14 おや? 村人たちの様子が……
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アニーさんはオーク肉をシチューにしてくれました。
アルミラージの骨がらや薬草とオーク肉をじっくり煮込んだ、素朴ながらもお腹にたまるお料理です。
程よい塩味と、複数の薬草が織りなす爽やかな香味と辛味があり、絶妙なハーモニー奏でています。
硬いながらも旨味の強いファングラット、柔らかで濃厚な甘みのあるヤキイモグラの肉を挽いて団子にしたものも入っていて、大変豪華です。
ダンジョンの恵みをふんだんに使った温かな食事は、この地で生きる私たちを大いに励ましました。
「体が……熱い! 力がみなぎってくる!」
美味しいシチューを食べた村人たちは、大げさに喜んでいました。それが、あんなことになるなんて、このときの私は思いもしませんでした。
翌日、疲れていた私は少しお寝坊をしました。
「た、大変! 皆さまを待たせてしまっていますわ〜!!」
ヴィオが作ってくれた朝食を口に詰め込み、私は村人たちの元に向かいました。
作業所では、女性たちが総出で濾過器をフル稼働しています。ヴィオやドガンさんの姿もありました。
男性はというと……。
「フハハハ! 軽い軽い!」
「おやお嬢様、おはようございます!」
なぜかムキムキマッチョになった村の男性たちが、海水のバケツを高速で運搬しています。
彼らがまとう魔力の流れは【身体強化】に間違いありません。
「お嬢様、おはようございます。よく眠れたようですね」
「ヴィオ! これはどういうことですの?」
「スカンピアはもともと魔素の濃い地域。長年この地に住んでいた彼らは、他の土地の人に比べて魔力が高く生まれつくようです。
その下地があって、昨日の食事。高ランクのモンスターの肉を食べたことがきっかけとなり、一斉にスキルを身に着けた……ということでしょう。
今までの十倍もの効率で製塩の作業が進んでいます。これなら、ダンジョン素材だけでなく、塩もお金に替えることができるでしょう」
私が唖然としていると、両手に四つもバケツを下げたガヴさんがにこやかに話しかけてきました。
「ははは、お嬢様たちばかりに命をかけさせてばかりにはまいりませんからな。スカンピアの危機は、全員一丸となって乗り越えましょう。もちろん、お嬢様の借金もですぞ」
私は涙をこらえることができませんでした。
ヴィオ、ドガンさん、村のみんな……。私は人に恵まれています。本当にスカンピアに来てよかったと強く思いました。
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