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機巧魔術師の異聞奇譚  作者: 桜木紫苑
第三章 叛逆の臣下
116/222

第19話 終わりだ・・・・・・

機巧暦2140年1月・ドイツ帝国ヴュルツブルク・ドルシア本営






救国の剣(クラウディウス)!!」






俺は刀に魔力を溜めると床を蹴りドルシアとの間合いを一気に詰める。







ガキッ!!






チッ!!  防がれたか・・・・・・・



 


「うぅ・・・・・この前より一撃が重いねぇ」

   




「当たり前だ。今は護るべき者がいない分、攻撃に全精力を注げる!!」





ドルシアは腕に装着された(ブレード)で俺の刀を受け止める。





バキッ!!




刀の峰に手を掛けそのまま押し斬ろうとすもドルシアの銃剣(ブラスターブレード)が俺を弾き飛ばす。




「動きも前よりも俊敏・・・・・・・・」


 



「ハァハァハァ・・・・・・」




この前の全身鎧姿じゃないってことはまだ本気だしてないなコイツ・・・・・・・本気だされる前に()らないと




カチャ




魔術強化(ブースト)




もう片方の刀を引き抜き、2本の刀に魔術回路に魔力を流し込む。長期戦となれば此方が不利、短期戦に持ち込むために最初から全力で戦う・・・・・・・・




両手に持つ刀に紅い魔術回路が浮かび上がる。





「機巧解除・出力全開!!」




「お、遅かったか・・・・・・・」





「貴方が本気出せば私も必然的に本気出さなければ割に合わないでしょ?☆」





斬りかかろうと瞬間、ドルシアは既に全身鎧(フルアーマー)となっていた。






まあ当たり前か・・・・・・ならば、ここは!!   






「ハァァァァァァァァ!!!!」






「なっ!? な、何をする!!」






ガシッ





「捕まえた!! 魔術宝珠(イヴ)解除!!」





俺は刀を両腰の鞘に収めると、ドルシアのお腹辺りを目がけて勢いよく抱きつく、さらに魔術宝珠(イヴ)のピンを引き抜く。






「ひっ!!」






「勝つためなら手段なんて!! 護国の盾(ファビウス)!!!」





ガンっ






城壁のヘリに脚をかけ勢いよくヘリの外側に出る。






「キャァァァァァ!!!!」






「「「ドルシア中将!!」」





真っ逆さまに城壁から落ちる俺とドルシア。






そしてーーーー





 


ドサッ!!







「き、貴様!! よくも!!!!!」







「8メートルからのダイブは流石にキツかったな」







防御魔方陣のお陰で何とか無傷だ。対してドルシアは鎧のあちこちが破損し立ち上がった時に足元にバラバラと欠片が落ちる。






「突き落とすとは良い度胸じゃない!!」



 



「城壁の上では暴れられないからな」







ガチャ






「ハァァァァァ!!」






「・・・・・・てっ!!」






「グハッ!!」






バンッ!! ガラガラッ ガラッ!!






ドルシアは右腕の銃剣(ブラスターブレード)を俺の腹目がけて横から斬ろうとすも一足遅く、俺の左拳がドルシアの腹に入る。






メキッ!! メキメキッ!!!







「うぐっ・・・・・・」





「追い討ちかけるか・・・・・・・」






懐から崖下に仕掛けた爆薬の起爆装置を取り出すとそのボタンを押す。





カチッ






ドカァッ!!





バキッ!!





 

バキバキッ!!!







ガラッ!!







ガラガラッ!!!!!!!!



 



「あ、あ・・・・・・・城壁が・・・・・!!!!」







「・・・・・・・・・・・」







洞窟に仕掛けた特殊手榴弾が一斉に爆発を起こし爆発の威力は崖そのものにダメージを与えた。元々老朽化していのか崖下から上まで無数の亀裂が入る。さらに次々と手榴弾が誘爆を起こすと亀裂から崩壊に入り城壁が崩落する。






ガラガラッ






「うッ・・・・・・・城壁を崖ごと破壊するとはね~・・・・・・ハァハァ」



 




「・・・・・・・・・・」







ドルシアは崩れた城壁の瓦礫をかき分けて這い出てくる。左腕は潰れ、右腕や銃剣(ブラスターブレード)には紅いヒビが入っている。頭を覆っている鎧も半分が無くなり蒼い髪が垂れている・・・・・・もはや戦うには不可能な状態だ。




「しぶといな。さっきの崩落で即死したと思ったんだが」




「アハハ、私は禁忌人形よ。そこら辺の柔な人間じゃない。匠が創り出した人造人間のような存在。こんな事で死なないよ」


 


確かに顔からは血が垂れているが潰れた腕からは血は流れて居らず無機質な金属や回路が剥き出しとなっている。





「・・・・・・・・」






スーッ   カチャ!

 





()らいの・・・・・・?」






「降伏しろ。うちの軍で面倒見てやる」






「・・・・・・・?」






俺は抜こうとしていた刀を鞘に戻す。さすがにここまでボロボロな相手に戦うことは忍びなかった。






「ハァ、最初はアンタを殺そうと思ったけど、今は気が変わった。やっぱり相手を殺すだけが戦争じゃねぇからな」







「・・・・・・・・殺してくれ。私は人間じゃない。兵器だ。戦ってこそ価値が上がる。この状態ではもう戦えないだろう」






・・・・・・普通なら降伏するはずだが、やはりここは兵器としての意地を貫くつもりか・・・・・・・ならば





護国の盾(ファビウス)!! 望み通りにしてやる。かかってこい!!」






「アハハ!! 言われなくても戦うよ!!」 







ガチャ!! ダダッ ダダッ!!






「ハッ!!」




立ち上がったドルシアは(ブラスター)の銃口を向け撃つ。やはりフラフラしているためか全弾を外す。





「冥土に送ってやる!!」






バキバキッ!!  






「ギャァ!!」






ゴキッ!!! グキグキッ!!! バキッ!!





銃口を避け俺はドルシアの後に回ると右腕・・・・・銃剣(ブラスターブレード)をねじ曲げる。激痛のためドルシアの口から断末魔が吐き出される。






バンッ!!





ねじ曲げた銃剣(ブラスターブレード)の銃口をドルシアの顔面に無理矢理向け引き金を引く。





「・・・・・・・・っ!!」




発射された銃弾がドルシアの右頬を貫く。




「・・・・・・・・・くっ」




さらに留めの一撃で刀を引き抜きドルシアの右腕の肘から下を斬り捨てる。





「ギャァァ!!!!」

 






スチャ!!







「終わりだ!!」





バァンッ!!





「ウグッ!!」 

 




後の腰に掛けていた拳銃を取り出すとドルシアの胸部目がけて発砲。





銃弾は威力調整した魔弾・・・・・・・





そのためドルシアの胸部に命中するとドルシアは崩れた瓦礫に吹き飛ばされる。






バァァァァン!!!






「ハァハァ・・・・・・・・これで終わったか」






戦闘が終われ頃には空は明るくなっており、火災も収まりつつあった。

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