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機巧魔術師の異聞奇譚  作者: 桜木紫苑
第四章 鷲と鶴
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第58話 セレス

機巧暦2140年2月・ギリシャ・セレス



「ここで講和条約を締結するのか?」



「はい。この街は人口も100人程度で都市の規模も小さいですから軍の収容も限られます。道が狭く大軍を率いてこれない場所なので講和会議にはうってつけかと思います」



「なるほど・・・・・・・会談の場で出す料理の手配は済んでいるか?」



「はい。問題はないです」



僅か20人程度の護衛騎兵と共にクルジャリを出た俺はブルガリアとギリシャの境にあるセレスを目指していた。連れていく側近はグレイスのみで友那やリム、ラムはクルジャリに残した。





セレスーーーー



「おぉ先に着いていましたか姫路准将」


 

「なんとか説得して参りました。さぁ此方へ」



「ありがとう。礼を言う」



街の入り口まで来ると白い軍服を着た姫路准将が出迎える。ちなみに俺もこの時はグレーのコートではなく陸軍の黒い軍服を着て両腰には宝剣を差していた。軍服には少将の証であるバッチを付けている。



「康介は話していた通りの場所にいるのか?」



「はい」



「・・・・・・・・」



姫路准将の案内により辿り着いた場所は街の外れの山林。



「ユズキ少将、本当に此処で良いんですか? こんな山林に建物があるとは思いませんが・・・・・・・・」



「慌てるな。もうじき目的地に着く」



すっかり街の中心部で会談すると思っていたグレイスは不安そうにそわそわする。



山林に入ってから20分程歩みを進めると大きな朱色に塗られた鳥居が見え日本家屋が立ち並ぶ場所へとでる。左右に並ぶ日本家屋の奥には社が見える。



「こ、これは・・・・・・・・」



「さぁ馬から降りて下さい。鳥居から先は神聖な場ですから」



「ああ」



俺は馬から降りると鳥居を潜る。



「奥の社にて榊原長官は待たれております。私は先に戻りますのでお二方は後で・・・・・・・・」



「分かった」



「・・・・・・・・・」



グレイスは馴れない場所におどおどしている。



カツッ



カツッ



カツッ



カツッ



「ふぅ~」




キィィィィ




緊張しながら社の扉を開ける。






「久しぶりだな柚希・・・・・・・・・」







「康介」




社内には座布団が左右に1枚ずつひかれていて俺から向かって右手に白い軍服を着た康介が正座していた。



「さて講和会議を始めようか」



「ああ、お互いの未来の為のな・・・・・・・・」



俺が座布団に座ると康介はそう言う。グレイスや姫路准将は社の外で待機させ話し合いは俺ら2人で行う事になった・・・・・・

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