別れ
「今は無理かもしれないけれど、きっといつか出来るとぼくは思っている。君からコバルトに伝えてほしい」
「わかりました、一応は……」
ルビーは自信なさげにそう呟いた。
「行こう、置いてきたコバルトが心配だ」
「わかりました」
そう言ってぼく達は、衣類を持って基地を後にしコバルトがいる場所へと辿り着いた。
「コバルト、ぼく達は……」
「何も言うな、俺は仲間の元へと戻る。短い間だったが、お前も達者でな」
そう言って、コバルトはすぐにその場を立ち去ってしまった。
「なんだか無情ですね」
「シアン、コバルトはあんな風に生きてきたんだ。それは彼が悪いわけじゃない。みんな戦争が悪いんだ」
この場を立ち去ったコバルトを見送った、ぼくの心の中にはシコリのような何かが残った。
しかしそんなしんみりとした雰囲気をぶち壊すかのように、女魔術師二人組が騒ぎ立てた。
「ちょっと、そこの可愛い顔の坊やー。ちょっと早く縄を解いてくれないかしら? ねえ、グレタ」
「そうそう。いつまでもこの姿勢のままじゃ苦しいのよねえ、グランデ」
「ああ、ごめんごめん。ついちょっとしんみりとしちゃって。今すぐ縄を解くから待ってて」
それを聞いた、シャロがぼくの行動を止めた。
「ねえどうもこの二人の女魔術師のことを信用できないんですけど。喋り方からして怪しすぎません?」
「シャロが彼女達を疑う気持ちはわかる。けどぼくはグランデに約束をしたんだ。一度した約束は守るべきだろ? まあ喋り方に関しては……うん」
ぼくは、シャロの制止をふりきって彼女達の縄を解いた。
「ふぅー、なんか解放されたって気分ね。 でしょう? グレタ」
「いや普通に解放されたのよ? グランデ」
「あらそうだったわね? でもまあそれはいいとして、例の約束守って貰うんだから!」
「本気で言ってるの? グランデ」
グランデと名乗る女魔術師は、服がはだけているの忘れるほどぼくの【施術】を楽しみにしているようであった。
ぼくも約束をしたからにはしょうがないと思い、彼女に【施術】を施すことにした。
「わかってるよ。約束したからには守る。だからちゃんと服を着て」
「やったわ! ねえねえグレタもやってもらいましょうよ」
「私は遠慮しておくわ、グランデ」
そう言ってグレタと呼ばれる女魔術師は、ぼくから衣類を受け取ると後ずさりをした。
「グランデでいいのかな? これ破いちゃった服の代わり」
「うわ、ありがとう。坊や」
「坊やじゃないよ、ルカって名前」
「ルカ? ルカ、ルカ……どこかで聞いたような? ねえ覚えてるグレタ?」
「いや、私も喉元まで出かかってはいるんだが、わからないな」
(なんでぼくのことを二人が知っているんだ……? やはり覇王はぼくの……)
そんな疑念を抱きながらぼくは、【施術】を行った。
「ここ……とかどうですか?」
「ああ! いいっ! いいっ! そこっ! はんっ!」
ぼくは彼女の主に腰周りの【施術】を行った。
どうやら彼女は、強めの【施術】が好きなようでぼくが強く押せば押すほどいい反応をみせてくれた。
ぼくはその反応を見るのが楽しくて、ついいたずら混じりに強めに押してしまった。
「あっ!」
あまりに強く押しすぎたせいか、彼女は小さく声をあげた。
流石にやりすぎたか? とぼくは反省するが、どうやら彼女の様子から見るになにやら違うようであった。
「あのーやっぱり強く押しすぎましたかね?」
ぼくは一応確認をとる。
「いや……さっきのはとても気持ちよかった! けど私が叫んだ理由はそうじゃないの。思い出したわ、ルカって名前の意味」
「それは、どんな意味なんでしょう?」
「ルカは、覇王様の息子の名前よ、ねえグレタ」
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