表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

5話目

誤字脱字矛盾生暖かい目で見てください。

「おい幻花僕の話を聞け!!!」

「嫌だ!!やっぱり那由多君も私のこと何にも分からないんだ!!何で敵になるの!!」


 僕は自分の肺が爆発するのではないかと思うぐらい息を吸った。そして大声で叫ぶ。


「いいから黙れ! !!!!自分の言葉で自分の意思を理解して欲しいならまず他人の話を聞け!!!!!」


 幻花が驚いたような顔をし体を震わせた。今の幻花の目はただ、親に叱られるのを恐れる子供と同じようだった。今にも泣き出しそうな……


「幻花僕の話を聞け!!いいか?」


 幻花は返事をしないで、少し頷いた。ようやく落ち着いてくれたようだ。


「僕の恋愛の話を聞いてくれ。僕は一時期瑠奈のことを愛していた。勿論恋愛対象としてだ。でも僕と瑠奈は兄妹だ、しかも血の繋がってる。当たり前だが母さんからも色々言われたし、何故か知らないがこのことが噂になり、瑠奈の友達に文句を言われたり、殴られた男女問わずに。それでも僕は瑠奈を愛していた。けれど少し距離を置いてみた。いや、置かざるを得なかった。まぁどちらにせよ少しの期間離れていたら世界が変わったようだった。瑠奈は対する恋愛感情は薄れた。でも嫌いにはならなかった、それに兄妹愛は強くなった。幻花も少し距離を置いて少し思考を落ち着かせてみな。別のものが魅力的に見えたり、醜く見えるようになるさ。距離を置くものが近ければ近いほど」


 僕が熱論し終わった頃には既に、僕の目の前に泣きそうな幻花は居なかった。


「ねぇ那由多君……」


 えっまだ何か言う?もう疲れたんだけど…


「学校行かなくていいの?」

「あ……」


 僕は電車通学なんだ。遅刻になるのが、8時25分以降に正門を潜ったらだ。僕は通学に約30分を必要とする、今の時間は8時5分。終わった……


「よーしこんな話はヤメダ!!僕は学校に行ってくる。幻花はこの家にまだ居座るなら、鍵閉めといてくれ。あっ、あと出ていくなら机の上の鍵で閉めてからで!!じゃあな」


「那由多君このお弁当持って行かないの?」


 幻花の手には、瑠奈が作ってくれた弁当が握られている。瑠奈は毎朝朝早くから出社する母に変わって僕に、弁当を作ってくれるのだ。そして毎朝あることに気がつく。「あれ?僕ってこの家に必要か??」と。よくよく考えれば僕家事もバイトもしていない。まーどーでもいっか!!


「持ってく。悪いなこの鞄にぶち込んでくれ」


 そう言い、チャックが全開になっているスクールバッグを幻花の前に出す。幻花は、丁寧にそして素早く弁当をぶち込んでくれた。


「それじゃあ行ってくる」

「いってらっしゃい」


 僕は全速力で走り駅へ向かう。


〜〜〜〜〜


 僕は職員室に向かう。この学校は何故か、遅刻をしたら職員室へ向かうと言う、無意味な行為をさせられる。


 この学校のこう言うところが大嫌いだ。そう僕はこの学校が今までいた、虐められていた学校より、中学より、小学校より幼稚園より、何よりも嫌いだ。意味不明な校則。何よりも僕がこの学校の最も嫌悪している部分、教師だ。


 常に前向きな男が担任である。五月蝿い。アイツの言葉が大嫌いだ。やってみないと変わらないだなんだと喚いている。コイツの考えは、僕の考えと一致しない。何が「やらないと変わらない」だ、失敗するかもならやらない方が得だ。何が「向き不向きより前向きに」だ。不向きならすぐに辞めろ逃げちまえ。これがアイツの嫌いな部分だ。


 ドアを3回ノックし「失礼します。二年加賀谷遅刻です」と声にだす。奥から名前も知らねぇ教師が出てくる。遅刻理由を書く欄と名前記入欄しかない紙を渡され、教室へ向かわされる。


 僕が教室の前へ着くと既に、1限目が始まっていた。後ろから教室へ入る。一瞬だけ皆こちらを見るがただそれだけだ。これがスクールカーストトップの人間なら、もっと違った反応だったのだろう。僕は1限目の教科である歴史のノートと教科書と資料集を机に出し座る。


 授業なんて聞かずにさっきの紙に遅刻理由を書く。従姉弟を説教していた。と書きたいところだが、めんどくさそうなので適当に事故ったと書いた。教師もこんなもん見ないだろう。などと考えていると、学校全体にチャイムが鳴り響いた。1限目が終わったのだ。


 「次の時間の用意をするか」などと考えて席を立ち上がる。そこである人物に声をかけられた。と、言いたいところだが話しかけてくれる人なんぞ教師と、………あれ?他に誰もいなくね?……うん、こんなこと考えるのやめよう!!!悲しくなる。


「おい、加賀谷」


 今度は本当に名前を呼ばれた。声をする方に目を向けるとそこには、ある人物がいた。僕の大の苦手な相手、担任だ。心の中で舌打ちをし、担任の方へ目を向ける。いつもの声より少し高く明るい声で返事をする。


「どうして遅刻した?遅刻することがわかっているなら、連絡を入れろと言っているだろう?」


 連絡してねぇなら、事前に察知出来なかったことも分んねぇのかこいつは。適当にでっち上げた嘘をつく。「痴漢を疑われた」などと言えば、黙ってくれるだろうか?いいや。コイツは絶対に黙らない。そう言う奴だ。

 あぁ、凄くイラついてきた。まだ何も起こってないだろ?遅刻理由を聞かれただけだ。なのに何故だ?こんなにもイラついているのだろうか。最近すぐイライラしてしまう。こんな自分も、担任も、遅刻した理由の一つである幻花も、消えて欲しい死んでほしい。軽く舌を噛む。急に冷静になった。返事をしないと。遅刻理由答えないと……。


「なんだ?言えないことなのか?寝坊したのに連絡を忘れたのか?」

「あっ、はいそうなんです。朝起きたらもうギリギリで連絡入れる時間もありませんでした。すいません」


 大人しく謝ると担任も消えていった。またイラついてきた。遅刻理由を新しく書き直さないと。チックソが。


〜〜〜〜〜


「おかえり!!」


 幻花のお出迎えだ。僕はバイトもしていなければ、部活にも入っていない。瑠奈は生徒会だ。なんで兄妹でこんな差が生まれたのか……。母さん今日の夜ごろに帰ってくるのか。


「ねぇ那由多君話があるの」

「そうかなんだ」

「長くなるかもだから少し座ろっか」


 僕はソファーに座る。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ