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選抜

「覇王討伐にあまり人数が必要ないことはわかった。けど、誰を連れていくんだい?」

「そうだな今回の場合は、討伐というよりも暗殺に違いが。まあそれはいいとして、単純に強さと覇王暗殺に熱意を燃やしている者がいいだろうな」


 ブラックの提案を受けぼく達は、協議の結果ぼくにコバルトブラックは確定として、残りにシアン、シャロ、ルビーを連れていくことにした。


「なんだか、十人よりも少ない人数になっちゃったね」

「いや、そうでもない。我が覇王軍は一隊につき、七人で行動することが多い。リーダーが一人、サブリーダーが一人という具合にな」

「なるほど一応理にかなってはいるのか」

「そういうことだな、それよりもだ」


 ブラックは意味深げにルビーのことを見つめた。


「な、なんですか?」

 ルビーはそれに対し、怯えた声をあげる。

「いや? 私は正直な人間だ。こんな時に嘘はつかない。お前は本当に戦力になれろのか?」

 

 ブラックの厳しい質問にうろたえるルビー。


 だが、それに対しコバルトが反論する。


「ルビーはレジスタンスの中でも上位の実力者だ。毎回危ない戦場に飛び込んでは、仲間を救出して戻ってくる。足手まといになどならない」

「だといいな。だが、ここは戦場の最前線だ。脱落者は容赦なく置いていく。いいな?」

「構いません、私には絶対にやり遂げないといけないことがあるので」

「なるほど、心構えは立派だ。だが、忘れるな?お前が危なかろうと俺は助けん」

「わかっています」


 ブラックに対し強い視線を向けるルビー。


「覚悟は本物のようだ。よし、喋っていてもしょうがない。隊を二つに分けるぞ」


 ブラックはいよいよ、本題を切り出した。


「まず、防衛魔術を破壊する隊のリーダーにグレタ。サブリーダーにグランデを任命する」


 それに対してグランデは不満げな声をあげる。


「えー、私がリーダーの方がいい。それとも私がグレタに劣っているとでも?」

「違う。単純に年上をリーダーに任命しただけだ、実力は二人とも大差はないと考えている」

「ちえー」


 グランデはつまらなそうな声で、渋々了承した。


 ぼくも声にこそ出しはしなかったが、ブラックの意見に心の中で同意した。


 確かに実力では、二人に大した差はなかったように思える。


 しかし、性格の上ではグランデよりもグレタの方がしっかりしている。


 そんな印象をぼくは持っているからだ。


 きっと彼女なら立派に隊を率いて、作戦を成功へと導いてくれるだろう。


 そしてさすがはブラックというべきだろうか。やる気を出すための飴もちゃんと用意していた。


「もしも、グランデがグレタよりも功績をあげることができればだ。リーダーの座をお前に譲ってやる」

「え? ほんと! じゃあ私頑張っちゃおうかなー」


(単純な人だなあ……でもまあ扱いやすくてそれはそれでいいか)


 ぼくはつい心の声が漏れ出しそうになるが、ここはグッと堪えた。


「よし、グレタ! あなたより先に功績を立てやるんだから!」


 そう言ってグランデは急ぎ足で、廊下を走っていった。


「まったく。まああっちにはグレタがついているから大丈夫だろう。それよりもこちらのパーティは誰をリーダーにするかだ」

「え? こっちのリーダーはブラックが務めるんじゃないの?」

「いや。こちらの隊はルカ、君にリーダーを務めてもらいたい」

「え、えええ!?」


 ぼくは戦争の作戦やどう行動をとればいいのかまったくわからない。


 そんなぼくにどうしてブラックは、リーダーを任せようと言い出したのだろう。


「なんでぼくがリーダーに?」

「理由は簡単だ。一番強いからだ、そして私がサブリーダーを務める。先導役は必要だろう?」


 そうか、ぼくがリーダーか。理由は一番強いから。


 ぼくはおだてられると、調子に乗るタイプなのでついブラックの口車に乗ってリーダーを務めることになった。

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