これで我がホテルの評判はガタ落ちだよ~」


「いや、まだ諦めるのは早いぜ。モーズビーさん。こっちは犯人も分かってるし、証拠も上がってるんだ。これを見て。」次元がドローンでの映像を見せる。見終わった時のモーズビーは怒りに震えていた。


「お客様に危害を加えるかもしれないのに…あの野郎、海でサメの餌にしてやる……」


「いや、それよりもっといい方法があるぜ。こいつを警察に見せるんだ。そうすりゃあこの2人に目を向けて操作してくれるはずさ。」


「なるほどぉ、では早速…」


モーズビー支配人はデータを受け取ると走っていった。


「さてとここからどうする?」


「もちろん架純を奪還しに行く!」涼真が言った。


「そしてあの野郎に目にもの見せてやる!」かおりも言った。


「どうやら時は満ちたようだな。さてと彼女の居場所は分かるかな?」


「分かる。かすみの髪にちっとやそっとでは落ちない発信機を付けておいた。これで分かるはず…」


涼真がスマートフォンで発信機の位置指し示した。5人は顔を見合わせ、ニヤリと笑うと次元の車に乗り込んだ。



大阪湾のとある倉庫、架純は手錠に繋がれていた。身動きが取れない…。コツコツと靴音を立て九条が近づいてきた。


「おやおや、俺から逃げられるとでも思ったのかな?随分甘い思いをしていたようだが…」そう言うと彼は架純の頬をぶった。


「俺以外の男と関係を持ったらどうなるか、思い知らせてやる。」鬼のような面を見せた。彼は服をやぶこうと手を出した。が…


「はい、そこまで。」と声が響き渡った。振り向くと入口に次元が立っている。慎太や隆司、かおり、涼真も一緒だ。


「お楽しみのところちょっと悪いんだけどもがな、その子に指一本触れてもらう訳には行かねえんだ。」


彼はコソコソと逃げようとするグロムゴールドに向かって一発発砲した。


「ちょっと待ちなよ。グロムゴールドのとっつぁん。ようやく役者が揃ったんだ。ここで逃げてもらっちゃあ困るんだよ。」



第九章:大暴露と大爆発


その発砲が合図だったかのように慎太、隆司、かおり、涼真が入ってくる。


「お前がしてきたことは分かってるんだ、九条。架純ちゃんと結婚するのは自分だけの意思ではないってこともな。」


「何!?どういうことなんだ!」


九条が喚くと慎太が続けて言った。


「あんたは、そこにいるコールドハート・グロムゴールドと手を結んでいる。この男は俺の伯父である、スクルージ・ティプトンのライバルだ。」


「架純の父の会社の支援権を握ってるのはお宅の会社だ。ゆくゆくはあんたが架純ちゃんを正式に嫁に取ろう、そうすればあんたの将来も会社の将来も安定やからと。しかしティプトン社が支援券を手に入れようとして契約を結んだことによってあんたの計画は狂ってしまった。」


「だからお前は婚姻に迫った。助言したり、情報を取ってきたのは、そこのオッサンだろうな。」涼真がグロムゴールドを指しながら言った。


九条は鼻で笑いながら言った。


「フン!そんな事どこに証拠がある?デタラメ言ってんじゃねえ!!」


「あるとも。」次元が言った。


「あんたのパソコンをハックしたら色んなことがわかってねぇ。グロムゴールドとのやり取りがびっちり書かれている。これを警察に提出したらどうなるかな?後、会社の脱税の記録なんかもあったからなぁ…そのデータを送ったらお前の会社は終わりだろうぜ。」


「な、何故そんなものを持っているんだ!?さては俺のパソコンをハックしたな!!訴えてやる!!!お前達を警察に突き出してやる!!!!」九条の顔はどんどん赤くなっていく。


「別にいいぜ?ただそのデータは自分のですって自白するようなものだから。」次元はバッサリと切り返した。九条の顔はさらに真っ赤になった。


その時、サイレンが聞こえてきた。パトカーが到着したのだ。やがて機動隊が乗り込んできた。チンピラ達が応戦したが瞬く間に鎮圧されてしまった。ロングコートにメガネの男がやってきた。京都府警の水谷警部だ。「古都の番人」と呼ばれており、そのフットワークと推理力で犯人を追い詰める敏腕警部だ。


「これはこれは、次元君。相変わらずやることがえげつないですねぇ。おかげでこの男を強姦並びに脅迫、更には不正取引に脱税、全ての罪の証拠が見つかって助かりました。」


「何をおっしゃるんですか~古都の番人と呼ばれている。水谷警部ならすぐ集められますよ~」


「そんな事言ってる場合じゃないと思うけどな。」隆司が言った。見ると九条が後ろから次元に殴りかかろうとしている。鉄棒を振り上げた途端、銃声が轟いた。九条の手から鉄棒が吹っ飛ぶ。銃声がした方向を見ると、慎太が自身の拳銃をぶっぱなしたことが分かった。


「お前が銃を使うなんて珍しいな。」


「練習はしてるからな。実戦は久しぶりで戸惑ったが。」



その隙に涼真は架純を助け出した。


「大丈夫か?」


「うん、なんとか大丈夫。でも……怖かったよ…」


架純の顔は怯えた表情をしている。次の瞬間、彼は彼女の頬に手を当て、そっと彼女の唇に口付けた。架純の目からはポロポロと涙が零れた。そして九条に向かって


「あなたとはもう終わりです。もう二度と現れないでください。今までありがとうございました。さようなら」と言い放った。



九条の顔はますます赤くなった。機動隊員が彼を取り囲む。


「もはや、あなたは袋のネズミです。観念して人生をやり直すのですね。」


水谷警部は言った。


「フン、こんな人生ならいっそ終わらせてくれる!!」


そういって彼はジャケットを脱ぎ捨てた。その姿を見た全員が驚いた。彼の胴体にはぐるりと爆弾が巻かれていた。


「こんな手は使いたくなかったが、やむをえん!みんな吹っ飛ばしてやらぁ!!!」


「全員退避!!!」水谷警部が叫んだ。瞬く間に九条以外の全員が廃ビルから抜け出した。九条は高笑いをしながら、爆弾のスイッチを押した。



爆風と爆音が起き、廃ビルとともに九条は吹っ飛んだ。



ビルの破片が降ってこなくなると次元達は爆風の中心地に集まった。そこには何も無かった。


「まさかこんな展開になるとはな…」


「予想外すぎて言葉でんわー」


「あいつ根から狂ってたんやろな。狂人には相応しい最後やな。」


それ以上言葉を発するものはいなかった。



エピローグ


その後どうなったかをまとめておくことにしよう。コールドハート・グロムゴールドは一連の事件を支援したということで任意同行されることになった。また九条の部下達は全員逮捕され、九条の会社は表舞台から姿を消した。


涼真と架純は付き合うようになり今では幸せな日々を送っている。



そして次元はと言うと、かおりちゃんから色々とアドバイスをもらい男としてのスキルを磨いていた。春休みも終わりに近づいてきたとある日、次元の元に慎太がやってきた。


「次元さん、いい子紹介したろ。」


「お、どんな子?写真とかないの?」


慎太は写真を取り出して見せた。そこに写っていた女性を見て、次元の顔は赤くなった。


「お前!!元カノ紹介してどうするのよ!!!」


「もう復縁しちゃいなよ。お似合いのカップルだったじゃん。」


答える代わりに次元は鉄拳を食らわせた。こうしてまたいつもの日々に戻っていくのであった。



That's all Folks !!



今回で脱出と爆発編は簡潔です。今年の三月から書き始め、完成したのが12月という超スローペースで完成させました。気に入ってもらえたのなら幸いです。また作品を書くことがありましたら、よろしくお願いいたします。最後までご覧いただきありがとうございました。

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