第33話 魔術調整
機巧暦2139年11月・ドイツ帝国帝都ベルリン郊外
俺は元帥刀を引き抜いた。
「硬化能力か・・・・・・・・」
一気に魔力を流すと刀身に幾何学模様の魔術回路が浮かび上がり焼けた鉄のように真っ赤になる。
「極限の強度ってどれくらいだろう・・・・・・・・試してみるか」
元帥刀を構え目の前にある鉄製の家具に振り下ろす。鉄が真っ二つになった。さらに断面は焼けたように真っ赤になっている。でもまったく熱くは無い・・・・・・・・・
鉄も真っ二つにする魔術か・・・・・・・これ艦船も斬れそうだな。
「ちょっ!? 柚希、何やってるの!?」
「ああ、ごめん。魔術の調整をしてて・・・・・・」
音に気づいた紅坂友那が部屋に駆け込んできた。
「これが・・・・・・・・柚希の魔術なの?」
「らしいな、鉄を断ち切る魔術・・・・・・・・・」
友那は真っ二つになった家具と俺を見比べている。
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・あっ、そう言えば柚希の師匠だとか名乗る女性が訪ねてきてるんだけど? 一応リビングでくつろいでもらってるけど・・・・・・・・・どうする?」
「そうか。会わないわけにはいかないだろう」
そう言えば友那はレイシア少将のこと知らないんだったな・・・・・・・・・




