拠点
ぼく達は、ブラックに言われるがままあとをついていった。
一体ぼく帯に何を見せようというのだろう。
しばらく歩くと、ぼく達は侵略軍前衛基地についていた。
「ここになぜ連れてきた!」
敵陣の最奥部に連れて来られたことで、警戒心を増している様子のコバルト。
ブラックはその様子を見て「抑えろ手を組むと言ったばかだりだろう?」と一言。
「わかっている。だがここに連れてきた以上何か意図はあるんだろうな?」
「勿論さ。ここには君達が欲しているあらゆる物資が揃っている。ここを今から我らの後方支援基地とする」
「な!」
その言葉を聞いて何を勝手なと言いたげな様子のコバルト。
「どうした? 我々がこれから戦う敵はこれでも備えが足りないくらいだ。このぐらいの準備は当然だ」
「なるほど、お前達の備えが万全なのはわかった。だが、軍備をただ見せびらかしにここ連れてきたのではないだろう? なにか隠し玉があるはずだ。さっさと見せろ」
「ばれてたならしょうがないな。まあ焦らずとも見せるさ、さあこの奥だ」
基地の奥を歩かされるぼく達。なにやら不穏な空気を感じ自然と体が震えてくる。
「ねえ私達このまま歩かされて大丈夫かな? なんだかこの先にとんでもない物がありそうなんだけれど」
「大丈夫だシアン。彼らを信じると決めたんだ、最後まで付いていこう」
そうシアンを励ますぼくの声も正直言って震えていた。
「フッ、お前の声も震えているぞ? まあ恐ろしいものを見せられるという不安は半分的中。半分はずれだ」
「どういうことだ? 隠さず言ってみろ」
「まあつけばわかるさ」
そう意味深な言葉を呟いて、ブラックはぼく達を基地の奥へと導いた。
この奥には一体なにが待ち構えているのであろう? ぼく達は心拍数を高鳴らせながら歩いた。
「着いたぞ」
「な、なんだこれは!」
ブラックが言っていた、見せたいものとは巨大な魔法陣であった。
だがその魔法陣を見せられただけでは何が言いたいのかは伝わってこなかった。
「何だこれは? 勿体ぶらずに言え」
「わかっているよ。これは覇王軍が集めたバッジを本部である魔術の世界に送るための術式さ。言い換えれば、スキルの世界から魔術の世界に行くための唯一の入り口と言ったところさ」
「これで俺たちの仲間を……、ところでお前唯一の入り口と言ったな? それはどういう意味だ?」
「スキルの世界から、魔術の世界には干渉を防ぐため強力な防衛魔術が貼られている。それを一斉にかいくぐれるのが唯一ここってわけさ」
「チッ、とことん計画づくってことか」
コバルトは自分達に仕掛けられた戦争が、とことん計画づくに進められていたことに何やら不快感を示した。
それはぼくも同じであった。
建前はスキルの世界が攻めてくるというものであったのに、自分達は安全な防衛線を敷き、無抵抗の一般市民を一方的にバッジへと変える。
それはまさに悪魔の考えそうなことであった。
だがコバルトからは、それでももう少し自分の力で仲間を守れなかったのかという自分を責めるような感じを受けた。
「どうする? 今ならばこの唯一の入り口も塞がれていないだろう。だが、魔術の【勇者】に見つかった以上もうすぐ本部へと連絡がいく。そうなれば、我々が攻め入ることは不可能になるぞ? どうするかは自分達で決断してくれ」
「俺の腹は決まっている、こんな舐め腐ったお前達の戦争、いや虐殺を止める。そのために俺は魔術の世界へと向かう!」
「ぼく達もだ」
「よし、わかった。我々もこの魔術の起動を急ぐ。早速出発だ!」
ぼく達はコクリと頷いて、早速魔術の世界へと最終決戦を仕掛けにいった。
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