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機巧魔術師の異聞奇譚  作者: 桜木紫苑
第一章 灰色の亡霊
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第3話 忠実な部下

機巧暦2139年12月・ドイツ帝国ブレーメン



「ここが我らの住む場所なのか・・・・・・・・・」



「広いですね」



「親父も中々の身分になったんだな」



第一航空戦隊(一航戦)に所属しているレム少尉、ラム少尉、リム少尉がデカい寮を見上げてそう言う。彼ら3人はグレイスや柚希と一番関わりが深い人物で重要な作戦で単独の指揮を任されることが多かった。モンス要塞で柚希が西フランス軍に攻撃を集中できたのも彼らが指揮する第一航空戦隊(一航戦)が北フランス軍を撹乱させていたからだった。



「まあモンス戦の功績が領地だけで昇進は無かったらしいけどな・・・・・・・」



「まあ仕方ないさ。今回はみんな頑張りました賞みたいな感じだろ?」

 


洋館の隣には別館が建てられ第一航空戦隊の寮として使われるていた。敷地内には弾薬庫、武器庫、食糧庫があり籠城できるようになっていた。



「そう言えば親父はずっと執務室に籠もりきりって話を聞いたんだが本当か?」



「ああ~、確か法律をつくってるとか聞いたぜ」



「法律?」



柚希は部隊から親父と呼ばれ親しまれていた。ラムの言葉にレムが少し驚いた。

 


「要塞と言っても都市だからね。法律を整備しないと無法地帯になっちゃうからね」



「親父は法学を習ったことがあるのか?」



「いや法学をやったとか言う話は聞いたこと無いな・・・・・・・法学を勉強しながら法律をつくってるらしいし」



「ハードワークすぎねぇか。死なねぇか心配だが・・・・・・」



リムの言葉にラムが心配そうにそうに呟く。



「まあ何がなんでも親父には生き抜いてもらわねぇとな」



「ああ」



「生きがいが無くなるのはイヤだからな」



3人にとって柚希は暗く先の見えない未来を明るく照らしてくれる存在だった。



「あの頃に比べれば俺らの生活も随分と楽になったな」



「そうだな」



あの頃とは奴隷時代の事だった。彼らは植民地から連れて来られた奴隷で柚希が奴隷商人から買ったのだ。名前も無かったため柚希が名付けた。そのため名があっても姓がないのだ。柚希は地盤を持っていないため忠実な部下はいない。そのため忠実な部下が必要だった。自分に従って裏切らない存在と言えば奴隷しかなかった・・・・・・・・・・・・・



「元奴隷の俺達には満足すぎる生活環境だよな」



「親父に感謝しないとな」



「ああ」



容姿端麗で女性のような風貌な3人は奴隷としても人気が高く値段も高かったが柚希は破格の金額で落札したのだ。その後、柚希はレイシアに預けた。その後、レイシアによって陸軍に入隊しあとから柚希も入隊したのだ。

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