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機巧魔術師の異聞奇譚  作者: 桜木紫苑
序章 異世界召喚
40/222

第40話 作戦成功の立役者

機巧暦2139年11月・ベルギー王国ドイツ帝国軍



俺は大型輸送トラックの荷台に立っていた。目の前には誇大な野原、破壊されて遺棄された戦車や自走砲があちらこちらにある。



そして今、帝国機甲部隊が戦線突破のために突撃しようとしていた。

 


しかし・・・・・・それを妨害する者が現れた。



刺し貫く聖なる血雨(クリムゾンフレア)!!」



1人の少女が上空から弓を構えていた。紫色の長髪で、髪で左目が隠れている。共和国軍共通の紺色の軍服に身を包み、左腰には剣を差している。彼女が手にしていた紅の矢はすでに弦から放たれていた。



「マズい!! 護国の盾(ファビウス)!!」



機甲部隊の目の前に7枚の盾が展開する。通常なら縦に7枚並べて対象物が衝突した時に最大限の威力や衝撃を吸収して和らげるのだが、今回は機甲部隊を守ることが前提のため縦ではなく横に並べた。敵側が弓となれば広範囲魔術攻撃になることはわかっていた。



因みにに何でこんなことになっているかと言うと・・・・・・・・・






モンス要塞ーーーー



「包囲殲滅をやりたいけどどうすればいいかわからないと?」



「そうなんだ。ユズキ少将は戦術科の臨時講師だと聞く。ぜひアドバイスが欲しいのだ」



帝都から軍用列車でモンス要塞まで来た俺は密かに北フランス軍の兵士に化けてモンス要塞の包囲を突破して内部に入ることができた。その後、第二師団長のカーチス大将の案内で指揮所にいる第一師団長のレーゲル大将に会うことができた。



「レーゲル大将、お言葉ですが・・・・・・・・包囲殲滅は戦の基礎になります。実戦での経験がなくとも士官学校で習わなかったんですか?」 



俺は怒鳴られることを覚悟で言った。



「たしかに今では基礎学として必修科目になっている。でも私の時代は選択科目として包囲殲滅学があったんだが私は選ばなかった。だろカーチス?」



「そうだな。俺らは複雑なことは苦手だったしな。しかも包囲殲滅なんて高度な技量を有するようなやつは必要ないと思ってたからな。まあ成功するか成功しないかイチかバチかの包囲殲滅戦なんてやる奴なんていないって思ってな」



「・・・・・・・・・・・・・・」



カーチス大将はそう言った。 



なんで知らない上にやった事もないような包囲殲滅をやろうとしているんだろ・・・・・・・・・・?



「・・・・・・・・わ、わかりました。早速ですが自軍に何か強みはありますか?」



「強み?」



「はい。長所を大いに活かしたやり方をやりたいんです」



「むー、機甲師団だな。帝国軍の戦車はスピードこそ遅いが装甲は分厚い。そんじょそこらの戦車の砲弾ではぴくともしないな」



「わかりました。あともう一つ敵の数はどれくらいですか?」



「敵は西フランス軍の五個師団《10万》だ。私たちは一個師団《2万》のみだ」



俺はレーゲル大将の話を聞きながら傍にある長机の上に地図とチェスの駒を置いた。



おそらく西フランス軍は全ての兵力をぶつけてくることはない。それでも2倍か3倍の兵力差で戦うことにはなるかもしれない・・・・・・・・・・・



「・・・・・・・とにかくやるしかないですね、やってみないとわからない作戦ですから。俺もこの指揮所で報告を聞きながら臨機応変にやりますので」



「ユズキ少将には敵の魔術師からの攻撃を防いでもらいたいのだ。軍の指揮は私がやるから大丈夫だ」



俺がそう言うと当たり前だろと言わんばかりにレーゲル大将はそう言った。



その翌日、レーゲル大将とカーチス大将のカリスマ性と帝国軍の練度の高さもあって西フランス軍の大軍を包囲殲滅することに成功した。その後、残った残存兵力を叩くために戦車60台、自走砲50台からなる機甲部隊を出撃させた。俺も敵の魔術師を叩くために装甲トラックの荷台に乗った。

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