真実
「久しぶりだと? ふざけるな!」
ぼくは声を荒げて罵声を浴びせた。
しかしそれに対して、覇王は動じた様子もない。
やはりぼくの声は覇王に対して届かないのだろうか?
「父さんなのか? それだけ答えてくれ」
「ああ、そうだ」
覇王は、顔をこちらへ向けて返事をした。
それを物陰から聞いていたぼくの仲間達はざわめきだした。
「やっぱり覇王は、ルカのお父さんだったんだ」
そんな声が小さく聞こえてきた。
ぼくは覇王に向かって、質問を投げかけた。
「覇王、いや父さん。なぜあなたはこんなことをしている。そんなに世界征服がしたいのか?」
「世界征服か……。そうか、なるほどお前にはそんな風に見えているのか」
「何をとぼけている? 野心があるとすればそれしかないだろう!」
「いいや、そうではない。私はただ幸せを取り戻したい、ただそれだけのことだ」
「話をはぐらかすな! ちゃんとぼくの質問に答えろ!」
「そうだな、ルカにも知る権利があるだろう。いいだろう、話そう」
ぼくは覇王の回答次第ではその場で、攻撃して叩きのめしてしまおうと考えた。
しかし、これだけ勿体ぶって話をしないのだ。何か事情があるに違いない。
ぼくは真面目に覇王の話を聞こうと耳を傾けた。
「少し長い話になるが……、まあなるべくついて来れるように話をしよう。私は知っての通りお前が小さい頃に妻、つまりお前の母を亡くした」
「そんな話はいい! 早く本題にうつれ」
そんなぼくの反応を無視して、覇王は話を続けた。
「悲しみにくれた私は、なんとか妻を生き返らせる方法がないのか探し求めた。そしてある時その方法を発見したのだ」
「何! そんな方法があるわけがない。失われた命が帰ってくることはない。そんな世迷い言はいい!」
その言葉を聞いた覇王は、ぼくをひどく見下した表情で言葉を返した。
「いや、それがあるのだ。この世の理を超越した【超越者】にならそれが可能なのだ」
「【超越者】だって……?」
ぼくは聞き慣れない言葉に動揺した。
「そうだ、【かつての世界】には【超越者】が存在したのだ」
「【かつての世界】……?」
ぼくはまた聞き慣れない言葉に、驚いた。
「お前達は疑問に思わないのか? なぜ世界には【スキル】、【魔術】、【魔法】が三つ別れて存在しているのか」
言われてみればそうだ。確かになぜそれぞれ三つの世界に別れて存在するのだろう。
「そう元々存在した【かつての世界】には、その三つの異能が別れず存在せず高度に発展していたのだ。そしてその三つの異能を極めた者が
いた」
「それがお前がいう【超越者】というわけか?」
「そうだ。その【超越者】には不可能など存在しない。人を蘇生させることなど容易いことだ」
「馬鹿な! だがそれが真実だとしてどうやって【超越者】を復活させる気だ!」
「フ、フハハハハ」
それを聞いた覇王は、大声で笑いだした。
「その答えがこれだ!」
そう言うと覇王が眺めていた部屋の向こうが急に光りだした。
「な、なんだこれは!」
ぼくはその部屋の異様さに思わず声をあげた。




