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機巧魔術師の異聞奇譚  作者: 桜木紫苑
第四章 鷲と鶴
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第52話 両軍布陣

機巧暦2140年2月・モンテネグロ・リム川流域・姫路軍



「准将これで良いですか?」



「ああ見事だ。この威容こそ我が主力部隊だ」



「では演説をお願い致します」



ギリシャ統監府から総勢8万余りをモンテネグロのリム川流域まで進出させた姫路准将は戦地に到着すると敵を待ち伏せるために万全の布陣をひいた。両翼に騎兵2万ずつ配備し中央に前衛部隊2万、前衛部隊の背後に姫路准将が直接指揮する主力軍2万というオーソドックスな布陣となった。



「ああ」





カツッ カツッ カツッ




姫路准将は配下から手渡された軍帽を深く被ると壇上に登る。






そしてーーーーーー






「諸君らよ!! 我がギリシャは存亡の瀬戸際にある!! 我が主・榊原康介は国を救うべくこの私に主力軍8万を授けてくれた。我らは生きて鬼雄とならん!! 国を救えるのであればこの命、消えるまで戦い抜こうぞ!! 敵は3万余りだ!! それに対して我らは8万余りだ!! 必勝は確実である!!」






「「「必勝!! 必勝!! 必勝!!」」」




姫路准将は腰の刀を引き抜くと切っ先を天に向けた。諸君らや兵士らも銃剣を掲げ必勝必勝と大地を轟かんばかりに連呼する。



「諸君らの健闘を祈る!!」



演説を終えると姫路准将は刀を鞘に納め壇上から降りた。



「見事な演説でした。ところで准将どのような戦術をとるおつもりで?」



「鉄床を使う」



「分かりました。副将の高田にもそう伝えておきます」



「うむ」



壇上から降りるや参謀が尋ねてくる。鉄床戦術とは中央軍に敵軍を釘付けにしながら機動力のある別働隊で敵軍の背後を突く作戦の事だ。





ーーーーモンテネグロ・リム川流域・アルフレート軍



「少将、敵軍が見えてきました・・・・・・・・大軍です」



「ほぉ~既に戦列を整え丁重に俺らを迎えてくれるとは、その心遣い感謝しなければ」



「くだらない冗談は止めて下さい」



目の前に広がる横一列並ぶ敵の大軍に俺は動揺しつつ軽口をたたく。



(あの規模からすると10万余りはいるか。3万VS10万か・・・・・・差がありすぎる)



「なぁグレイス、兵士の練度は高いか? 複雑な戦術を理解出来るだけの頭脳を持っているか?」



「幸い徴兵制のお陰で練度は高いかと思われます。複雑な戦術は分かりません」



(戦術は部隊の司令官に伝えるとして練度が高ければ問題ないか)



グレイスや友那はキョトンとしている。



「3万で10万を撃ち破った事例はあるか?」



「いえありません」



「もし俺が大勝すればこの世界の歴史に名が載るな。グレイス! 両翼に騎兵を配置せよ!! 左翼はラムに右翼はレムに任せてろ。中央軍はグレイスに指揮を任せる」



「少将は何も為さらないつもりですか?」



「いや俺は前線で暴れる」 



「また死ぬような真似をするの?」



友那の表情が曇る。



「死ぬつもりは毛頭ないから安心しろ。グレイス、布陣の合図をしろ」



「御意」



その後、グレイスの号令で陣が完成した。




《姫路軍》《総勢8万余り》


左翼・・・・2万


右翼・・・・2万


前衛タカタ・・・・2万


本軍ヒメジ・・・・2万




《アルフレート軍》


左翼ラム・・・・5千


右翼レム・・・・5千


前衛ユズキ・・・1万


本軍グレイス・・・・1万

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