第8話 西プロイセン平定と大量虐殺
機巧暦2139年12月・西プロイセン西郡
東郡、南郡が平定された頃、西郡にいるリムが率いる軍勢は想像以上に苦戦を強いられていた。
「いつまで手間取ってるんだ。相手は賊軍だろ!!」
「たしかに賊軍です。しかし・・・・・・・」
賊軍は各地域に拠点をつくっていて平定軍は片っ端から潰していたが余りにも拠点が多すぎた。城塞の周囲の対岸や洞窟、山や谷など至る所に拠点をつくり頑強に抵抗していた。
「片っ端から殲滅しろ!! 情け容赦はいらん」
「わかりました」
平定軍は西郡に侵攻するとまず兵を募集した。幸い賊軍によって家族を失った者が多数参加し、総勢約1万2千にもなった。
「城の様子は?」
「・・・・・・・・・」
「そ、そうか」
西郡の貴族が籠もる城塞にリムは間者を放ち、金で家臣や主君を離間させようとしていたが思うように進まなかった。城塞を1万2千で包囲したものの、周囲に配置された賊軍に邪魔される始末だった・・・・・・・・・・
そして2週間後ーーーー
「いつになったら落ちるんだよ!! クソが!!」
「少尉、落ち着いてください!! も、モノ投げないで!!」
「うるせえ!!」
リムのもとには東郡、南郡が平定されたという報せが届いていたためリムは焦っていた。
「ハァハァハァ・・・・・・・・・」
「お、落ち着きましたか?」
「良いことを思いついた」
「良いこと・・・・・・・とは?」
「賊軍を捕縛の際に女がいただろう?」
「はい」
リムは少し笑っていた。
「その女どもを串刺しにして城塞からよく見える場所に配置しろ。串刺し使う杭の先端は丸くしておけ」
「し、しかしそれでは女どもは簡単には死にません」
「死なすのが目的じゃないぞ」
「・・・・・え・・・・・あっ!!」
部下はようやくリムの思惑がわかった。瀕死の状態でもがき苦しむ姿を晒すのが目的なんだと・・・・・・・・
「わかったか?」
「わ、わかりました・・・・・・・・・」
「まあ串刺しする前に好きに扱え。兵の士気が下がっているようだからな。息抜きさせておけ」
「・・・・・・・・はい」
リムは敵対勢力に対しては冷酷だった・・・・・・・・その後、賊軍の捕虜150人は串刺しとなり城塞の周りに晒し者となった。刑の執行中、辺りは阿鼻叫喚の地獄絵図となっていたがリムは特に気にすることもなく見届けていた。
そしてーーーー
「降伏いたします・・・・・・・」
「うむ」
「どうか城塞にいる妻子や民衆には手を出さないで下さい・・・・・・・・」
「主が首を切るということか?」
包囲から3週間後、貴族はリムに民間人の命と引き換えに降伏した。
「はい」
「よし!! コイツの腹を割き内臓を掻き出してから四肢を切断し首を刎ねろ!!」
リムがそう言うと貴族は執行官に連れていかれた。内臓を掻き出される激痛に凄まじい断末魔のあげながら貴族は息絶えた・・・・・・・・・
「少尉、執行しました」
「うむ」
貴族の切断された四肢と首を見たリムは頷いた。
「城塞にいる連中を皆殺しにしろ」
「し、しかし・・・・・・・・少尉は民間人の命と引き換えにと降伏した貴族の言葉をもうお忘れですか?」
「死人に口なしだ。民間人も貴族に協力した大罪人。生かしてはおけるわけねぇだろ?」
「・・・・・・・・・・・・」
リムの言葉に逆らえず平定軍は城塞の門を破壊し城内に侵入すると手当たり次第に放火し略奪、破壊、強姦、殺人を行った。その結果、死体と瓦礫の山で道は塞がれ、川は血で染まり城塞は完全に廃墟と化した・・・・・・・・・・その後、逃げていた敗残兵も一人残らず捕らえると一カ所に集めて焼き殺した。こうして西郡は大量虐殺により平定された。




