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「やった……やった! 倒しましたわ!」


 魔術の【聖女】は、ルビーを倒したことを誇らしげにぼく達に宣言した。


 しかし彼女はゼイゼイと息を荒げ、倒れてしまいそうな勢いだ。


 だが彼女はそれを気にもせず、続けてぼく達に戦いを挑んできた。


「さあかかってきなさい、クルセイダーズ、レジスタンス、反逆軍。私が全員倒してやる!」


(いや流石に無理があるでしょうに……本当に考えなしだな)


 ぼくは彼女の無鉄砲さに思わず呆れかえてしまった。


 だけれども彼女が戦いたいと言っているのだ、ここは戦ってあげないと失礼だ。


「ブラック、ここはぼくに任せて」

「わかった。勝手にやれ」


 そう言ってブラックは、ぼくに戦う権利を譲った。


「あら? あなたが私と次に戦いですのね」

「そうだ。それよりも君の名前を教えてくれないか? ぼくはルカ」

「私の名前ですか? 私はブロンドですわ」

「そうか。じゃあブロンド、一つ賭けをしないか?」

「賭け? なんですの?」

「ぼくが勝てばぼく達の仲間になってくれないか?」

「なるほど倒せるものなら倒してみなさいな! そしてもし私が勝てばどうしてくれますの?」

「ぼくが勝てば、大人しくバッジになってやるさ。そしてそれを持って覇王に献上して、君の功績にすればいい」

「おお、なるほど。それはいい提案ですわ!」


 そう言って彼女は目を輝かせて、ぼくの提案に乗ってきた。


 疲弊しきった彼女を倒すことは簡単だろう。


 だが、先程のルビーのこともある。うかうか油断をしていれば、簡単にやられてしまうかもしれない。


 ぼくは、気を引き締めて彼女に戦いを挑んだ。


(さて、どうやって倒そうか。ここはサクッと倒してまうべきか)


 彼女を安全に倒すならば、ルビーと同じくスキル【回避】を使いつつ、疲れきったところを魔術【ブラックホール】で仕留めるべきだろう。


 しかしだ、物事はそう単純じゃない。


 彼女を倒すだけならば、長期決戦をしかけるのが安全だ。


 けれどもここは敵の本陣の中だ。いつ他の敵がやって来るとも限らない。


 そんな中で、長々と戦っていると他の敵に見つかってしまう危険性がある。


 それならば、やはりここは短期決戦で仕留めるのが得策だろう。


 ぼくは力を入れて、彼女との戦いに挑むこととした。


 ぼくはいきなり闇魔術【ブラックホール】を展開し、ブロンドに突っ込んでいった。


 それに対し、彼女は聖属性の魔術【セイントドレス】を展開した。


(やっぱり真っ向から勝負を仕掛けてきたか……! いいぞかかってこい!)


 闇属性のぼくの魔術と、彼女の聖属性の魔術どちら有利なのだろうか。


 ブラックとの戦いでは、ぼくが有利な属性だったため勝つことができた。


 しかし、今回はもしかすると不利な対決になるかもしれない。


 そんな感覚がビンビンとしてきた。


 ──そして、その予想は的中した。


「グワッ!」

「どうですの! これが私の聖属性の魔術ですわ。いいダメージが入ったでしょう?」

「クソッ! まだまだ」


 やはり彼女の属性の方が有利な属性であったようだ。


 ならば、ぼくの彼女に対する対抗策はシンプルかつ簡単だ。


 ──倍不利な相手なら三倍の魔力を込めるッ!


 ただそれだけだ。それがぼくの出したシンプルかつ簡単な対抗策であった。


 しかし案外こういった対抗策は、シンプルな程有効なものだ。


 今まで一方的に押されていたぼくの魔術が、彼女に跳ね返っていく。


「キャアアアッ!」


 ぼくの攻撃を受け、その場に倒れ込むブロンド。


「どう? 参った?」

「参りましたわ! あなたの勝ちです、約束通りあなた達の仲間になりますわ」


 これによってブロンドはすんなりとぼく達の仲間に加わることになった。

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