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地味な平社員の俺が、何故か美人上司と社内のアイドルに迫られている件  作者: おとら@9シリーズ商業化


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麗奈さんのお礼と森島さん

 昼食を食べ終えた後、麗奈さんがモジモジし始めた……。


 なんだ?やっぱり、何かリクエストがあるのか?


「どうしました?何か、お弁当についてリクエストでもありましたか?」


「ううん!違くて……水戸君は、お腹いっぱいよね……?」


「え?いや、そこまでは……腹6分目くらいを目安に作ったので……」


「え?そうなの?」


「お弁当のサイズは違いますけど、そこまでお腹いっぱいではないでしょう?」


「そうね……いや、どうかしら?最近、お昼は食べないこともあったから感覚が……」


「麗奈さん?」


「ご、ごめんなさぃ……」


「ったく、それでは仕事に支障が出ますよ。やっぱり、しばらくは作ってきますね」


「返す言葉もないです……」


「いえ……でも、そうか。そういうことも考慮に入れないとな。正直言ってください……多いですか?足りないですか?」


「……多いことはないかな?7、8分目……くらいかな」


「なるほど……6分目を目安にしたけど、それでは多いかもってことか」


「多いとダメなの?」


「ダメということはないですが……眠くなりやすかったり、苦しかったりしたら仕事もやり辛いでしょう?」


「あっ——そういうことね」


「ええ、料理とは相手に合わせて作るものですから……っ——!」


「ど、どうかしたの?苦い顔してるけど……」


「い、いえ……少し、昔を思い出してしまって……親父の言葉が……」


 嫌な記憶だ……。

 料理が好きだったのに……嫌いになりそうだった頃を思い出す……。

 あれから何年経つと思ってる……!


 俺がソファーで俯いていると……何か、とてつもなくいい香りがした……。

 次の瞬間……俺の身体は——横にされていた……。


「は、はぃ……ど、どうかしら……?」


「はい?え……?」


「ひ、膝枕……最高だって言ってくれたから……少しは楽になるかな……?」


「……お気遣いありがとうございます……ですが……」


「ダメ、起き上がっちゃ。こ、これはお礼なんだから……」


「そ、そうですか……」


 いや、まあ、確かに……極楽ですけど。

 程よいムッチリ感と、脳内を刺激する甘い香り……。

 安心感と、ムラムラ感が同居する不思議な感覚……。

 しかも、ダメって……こんなの——最高だろ。


 結局——俺はその誘惑に耐えきれずに、身を委ねるのだった……。





 午後の仕事は、調子が良かった。

 理由は言うまでもない……膝枕だ。

 なんだ?あれは?天国なのか?

 え?弁当作ったら……してくれるのか?

 ……馬鹿か!俺は!


「いかんいかん……せっかく、はかどってたのに……集中、集中……」


「どうした?さっきから、ニヤニヤしたり真面目な顔したり……」


「は?本当か?」


「ああ、良いことでもあったのか?」


「まあ、そうだな……うん、良いことだったよ」


「ふーん……おっといけねえ、睨まれてるわ。仕事、仕事……」


 昇の視線の先を確認すると、麗奈さんと目が合う……。

 え?俺……あんな美人に膝枕されてたの?

 何ということだ……俺みたいな平凡な男にはあり得ない状況だ……。

 勘違いするなよ?俺。

 あれはお礼、あれはお礼……よし、これでよし。


 俺は再び仕事に戻るのだった……。




 無事に仕事が終わり、定時で帰ることができそうだったが……。


 会社を出たところで、声をかけられてしまった。


「水戸先輩!」


「森島さん?どうしたの?」


「これから、飲みにいきませんか?」


「はい?俺と?」


「はい!」


「いや、俺原付だから。飲めないし……」


「んー……じゃあ、食事だけでも!」


 ……どういうことだ?

 俺を誘う理由は何だ?

 断るのも面倒なことになりそうだな……。

 理由はわからないけど……少しすれば飽きるだろう。

 誘われ続けるのもアレだし、付き合うとするか。


「いいよ。ただ、オシャレな店とか知らないよ?」


「普通でいいですよー。ファミレスでも良いですし」


「へぇ……」


「あっ!今……意外だって思いましたね?」


「まあ……正直」


「良いですよ、そういうイメージですし……じゃあ、行きましょう!」


「はいはい……」




 その後、本当にファミレスに入った。

 意外だ……フレンチとかイタリアンに連れて行かれるかと思った……。


「どれにしようかなー……和風ハンバーグにしようっと」


「おっ?早いね」


 もっと、時間がかかるかと思った。

 こっちにしようかなー、でも〜とか言うかと……。

 見た目で判断しちゃいけないな……。


「結構、即決しますよー。水戸先輩は?」


「リブステーキにするよ。滅多に来ないしね」


「スープとかドリンクバーはどうしますかー?」


「スープセットにしようかな。ご飯との」


「私も同じでいいかも……じゃあ、呼んじゃいますねー」


 店員さんが来て、森島さんが注文を頼む。

 へぇ……テキパキしてるな。

 もっと、男性に甘えてくるタイプだと思っていたけど……。

 いや……確かにお茶汲みなんかも上手だし、タイミングなんかも上手だ。

 たまにスマホいじったり、お喋りに夢中になってることはあるけど……。

 あとは、男に媚び売ってるなんて言われてるけど……。


「まあ……俺は俺で判断すれば良いことだな」


「え?何か言いました?」


「いや……意外としっかりしてるなと思って。でも、よくよく考えてみたら気配りも上手だし……会社でも、俺らは助かってるしね」


「…………」


「どうした?黙り込んで……」


「水戸先輩って、そういうところありますよねー」


「はい?」


「いえ、なんでもありませんよー」


 こうして、なし崩し的に食事をすることになったが……。


 一体、何故こうなったんだ?


 俺は、理由を聞くか聞くまいか——悶々とするのであった……。


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