急襲
ぼく達は、補給担当の二人を探しに基地の外へと出た。
しかし彼らがいつも補給庫としている場所を探索するも彼らの姿が見当たらない。
「あいつらどこに行ったんだ……」
コバルトが、心配そうな声をあげる。
ぼくは、彼を元気づけるように励ました。
「もしかしたらもう基地に帰っているのかもしれないよ? 案外ぼく達が心配しすぎなだけなのかも」
しかし、それを否定するようなものをコバルトは見つけてしまった。
「ルカ。そんな励ましはいい。俺は、今相当に腹が立っている」
「え?」
ぼくは、コバルトの苛立った声を聞いてビクリとした。
一体何を見つけたというのだろう。
ぼくは、コバルトが見つけたものを見てその意味を察した。
「これは……まさか」
それはゴールドとシルバーがバッジになった物であった。
「一体誰がこんなことを……」
ぼくはそんなことを口走ったが、誰がこんなことをしたのかは決まっている。
魔術師達、侵略軍が彼らをバッジにしたのだ。
「あらあら、私達の置き土産気に入ってくれたかしら?」
「だ、誰だ!?」
ぼく達は周りを見渡すと、二人の女魔術師が立っていた。
「そんな訳無いだろ! ふざけるな!」
「今からお前らをぶっ飛ばす! いくぞルカ」
ぼくとコバルトは、それぞれ戦う姿勢を構えて魔術師と戦う姿勢を見せた。
「あらあらちょっとお馬鹿な人達なのかしら? ねえグレタ」
「もうほんとに。死に急ぐ必要はないのに。そうよねえグランデ」
魔術師達は、ぼく達を挑発するかのような台詞を吐いた。
「黙れ! これでもくらえ【念動力】」
コバルトは、いきなり彼が得意とするスキルを放った。
ぼくもぼくが得意とするスキル【ツボ押し】を女魔術師に放とうとした。
するとコバルトがそれを止めた。
「やめろ! ルカ。魔術師相手に近接戦闘を仕掛けるのはこちらが不利だ!」
コバルトが制止したが、もう遅かった。
ぼくは勢いよく彼女達に突っ込んでいってしまった。
「甘いわね! 【スカーレットドレス】」
彼女達は、体の周りに火の魔術を纏わせた。
それによりぼくの放ったスキル【ツボ押し】は、逆にダメージを受けることになってしまった。
「くそ! 【回復】」
ぼくは、魔法【回復】をかけて体力を回復した。
「くっそ……どうやって戦えば」
「すまない伝え忘れていた。魔術師は基本的にスキルに有利な技を沢山持っている。なるべく近接戦闘は避けて、遠距離で攻撃しろ」
「わかった!」
ぼくは、コバルトの言った通り戦い方を変えることにした。
ぼくはあまりダメージを負わせることのできないが、離れて攻撃することのできる【気功】で戦うことにした。
「あらあら、とんだ初心者が私達に挑んできたわよ、グレタ」
「なかなか可愛い顔をしているじゃない。いたぶってもいいかしら? グランデ」
そう言って、女魔術師二人組はもう既に勝ったかのような姿勢でぼく達を見下ろしてきた。
「コバルト一体あいつらは誰なんだ?」
「あの二人組は、グレタとグランデ。侵略軍の中でも腕利きの魔術師だ。気をつけろ」
この世界に来て二回目の戦闘で、腕利きの魔術師と戦うことになったのは少しまずい。
この前は、大したことのない魔術師であったためシャロの一撃で沈めることができた。
しかし、今戦っているのが腕利きと聞いたのならばおそらくシャロの一撃では沈まないだろう。
今はなるべく魔法使いの精鋭がいることを伏せるべきだ。
そして彼らと戦う中で経験値と情報を稼ぐ。それがこの戦いでのぼくの目標だ。
「ルア、まだ戦えるか? 俺は怒りが治まらない」
しかし、コバルトの目標はどうやらぼくとは違うようだ。
彼の目的はあくまで、やられた仲間への復讐だ。
数ある小説の中からこの小説をお読み頂き、本当にありがとうございます!
良ければ、ブクマと★をいれて頂ければ幸いです




