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決闘

 ぼくは、総司令官に連れられて決闘場へと連れてこられた。


「ここなら余計な邪魔が入らない」

「確かに。お互いにな」


 決闘場には、特殊な魔術の防壁が施されており中に入ることができるのはぼくとブラック二人だけだ。


「どうする? どういうルールで決闘する?」

「そうだな、お互いが果てるまでのデスマッチということでどうだろうか?」

「望むところだ」


 ぼくは奥歯を噛み締めて気合をいれた。


 今は仲間のことやこいつが約束を守るかだなんて関係ない。


 とにかく磨いてきた技をこいつにぶつける。


 ただそれだけを考えて、戦いに望むことにした。


「それでは十秒後に決闘を始める。開始位置につけ」

「わかった」


 ぼくは、頭の中で十秒のカウントを始めながらブラックを倒す作戦を考えた。


 考えた作戦はこうだ。まずは相手の出方をうかがって、こちらからは攻撃しない。


 そして相手が隙を見せたところで、スキルもしくは魔術で奴を倒す。


 それがぼくの考えた作戦だ。


 その単純な方針を考えている間にも時間は流れていき、十秒の時間が流れた。


 ようやく決闘開始だ。


 ぼくは受け身の体勢をとり、奴の攻撃を見ようと身構えた。


 それを察してか奴もぼくにいきなり全力をぶつけてきた。


「くらえ! 【セイントアーマー】」


 奴は光の粒子を鎧のように纏いぼくに一直線に突っ込んできた。


 ぼくはそれをスキル【回避】で間一髪避ける。


 おそらく奴は光属性の魔術師なのだろう。


 そのせいもあってか、風属性よりも速い動きでぼくを攻撃してくる。


 それに加えて奴の異常なまでに高い身体能力だ。


 二つが合わさってまさに攻防一体の魔術師なのだと感じた。


「どうした、すっとろいなスキル使い。やはりスキルでは魔術にかなわいのか?」


 ぼくは、そのことを否定しようとしたが言葉に詰まった。


 奴の言う通りやはりスキルでは、魔術に勝つことは難しい。


 先程まで考えていた作戦も、このままではおそらくうまくいかないだろう。


 そうなれば、作戦変更だ。


 ぼくは、特訓してきた成果を奴にぶつけることにした。


「悔しいけど、お前の魔術は強い! だけれど、ぼくは覇王の子供だ。それがどういうことかわかるか?」


 そう言ってぼくは、懐から魔道具を取り出して魔術を展開した。


「な、なんだと! お前が覇王様と同じ魔術を……?」


 そうだったのか、ぼくの魔術は覇王と同じだったのか。


 だがそんな事実はどうでもいい。ぼくは、こいつを仕留める。


 そんことだけを考えて、どんどんと魔力を放出していく。


「展開完了だ! 行くぞ【ブラックホール】」


 ぼくの魔術は奴の光属性の魔術と対をなす闇属性の魔術であった。


 正直どちらの属性が相性有利なのかはわからない。


 しかし、少しでもやつに動揺を与えることができた。


 それだけでも充分に、ぼくの魔術は役割を果たしてくれた。


 そう考えて、ぼくも奴を真似して胸元に突っ込んでいった。


「クソッ! だが所詮は一夜漬けの魔術。そんなもの私の【セイントアーマー】が返り討ちにしてくれる」


 そう言って奴はあくまで、魔術同士のぶつかりあいで勝負をするつもりのようだ。


 ぼくも正直勝てるかは自信がなかった。


 だがあの光速で動けることに、秀でている奴の足を止めることができたのは大きい。


 ぼくは魔力の出力をあげ、そのまま奴へとぶつかった。


 ドンッ!


 強力な魔術同士のぶつかりあいである。


 相当な衝撃が、決闘場の中で響いた。


「グワッ!」

「クッ……!」


 どうやらぼくの魔術の方が相手の魔術よりも上回ったようである。


 向こうは大ダメージを負っているようであるが、こちらはわずかな反動しか受けていない。


 行ける! これなら奴を倒せる。


 ぼくは勝利を確信しニコリと笑った。

数ある小説の中からこの小説をお読み頂き、本当にありがとうございます!


良ければ、ブクマと★をいれて頂ければ幸いです

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