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第10話


 もう早いもので、王宮からの迎えが来た。

豪華な馬車が家の前まで来て、燕尾服を着た人が一人降りてきた。


「ユーリア・ノアール様、お迎えにあがりました」

「……こ、こんにちは」

「ユーリア、頑張るのよ」

「う、うん!お義母さま。お義父さま、行ってきます!」

「いってらっしゃい」


そのまま馬車に揺られて、三十分。

坂道を登れば王宮だ。


王宮の門の前まで到着すると、私はその場で降ろされ、大きな王宮の前に立つ。

高い格子の門が私を歓迎するように両開きに開いて、私は歩いて進んだ。

入ってすぐに建物が見えて、今まで見たどの建物よりも大きく、圧倒された。


「す、すごい」

「……」


案内してくれている執事さんは一言も話してくれない。

すぐに見えた建物の下の方にアーチがあり、そこから王宮内に入るみたいだ。

今から向かうところは、謁見の間だそうで、国王から直々に説明があるとのことだった。


アーチをくぐると、大きな教会が目に入る。

街にも教会はあるけれど、ここまで大きな教会は初めて見た。

その教会を横目に、大きな扉へ入る。


「わぁ……!」


国王の居住地も兼ねている建物の廊下には様々は美術品が飾っていて、息を飲んでしまう。

チラチラと周りを見ながら、執事さんへついていく。


(なんでこんなに扉があるの……!?)


辺りを見渡せば大量の扉が目に入り、こんなにお部屋があって何に使っているんだろうかと気になってしまう。

そのまま歩いていると、扉がない道が少し続いて、もう少し進むと私の身長の二倍くらいはあるんじゃないかってくらいの大きい扉があった。


(わ、大きい……おもそうな扉)


両開きのドアを執事さんが開けてくれて、中に入ると、レッドカーペットから続く玉座が見えた。

左右の壁は綺麗な装飾が施されていて、扉があったり。

吹き抜けているらしく2階分の天井の高さがあった。


中には私と同じくらいの女の子が三人いた。

女の子たちは、冷や汗をかきながら下を向いてる子、真剣な眼差しで玉座を見つめる子、どこを向いているのか分からない子、と多種多様な反応をしていた。


「あ、あの……」


私は挨拶をしようと声を出すと、執事さんに止められた。


(だめなの?)


そのまま私は謁見の間に取り残され、執事さんはどこかへ行ってしまった。

女の子たちと目を合わせ、会釈をする。

会話は止められたけど、これくらいならいいよね?




「お待たせいたしましたわ!」


扉を勢いよく開く音が聞こえ、入ってきたのは豪奢なドレスを着た女の子。

貴族の子なんだろう。


「こらこら、リシェル?まだ話しかけてはダメだと言われただろう?」

「そ、そうですわね。失礼いたしましたわ!クラウスお義兄様、もう謁見の間に着いたのですからお帰りにならなくては」

「そうだね。リシェル、頑張るんだよ?」

「ええ!もちろんですわ!」


リシェルと呼ばれた女の子がドレスを持ち上げて優雅にレッドカーペットを歩いてくる。

その様子をクラウスと呼ばれた男性が笑顔で見つめていた。


扉がパタンっと閉まる頃には、謁見の間は私たち五人の以外はいなかった。




後ろの扉がまた開き、入ってきたのはこの国の国王と、その側近だった。

緊張で頭が真っ白になって、どうすればいいのかわからない。

とりあえずみんなに揃える形で頭を下げてみた。


「頭なぞ下げなくてよい」


そう言われ、また私たちは上を向き、国王へ向き合った。

国王はそのまま玉座へ向かい、ドカッと座り、とある紙を取り出した。

国王は少しの咳払いをして、こちらを見た。


「本日ここに集まったのは、聖女候補者たちだ」


(えっここにいる全員が?)

少なくとも、平民から選ばれるんじゃないの?リシェルって女の子は、貴族なんじゃないのかな。


「聖女とは、ヴァレリオス様の加護を賜った特別な者のこと。聖女候補とは、聖女になる資格を持った者のことだ」


唾を飲み込み、前を向く。

冷や汗をかいていた子も今は前を向いていた。


「聖女候補は立太子が完了して一年後に誕生する。その為君たちには今日から聖女候補だ」


聖女候補。

この間勉強したから何となくわかるけど、やっぱり少し面倒くさそうだ。


「そして聖女は聖女候補が誕生してから一年後に誕生する。だから君たちには今日から一年間王宮で過ごしてもらうこととなる。この間は原則として、自由に帰ることは許されない」


(聞いていた通りだ……)


どこを見ているのか分からなかった女の子はその言葉に少し動揺して目を見開いていた。

自由に帰られないの、嫌なのかな。


「王宮に滞在している間は聖女に選ばれた際のために、礼儀作法、学問やダンスなど、様々な分野を学ぶことになる」


勉強!

そう、私はこれを目当てに来たんだ。

勉強を頑張って、お義父さまとお義母さまに恩返しをする。


「王宮で得られる知識や経験はこれからの君たちの力になるだろう」


国王の言葉に少女たちは一斉に頷いた。

その言葉を最後に国王は謁見の間から出ていったしまい、また私たちが取り残された。



ここまで読んで頂きありがとうございます!


以下第10話の登場人物

主人公 - ユーリア・ノアール

聖女候補 - リシェル・ベラミー

聖女候補 - ???

リシェルの義兄 - クラウス・ベラミー

国王 - アルトゥール・ヴァレリアン


全員の名前決まってたけど出すタイミングなかった…

次話で全員分出します!

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