スキル
コバルトとルビーは【スキル】を発動するための固有の構えを見せた。
それに対し、【超越者】ゼロはただ棒立ちしているだけであった。
「どうした? 構えを見せろ! おじけづいたか?」
コバルトは、【超越者】ゼロの舐めた態度に酷く腹を立て怒った。
すると【超越者】ゼロは、口を開いた。
「そうか……。お前達のような【スキル】使いは構えが必要なのか」
「何を言っている! そんなに舐めた態度をとるならばもういい。ここでお前を討ち滅ぼしてやる」
そう言ってコバルトは、【スキル】である【念動力】を【超越者】ゼロに向かって放った。
それに反応するかのようにルビーも【スキル】を発動させ、攻撃に加勢した。
二人の熟練した【スキル】使いの連携攻撃が合わさり、【超越者】ゼロの周りには激しい砂埃が立った。
「どうだ? 何が起こったんだ?」
ぼくは唾を飲み込んで、彼らの戦いを眺めていた。
砂埃がぼくが止むと、ぼくは目の前の光景に絶句した。
なんと【超越者】ゼロは、全く傷を負っておらず反対に攻撃を仕掛けた側が倒れていたのだ。
「ば、馬鹿な……! お前は構えをとっていなかったはず……なのにどうして【スキル】を打ち込むことができたのだ」
「やはり気がついていなかったか。可哀想に。私の【スキル】は構えを必要としない。故にいつでも攻撃にも守備にも転じることができる。
故に私は【スキル】使いから【スキル】で負けたことがないのだ」
「ば、化け物め」
ぼくは【超越者】ゼロから聞かされた信じられない事実に驚愕した。
【スキル】は、【魔法】や【魔術】と比べて攻撃速度が早く連撃に向いている。
しかし、その代償として構えを必要として、それによって相手から攻撃をするのか守備をするのかが察せられてしまう。
それが【スキル】最大の弱点と言ってもいい。
それなのに【超越者】ゼロは、【スキル】を構えなしで二人の攻撃を【スキル】で防ぎきった。
コバルトが「化け物」と形容するのもわかる、彼はスキルの弱点を克服したばかりではなくその更に先をいったパフォーマンスを見せたのだ。
「最後に言い残すことはあるか? 弱き者よ」
「くっ……くそッ!」
【超越者】ゼロが、二人に最後の攻撃を仕掛けようとしていた時であった。
「待て! 【超越者】ゼロ! お前は私が相手する!」
「ほう、お前がか?」
そういってこの戦いに乱入してきた者がいた。
「くらえ! 【ブラック・ホール】」
「ふん」
【超越者】ゼロは、軽くステップを踏み攻撃をかわした。
「この攻撃……!」
そう乱入してきたのはブラックであった。




