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婚約破棄された不運令嬢ですが、辺境をダンジョンで開拓しますわ! 〜DEX2の不器用令嬢、LUK999とうっかりミスで借金一億を完済します〜  作者: 海底撈月


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53 未曾有の事態と火事場泥棒

【非常事態】スタンピード、王都に到達するPart105


45:名無しの騎士

 嘘だろ。

 今見回りしてたら、王都の結界がなくなってるんだけど。


71:名無しの令息

 マジかよ。

 マジだった。


98:名無しの冒険者

 おいおいおい、どうなるんだよこれ!

 すでにスタンピードはすぐそこまで来てるんだぞ。

 モンスターが市街地になだれ込んだらシャレにならないぞ。


101:名無しの衛兵

 報告!

 南門が突破された!

 アイアンオークの群れが市街地に流入。防衛線は崩壊した!

 騎士団の生き残りはただちに【中央サン・アリア区】の大聖堂へ撤退しろ!

 繰り返す、南門は放棄だ!


152:名無しの市民

 うそだろ、南門が!?

 俺の家、すぐ近くなんだよ……。


183:名無しの市民

 さっきから巨大なスライムが窓を突き破って入ってこようとしてる。

 誰か、誰か助けてくれ!!


205:名無しの冒険者

 【冒険者ギルドから通達】

 ランクC以上の全登録者は、ただちに【西区・商業広場】へ集結せよ。

 これは強制招集だ。逃亡者は資格剥奪。

 街を守るぞ! 報酬は後で王家から分捕ってやる!


312:泣き出しそうな母親

 誰か、私の娘(5歳、赤いリボンの髪飾り)を見かけませんでしたか?

 避難の途中で、人混みに流されて……。

 南区の広場付近で最後に見失いました。

 お願いです、誰か情報を……。


450:名無しの魔術師

 【重要:魔術師協会より予備戦力へ】

 魔導師免許を持つ者は、引退者も含め、ただちに【魔導塔・結界管理室】へ。

 「星霜の結界」が完全に沈黙した。予備魔石も底を突いた。

 人力が頼りだ。このままだと、あと一時間で王都全域が魔素の嵐に飲み込まれる!


588:絶望の衛生兵

 ポーションが……ポーションが本当に一瓶もないんだ!

 さっきから運び込まれてくる重傷者の足が、腕が、治せない。

 【治癒魔法】を使える奴はいないのか!?

 魔力が空でもいい、止血だけでも手伝ってくれ!

 頼む、目の前で仲間が死んでいくんだ……!


721:名無しの騎士

 >>588

 ……無茶言うな。

 さっきから「聖女リリア様」を探してるんだが、どこにもいねえ。

 お城の奥で「祈っている」って話だが、結界は消えたままだ.

 おい、アルフォンス殿下! いつもみたいに「リリアの奇跡」で何とかしてくれよ!

 掲示板見てるんだろ!? 何か言ってくれよ!


802:王都の住民

 「次期国王」さん、まだ出てこないのか?

 掲示板に張り付くのが趣味だっただろ。

 国民がこんなに死にかけてるのに、自分だけ地下室にでも隠れてるのか?

 最低だ……。


885:名無しの商店主

 >>721>>802

 無駄ですよ。王宮の召使いが逃げてきたが、殿下は今、お城の財宝をまとめて逃げる準備をしてるって噂だ。

 ポーションだって、殿下がリリア様の服や宝石のために予算を使い切ったから、在庫が補充できなかったんだろ!

 俺たちの税金、俺たちの命……何だと思ってやがるんだ!


950:名無しの騎士

 ……もう終わりだ。

 空に、巨大な影が見える。

 飛竜(ワイバーン)の群れだ。結界がないから、空から直接通りに降りようとしてる。

 ……みんな、今までありがとうな。

 家族に会いたかったな。


●Sideリリア

 王都の混乱が最高潮に達したその夜、私はこっそりとお城に忍び込んだ。


「【闇魔法】、【次元斬ディメンションカッター】」


 私は壁を空間ごと斬り裂く。物理的に突破が可能ならセキュリティなんてあってないようなものよ。

 目指すのは宝物庫。


 全く役割を果たしていない重厚なオーク材の扉を一瞥してそこに入ると、石造りの部屋特有のひんやりした空気が立ち込めていたわ。


 地下に作られた宝物庫は、重厚な花崗岩の壁に囲われていて、天井にはアーチがあり、大きな柱で支えられている。


 耳に届くのは無音。足元は宝物を傷つけないよう毛足の長い絨毯が敷きつめられていて足音が響かない。


 私は【暗視】のスキルがあるから灯りがなくても目当てのものを探せる。

 宝石がはめ込まれた宝剣、金銀の杯、精巧な細工が施された宝飾品。

 戦利品かしら? 傷ついた武具もたくさんあるわ。

 そして同胞であるモンスターの、角や牙、革、そして剥製――雰囲気的には、このあたりかしら。


 私は鉄格子の向こうに目当てのものを見つけた。


 硝子のケースに入れて、厳重に保管された、紫色に光る黒い宝石。

 あれから魔王さまの魔力が漏れている。

 あれこそが、「封印の鍵」に違いないわ。


 台座には古代文字が刻まれていて、魔力遮断の結界が張ってあるわ。

 それもそのはず。遮断しておかなければ、封印の鍵が周囲の魔力を吸収してしまうもの。


「魔王さま。ブラックエンシェントドラゴンさま。今お助けいたします。【次元斬】」


 鉄格子も硝子のケースも、私の魔法であっけなく壊れた。

 封印の鍵をこの手に抱けば、ドクン、ドクンと脈動しているのがわかる。

 私の目的達成は、あと少しよ。


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