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歴代最強の帝国皇女は敵国騎士と結ばれたい  作者: 永頼水ロキ
第一章
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第三話 アデレードの見た夢

 暗い闇の中、誰かが自分を抱きかかえている。


 波の音だけが聞こえる。


 水の上なのに。水の上に立っている?


 …誰なの…?


 ずっと遠くまで、波立つ海が広がっている。なのに、ここだけぽっかりと波がない、静かな湖畔のよう。


 三日月が空に大きく浮かんでいる。


 私、死んだの?


 頭がうまく働かない。


 うっすらと目を上に向けると、自分を横抱きにしている人物の顔が。それは、よく知っている顔のように見えた。


 先生…?


 あり得ない光景。あり得ない状況。アデレードはもう一度目をつぶった。そうすると、世界は暗転して別の世界に変わる。


 それは過去に見た風景だった。


 月は満月に変わる。


 あれはいつだったか。


 宮殿の片隅で女の子が泣いている。女の子は私だ。


『油断してはならない』


 お父様はそう言っていた。でも遅かった。友達は、友達じゃなかった。


『お前は誰より強くあらねばならない』


 お父様は誰も見ていないところでは厳しい。お兄様も知らない。


 先生と女の人が、お父様の隣に立っているのが見える。


『時が来れば。皇女こそが、この――』


 女の人が語る言葉は遠くに消えていく。風景も一緒に溶けていく。


 お父様が悲しそうな顔をしているのが見えた。

次回第四話 騎士は記憶喪失の彼女を救う

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