大聖炎
「【聖女】といえど所詮はこの程度のものか。もう一人の【魔術師】も無詠唱で【魔術】を展開できない雑魚。
つまらぬな、消えろ。【ジャッジメント・アロー】」
そう言って【超越者】ゼロは、【魔術】で出来た光の矢を無数に放った。
その一本、一本がとてつもない威力なのは見ているだけでも伝わってきた。
──まずい、このままではやられてしまう。
ぼくは目を瞑って、仲間達がやられていく光景から目を背けようとした。
しかし仕方がないのだ、今ぼくは隔離された空間にいる手出しすることはできない。
しかしそんなぼくの代わりに皆を助ける者が現れた。
「【ファイア・アロー】」
そう【魔法】を唱えて、【超越者】ゼロの【ジャッジメント・アロー】を打ち消した者がいた。
そう魔法の世界で、【魔神】と言われた少女シャロだ。
それだけではない。
「えい、【マジック・バリア】」
援護魔法を唱えたのは、【聖女】マゼンタだ。
「ほう私の【魔術】を防ぎききったか。そこの者なかなかやると見た。それに隣にいるのは【聖女】だな?」
「お褒めに預かって光栄ですわ。あなたが【覇王】の言っていた【超越者】ですわね?」
「そうだ、私は【超越者】ゼロ。お前達にはこれから楽しませてもらうぞ」
【超越者】と【魔神】、【聖女】コンビの戦いが始まった。
シャロ達がとった行動は極めて単純であった、それは先手必勝の超火力攻撃を【超越者】に浴びせることであった。
「今私にできるだけのことをする。くらいなさい!【スカーレット・ファイア】」
シャロは今までに見せたことのない巨大な炎の玉を生成した。
その巨大な火球は、覇王城を飲み込む程であった。
それをアシストするように【聖女】マゼンタは、魔法を唱えた。
「【アシストす・パワー】」
そう唱えることで、彼女の巨大な火球は青い炎から真っ赤な炎へと変貌し威力がましたことがわかった。
「いけええええ!」
そう言って最大火力の【スカーレット・ファイア】を、【超越者】に向かって放った。
この攻撃は、おそらく【超越者】といえど不可避であろう。
これはもらったか? そうぼくは考えた。
「力だけで私に勝てると思うな! 【マジック・シールド】」
そう言って【超越者】ゼロは、巨大な魔法の盾を生成し攻撃から身を守ろうとした。
【魔神】と【聖女】の力が合わさった攻撃と【超越者】の魔力どちらが打ち勝つか誰にも予想がつかなかった。
しかし、一つだけわかることがあった。
今まで超スピードで落下していた巨大な火球が、【超越者】ゼロの間合いに入ると途端に進むスピードが遅くなったのである。
「はああああああああああ!」
「クッ!」
魔力更に込めて【スカーレット・ファイア】を押し込もうとするシャロ。
それを防ごうと必死に抗う【超越者】ゼロ、やはりこの攻撃を食らうとタダではすまないのだろう。
両者は激しい鍔迫り合いを繰り広げた。
そしてその鍔迫り合いに勝ったのはなんと、シャロ達であった。
巨大な火球は、魔力を閉じ込めきれずに爆発したのであった。
そしてその爆発は、超越者【ゼロ】をも巻き込んだ。
「やった! 勝った!」
ぼくは勝利を確信し、仲間の無事を確認するため急ぐのであった。




