表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

最終話




マヤンの鉄仮面が今度こそ崩壊した。




「ア・ヤカまで?! 何を考えてんですか!」




しかし、ア・ヤカはいつも通り満面の笑みを浮かべたまま、自信たっぷりに言い放った。




「つぎの族長選、わたしがぜ〜ったい優勝する! だから、わたしがわへーを結べばいっけんらくちゃく、でしょ? それに、わたしが優勝できなくてもレラッカかマヤンが優勝すれば、族長として、ひよこぞくとなかよくすることにすればいいしね☆」




その能天気っぷりと自信家っぷり(もちろん実力に裏付けされてはいるが)に、暫らく呆気に取られる一同……




「……よかろう」




声を絞りだしたのは、たった今までア・ヤカやレラッカと死闘を演じていたピヨキチだった。




「お父しゃん……?」



「ぱぴー!」




娘達の心配気な視線を受けながら、ヒヨコ族の族長はラディのもとに歩み寄った。




「この若者は、命懸けでひよ子を守ってくれた……そして」




レラッカを仰ぎ見るピヨキチ。




「君は、妹を思うブル子に優しく声をかけてくれた……。君たちを見ていると、下らぬプライドのために多くの命を犠牲にしてきた自分が恥ずかしくなった」




「ピヨキチ殿……」




「いまさらこんなことをいうのも図々しいかもしれん。だが、レラッカ殿、ア・ヤカ殿、そしてマヤン殿……シャマイの実力トップ3として名高いあなた達3人と、全てを水に流して和平を結ぶ約束をさせてはくれないだろうか」




シャマイの現在の実質的トップ3は、驚き半分、喜び半分、陰謀1/3の表情で顔を見合わせた。




「「「喜んで!!!」」」




3人の快諾に、周りの戦士達から歓喜の拍手が沸き起こった。




「ラディしゃん……よかった……!」




「ひよ子……」




ひしっと抱き合うラディとひよ子。




そして……




「レラッカ……」




ブル子がうれしそうな顔つきで声をかけてきた。




「これはーあなたのおかげですー。ほんとにー、ありがとー」




「ブル子……そんな! あああたしは何も……」




改まってそう言われると、妙に照れ臭い。




「そうだ、ブル子! お願いがあんだけど」




照れ隠しに、少し大きな声を出す。




「なーにー?」




「これからずっと、友達でいてくんないかな?」




ブル子は、愛らしい笑顔を浮かべてレラッカの手を握った。




「もちろんー!」




こうして、ラディの漢気あふれる愛情と、レラッカとブル子の無償の友情のお陰で、シャマイ族とヒヨコ族は和平を結ぶに至ったのだった――




その後、ラディとひよ子が愛情を育み、結婚式が執り行われるのは、玉吉が鏡の向こうの世界を知ってからのお話……。



[終]

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ