表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/49

緊急会議は難航する。

《繁華街・喫茶店》


――心が酷くザワつく中、俺は本題を切り出した。


【燈馬】

「……さて――そろそろ、お前たちのことを教えて貰おうか」


コーヒーから始まり、コーラを拒否して、主人公達と遭遇した。


正直、まだ頭がついてこない。


それでも、俺は聞かなくてはならない――。


俺が……“殺される未来”を回避する為に。


【葉子】

「――そんじゃ、アタシから。アタシは八崎やざき葉子ようこ


【燈馬】

「はい、次……!!」


あんまりダラダラしていると、話がそれそうだったので、俺はパンパン話を振ることにした。


【???】

「次は俺の番か……俺は猪瀬いのせしげるだ」


【燈馬】

「オッケー、茂な?」


【茂】

「おうよ!!」


【燈馬】

「最後は……お前だ」


俺は少しだけ言い淀んだ。何故なら……。


【???】

権堂ごんどう松之助まつのすけだ!!」


【燈馬】

「……よろしい!!」


松之助とやらは超デカく、ガタイもよく、スキンヘッドで――超……強そうだったからだ。


俺の直感は告げていた。


コイツは敵に回すとヤヴァいと……。


ヤバいではなく、そりゃもう……ヤヴァいのだ。


【瞑】

「それじゃ一応、私は月夜つきよめいよ」


【燈馬】

「……ふふっ――なんかイイね、ガタガタなメンバーで気にいったよ」


ほんっ――と、ガタガタで、ゴツゴツしたメンツだった。


でも、悪くは思えなかった。なんというか……。


こんなガッタガタな仲間達を、俺は待ち望んでいたのかも知れない。


きっと、マトモなWEB小説の中じゃ、こんな奇抜なメンツにはならない。


主人公サイドも、敵も味方も……。


美形かゴツくても格好イイのが普通だろう。


でも松之助は背が高く、スキンヘッドで見るからに筋肉隆々で、決して若くは見えない。


なんなら、現実世界の俺より老けて見えて、めちゃんこ渋い顔をしていた。


【葉子】

「ゲッ――なに、アンタ……松之助に“気”でもあるの?」


【燈馬】

「ねぇよっッ!!」


俺は光の速さで否定した。


【葉子】

「いや、だって今――凄く、松之助の体をジロジロ見てたじゃない?」


【葉子】

「ねぇ……? 瞑」


【燈馬】

「いや、瞑じゃないんだが……?」


【瞑】

「えっ……そうなの? 燈馬」


【燈馬】

「いやいやいや……無い無い無い!! 断じて無いぞ!! 俺はノーマルだ!!」


【松之助】

「…………」


松之助は無言を貫き、一人、腕を組んで目を瞑っていた。


俺はそれが怖かった。


【葉子】

「まぁ、冗談だけどさ? アンタは……ふふっ――」


――グイッ!! ムニュんっ!! ポヨンっっ!!


【葉子】

「“コッチの方”が……好きそうだしね……?」


【瞑】

「葉子――喫茶店の中で下品なことしないでよ……」


葉子は自分の胸を掴むと、揺れ動かして魅せた。


これがまた……どデカいのだ……。


【葉子】

「まぁ……“アンタは出来ない”だろうけどね、瞑」


【瞑】

「ハイハイ、偉い偉い……どうせ私はまな板ですよ? でも、別にいいんだよ動きやすいし」


【瞑】

「それに、こんな私にも一定の需要だってあるし、服は選び放題だし? 全然、効いてないから!!」


【燈馬】

「――なぁ……茂、いつも……あの二人はああなのか……?」


俺は気になって、コソッと茂に声を掛けた。


【茂】

「まぁ……たまにああして、じゃれ合ってんだよ」


【燈馬】

「そ……そうなのか、へ……へぇ?」


女っていう生き物は、とても不思議なものだと俺は思った。


ギャーギャー騒いで、なんかやっているのだ……。


【燈馬】

「で……話は終わったか? 次に進みたいんだが……」


俺は痺れを切らし、二人に話し掛けた。


【瞑】

「うん、もういいよ」


【葉子】

「アタシも満足したよ」


【燈馬】

「あら……お早いこと」


謎のバトルはすぐに鎮火していた。二人とも、なんだか物凄くケロッとしていた。


そんなこんなで俺は“重大なコト”を告げる。


【燈馬】

「さて……みんな聞いてほしい。これからのコトを」


みんなは黙ってくれるようだった。誰一人口を開かず、無言を貫いていた。


だから俺は――。


【燈馬】

「……もう少しすると、俺は恐らく――“死ぬ”」


超簡潔にみんなに伝えた。


どんな反応が返ってくるのか、俺はドキドキしながら待っていると……。


【葉子】

「……アンタが“死ぬ要素”あるの?」


【燈馬】

「へ……?」


それは俺が求めていた反応とは、少し違っていた。


【茂】

「同感だぜ。燈馬が死ぬ要素が見当たんねえよ」


【松之助】

「うむ……燈馬は強い、何者かに殺られることは無いぞ!!」


【瞑】

「一応、念の為、みんなには話したんだけど、誰も信じないんだよね……」


【瞑】

「まぁ……そんな私も、信じ切れないけどさ……?」


【燈馬】

「そっか――そうだよな……ただ、俺がそんな気がするって話を、信じろってことが無理がある」


これで俺は孤立した。うまく行けば、回避出来るルートが見えたかも知れない。


そのルートがたった今、切られたのだ。


……スッ――カタッ……。


落ち込んだ俺の元に、ホットコーヒーが置かれた。


【マスター?】

「燈馬、お前に名を伝えるのを忘れていた」


【燈馬】

「はっ――はぁ……」


【マスター?】

「俺は、この喫茶店の店主……“マスター”だ!!」


ガンッ――!! びしゃっッ!!


【燈馬】

「それだけかいっッ?!」


思わずテーブルを叩いてしまった。おかげで、少しだけホットコーヒーを溢した。


俺は呆れながらマスターを見ていた。


【マスター】

「“俺は信じる”ぞ、燈馬……だから用心しろよ!!」


【燈馬】

「まっ――マスター!!」


別にマスターに理解されても嬉しくはないが、内心、俺の心はチョッピリ救われた。


【瞑】

「ふぅ……飲まないなら私が飲むわよ、燈馬」


……カチャッ――。


【瞑】

「――ススッ……うん……美味しいコーヒーだ」


【燈馬】

「ちょっと瞑さん!? それ……俺のコーヒー……」


俺のコーヒーは瞑に奪われてしまった。


【マスター】

「ニィ〜〜? やっぱり燈馬はコーラだよな?」


【燈馬】

「ちょっと、もう嫌ぁ〜〜なにこの人達……」


全然、緊急会議が進まなくて頭を抱えていた。


俺の悩みは一つだけ。


このメンツ達と上手くやっていけるのか……。


それだけだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ