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化学実験室への階段の怪 調査レポート 001

作者: 水谷 聖香

 次の授業は化学だった。「2年F組のみなさんは化学実験室へ移動してください。」という案内がされた。化学の授業は本校舎とは別の建物にある、別館の2階にあった。生徒たちは化学の授業の時には移動しないといけなかった。そんな2階へと移動する階段で事故が起きた。生徒の一人が足を滑らせて怪我をしたのだった。生徒の話によると、ついうっかり足を滑らせたという。


 だがここ3ヶ月で同じ様な怪我が3件も発生していた。いずれも怪我をした生徒たちは一様に「ただ足を滑らせたとか、ついウッカリしていた」という証言だった。この奇妙な事故に興味を持った人物がいた。一年C組の女子生徒だった。名前は琴崎おとねと言った。彼女は事故当日に何か異変が無かったか密かに調査していた。そして、彼女はある噂を耳にした。「ウッカリ足を滑らせそうになった生徒は他にもいる事」を。ただ、それらは事故に至らなかった為、表に出ることがなかった。しかし、一部の生徒の間だけで噂になっていると言う。「誰かが階段を昇る生徒の足を引っ張っているに違いない」のだと。


 噂の信ぴょう性を確かめる為に、一年C組の女子生徒は更に調べた。判明したのは、噂はかなり曖昧だと言う事だった。誰かがやっているのか、本当に偶然発生した自然現象的事故なのか確信に至らずにいた。


 一年C組の生徒は事故が多発する階段を一人で登ることにした。他の生徒も教師たちも誰もいない、ある金曜日の午後の事である。女子生徒が階段を昇る。でも何も起きなかった。女子生徒が同じ階段を降りようとした時、不意に背中に圧迫感を感じた。女子生徒が振り向くのと同時に落ちていった。琴崎おとねが見た物、それは何だったのか今も分かっていない。その後、女子生徒は頭を強く打ち今も意識不明である。


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