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地味な平社員の俺が、何故か美人上司と社内のアイドルに迫られている件  作者: おとら@9シリーズ商業化


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早朝デート?

 振り返ると女神、いや麗奈さんがいた。


 上下スウェットだというのに、その可愛さたるや想像を超える。


 原因はなんだ? ……髪型か?


 サイドテールにして、前髪がおりている。


 何より、眼鏡をしておる……これが、ギャップ萌えというやつか?



「あ、あのぅ……? あっ! そ、そうだよねっ! 眼鏡してるから……松浦です!」


 眼鏡を外していそいそしている……本当に年上なのだろうか?

 可愛すぎやしないか……というか、俺がおかしい気がする。


「いや、わかってますよ。麗奈さんということは」


「え? あれ? そうなの? ぼけっとしてたような……」


「すみません、つい幻かと思いまして。今、麗奈さんのことを考えていたもので」


 それか! つい夢心地というか、変な気分なのは。


「えぇ!? わ、私のことを……? 」


「ええ、ここで会ったなと思いまして……つい最近のことなのに、ずっと前のような感覚になってました」


「そ、そういうことね……うぅー……心臓に悪いよぉ〜」


「はい?」


「ううんっ! でも、そうだよね……ここで会わなかったら、水戸君と仲良くなることもなかったし……もし仲良くなるとしても、ずっと後だったかもしれないね」


「ええ、そうかもしれないですね」


「あれ?……そういえば、なんでここに? それも、こんな早くに」


「いや、実は……」


 昨日の出来事を簡潔に伝える。


「あぁー……わかるわ……」


「れ、麗奈さん?」


 麗奈さんが何かを悟ったように遠くを見つめている。


「私にもあったよ……良くない企画書とか、部下にどう言ったら良いかなとか……」


「やはり、そうですか。月曜日に、新人さん二人にどう伝えれば良いのか……」


「傷つけないっていうのは難しいもんね……でも、言う方も言われる方も、そうやって成長するんだと思うよ」


「なるほど、皆が通る道なのですね」


「ふふ……嬉しいな」


「え?」


「水戸君と悩みを共有できて……うちの部署では、課長くらいしかいないから」


「確かに……元々新設の部署ですし、基本的に平社員が多いですもんね」


「そうなのよねー……主任の人も、他所に行ってしまったし……新しい主任も決めないといけないけど……」


「そうですよね……立ち話もあれですから、座りませんか?」


 スーパーの横にはベンチがあるし。


「う、うん……」


 ベンチに座るまえに、俺の上着を敷く。


「さあ、どうぞ」


「えぇ!? わ、悪いよ!」


「いえ、ただのジャージなので」


「私だってスウェットだし……なんで私はスウェットなのよぉ〜……」


「え? ……散歩をしているからでは?」


「そ、そうなんだけど! もう!」


「す、すみません……俺の気がすまないので、どうぞ遠慮なく」


「そ、それじゃあ……失礼します」


 並んで座ったのは良いが……。


「遠くないですか? もっと楽にして良いですよ」


 何故か、ベンチの端っこに座っている。


「い、いえ! 気にしないでっ!」


「いや、そういうわけにも……はっ! 俺、臭いですかね!?」


 あれ!? シャワーを浴びたんだけど!? いや、歩いたからか!?


「えぇ!? く、臭くないよ!? く、臭いのは私だもん!」


「え?」


「あっ——はぅ……だってだって、寝起きだしお風呂入ってないし、汗かいて臭いし、水戸君に会うなんて思ってなかったから髪だってボサボサだし……」


 ……なんだろう、この可愛い人。


「気にしませんよ。いつも通り可愛いらしいし、良い匂いがしますから」


「ひゃい!? か、可愛い……良い匂い……」


「あっ——すみません! 歳上の方に向かって……それに、変態みたいなことを……」


「え、あ、う、あぅぅ……」


「お、俺! ジュース買ってきますね!」


 慌てて立ち上がり、自販機の前に立つ。


 何を言っているんだ!?

 落ち着け! 突然会ったからといって気を抜くな!


「……よし、こんな時はコーヒーを飲むに限る」


 気持ちを落ち着かせて、麗奈さんのところへ戻る。


「あっ、水戸君……」


「紅茶が好きでしたよね? 遠慮なくどうぞ」


「ぁ、ありがとぅ……」


「いえ、お気になさらずに」


「そ、そういえば! お姉さんは元気かしら?」


「え? まあ、元気ですよ。ただ、色々と身体に変化があるそうなので、少し心配ですね」


「わかるわ、その気持ち。三十路に近づくと、色々あるわよね」


「良い相手が見つかると良いのですが……」


 ほとんど、俺のせいなんだけどな……ハァ、どっかにいないかね。

 メンタルが強くて、うちの親父もスルーできるようなお調子者は……。

 それで料理上手なら言うことないんだが……。


「わ、私にも良い相手いないかなぁ〜……」


「え?」


 俺をチラチラ見ている?

 ……まさか、俺のことか?


「何処かにかっこよくて優しくて素敵な男性いないかなぁ〜……」


 ……違った、俺のことじゃないな。

 かっこよくも優しくもないし。

 アブナイアブナイ……とんだ勘違いをするところだった。


「いると良いですね。麗奈さんなら、きっと平気ですよ」


 よし、俺に出来るのは……それに近づけるように努力することだな!

 幸い、いないかなぁ〜ってことは、今はいないということだし。


「み、み……」


「み?」


「水戸君の——バカァァ——!!」


「えぇ!? れ、麗奈さん!?」


 麗奈さんは走り去ってしまった……。


「俺、何か悪いこと言ったか?」


 ただその直後に、ごめんなさいとメールがきた。


「ほっ……怒ってはいないようだ」


 はて? なんだったんだろうか?


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― 新着の感想 ―
[良い点] うーんこれは麗奈さんが悪い(笑) まあ、経験ない人に経験なくて自己肯定感低い相手を持ち上げたら自分のことじゃないと思われるっていうのはわかんないと思うので仕方ないと思います(笑) 森島さん…
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