気功
ぼくは、イメージした通りに手を前に突き出して【気功】を放った。
ドンッ!
青い光がぼくの両手の先から放たれ、【ドラゴンライダー】にあたった。
「うわぁー!」
【気功】の衝撃により、空中から地面に落ちる【ドラゴンライダー】。
「もはや【ドラゴンライダー】じゃなくなっちゃったね。あれでもなんて呼んだらいいんだろ?」
「舐めるな! 私は誇り高き【ドラゴンライダー】だ」
地面に落下した、【ドラゴンライダー】は直様ドラゴンをもう一度呼んでそれに飛び乗った。
最初にしては、【気功】がうまくいった。
ぼくはこの感覚をもっと研ぎ澄まし、また【ドラゴンライダー】に放った。
「クッ!」
ドラゴンライダーは空中で、旋回してぼくの【気功】を避けた。
流石に二回目となれば、彼らもぼくがどんな攻撃をできるかがわかったようだ。
こうなってくると、ぼくの方が不利になってくる。
なぜならば、相手は二体なのに対して現状戦えるのはぼく一人。
いずれ数の差で向こうに押し切られてしまうだろう。
「ちょっとまずいな……」
ぼくが弱気な発言をすると、それを聞いていたシアンがすかさずフォローをいれる。
「なにがまずいの? ここにもう一人戦闘員がいるわ!」
ぼくはそういえばシアンも、スキルを使えると言っていたことを思い出した。
「ありがとう、シアン。で、君はどんなスキルが使えるの?」
「えーと、うーん。わかんない!」
シアンの意外な回答にぼくは驚いてしまった。
しかし、ぼくも先程のスキル【気功】を使う時はイメージを膨らませていた。
魔法のように、スペルを覚えて魔力を込めて使うといった小難しいことはスキルには必要ないのかもしれない。
確か、【ドラゴンライダー】の言っていた情報ではシアンは【聖女】だったはずだ。
「シアン! 何か【聖女】らしいスキルを使ってみて!」
「【聖女】っぽいスキルか……わかった! 頑張ってみる」
ぼく達が会話をしている間に、【ドラゴンライダー】達も何やら作戦をたてていたようだ。
こうなれば先に攻撃した方が有利だ。ぼくは【気功】を彼らに向かって放った。
それに追撃するように、【聖女】であるシアンは【加護】を使った。
先程までの青い光が、シアンの【加護】を受け更にパワーアップし青白い光へと変化する。
スピードとパワーを増した【気功】にあたってしまった、【ドラゴンライダー】は一溜りもなかった。
「グワアーッ!」
そうとだけ言い残して、光の中に消えていった。
「クソォ! こうなったら命令違反になるが【聖女】から始末してやる!」
残った方の【ドラゴンライダー】が、シアンに向かって大魔法を放ってきた。
「くらえ!【ビッグバンアタック】」
【ドラゴンライダー】の放った大魔法を、シアンは直撃してしまった。
「ハハハッ、どうだ! 仲間の無念これで果たしたぞ」
そう言った直後であった。【ドラゴンライダー】が大きな光に包まれたのは。
なんと【ドラゴンライダー】の放った【ビッグバンアタック】は、シアンに命中するまではよかった。
しかし、どういうわけかシアンは魔法を跳ね返す体質なため、【ドラゴンライダー】の放った攻撃は彼自身に跳ね返ってしまったのだ。
当然自分の大魔法を受けた、【ドラゴンライダー】は一瞬にして消滅してしまった。
「大丈夫か? シアン!」
「大丈夫、大丈夫。私が魔法を跳ね返せてよかったー」
まったく。最初ぼくの冒険に彼女がついてくると言った時はどうなるかと思った。
しかし、実際には彼女は【聖女】であることが発覚しスキルを使える上に、魔法がきかない。
そんなとんでもない心強い味方であることがわかった。
「よーし、アベルの魔力が回復したら先に進むぞ!」
ぼくは、カインに復讐を遂げるために冒険をまだまだ続ける。
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