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陛下のたのしい歴史講義にじかんめ

一度書き上げたモノを間違えて削除してしまい灰になりました。寝ぼけて投稿するものではありませんね。

途中から陛下の視点になります。

「…さて、どこからだったかな…。

ああ、私がサミエルに会った話だったね」


10分程休憩をとった後、席を外していた陛下が戻ってきた。

後ろにいた文官らしき人達に紙の山を渡してからソファーに座る。



…仕事してる?とか疑ってごめんなさい。そうですよね、ちゃんと仕事してなきゃ国内がボロボロですよね。



「…サミエルに会ったのは私とセラン…あぁ今の魔術師団長の事だよ、うん、私達2人がまだ子供の時だったんだ」











ーーあれは今から50年前。私が初等学校に入学する年…7歳の頃だ。


当時の私はやんちゃな性格でね。幼なじみで同い年のセランを振り回していたよ。



その日は子供が立ち入り禁止だった森へ探検しに向かったんだ。



セランが止めるのを聞かずにどんどん奥へ奥へ。





そしてあの扉の前にたどり着いた。



『大きな扉だなぁ。……あれ?後ろに建物がないぞ?扉だけあるなんて変なの!』


『で、殿下…これってもしかして魔界の扉じゃぁ…』


『…あはは!あんなのおとぎ話だろ?作り話を信じてるのか?』



『つ、作り話などではありません!帰りましょう、殿下!』



そうやって2人の言い争いはエスカレートしてね、ついにセランが堪忍袋の緒を切らした時だ。




『…もういい加減にしてください!!殿下はこの国を治める立場の方なんですよ!それなのに、それなのに…っっぁ………っ!』


急に頭を抱え膝をついて踞るセラン。

苦しそうなその表情に私も思わず焦って、彼に駆け寄ろうとしたんだけど、



『それ、なのに………ああああぁぁぁっ!!!』





彼は元々魔力が高かったんだが、恐怖と焦りと私に対する怒りで我を忘れてしまい魔力が暴走してしまった。


その魔力は凄まじく、暴風を巻き起こし木々を凪ぎ払い、私は扉に叩きつけられた。



その時、扉から声がしたんだ。




『はぁ……、また人間が結界を破壊しようと暴れてんのか?

お前らそんなに死に絶えたいのかよ?』



呆れるような、低い男の声が発した"死"という単語に私は扉が本当に魔界へと繋がるモノだと知って恐怖した。


魔族は残忍で凶悪だと教えられていたからだ。



『ち、違う!友達が、いきなり…っ!』



パニックを起こしていた私が必死に説明すると声の主が


『あー、そりゃ魔力が暴走してんだろ。魔力の制御の仕方はわかんねぇのかよ?』


『ま、まだ初等学校に行ってないからわからない…』




『はぁぁぁっ!?まだガキじゃねぇか!

…ったくしゃあねぇな…。制御の仕方教えてやるよ。

暴走してる奴を抑えつけとけ』



『…………ち、近づけない……』



私が情けない声でそう告げると男はため息をついた。


『…はぁ…、おい、行ってくる。………は?お前もか?…わかった』


その声は私以外の者に言っていた。

次いで私にこう話しかけたんだ。


『ガキんちょ、扉から離れていろ』


恐怖ですくむ足を何とか動かした時、扉の中央が光始めた。

数秒の後、光の中から現れたのは1羽の黒い鳥と1匹の白い蛇だった。

黒い鳥はセランの元に向かうと額を思いきり突いて気絶させたんだ。

…多分あれ、凄く痛いやつだったと思うよ。気絶しちゃうくらいだからね。


黒い鳥はこちらを向くと口を開いた。


『今は気絶してるから暴走は止まったが、制御は出来てないから起きたら教えてやる』


その声が扉から聞こえた声だとわかった私はとんでもない事に気づいた。

魔族が、人間の世界に来てしまったんだ。


だけど彼も白い蛇もセランの周りを囲んで様子を見たり羽根でセランの頬を叩く仕草をするだけで、こちらに攻撃する素振りはない。


その様子に私はこう尋ねていた。


『…どうして、魔族が助けてくれるの…?』


黒い鳥はこちらを見る。呆れたようなため息をついて。


『…お前達人間からしたら200年は昔の事だろうよ。

だけど俺達魔族は人間より長命だ。戦争を覚えてるヤツもいる。

…だから人間に関わりたくないんだ。その為にこの結界が大切なんだよ』



黒い鳥がそう言った時、セランが起きた。



『……あれ?僕……わぁっ!?へ、蛇!!』


『よし、起きたな。じゃあ魔力の制御の仕方教えるぞ!カナタが!』


『あぁ、やっぱり面倒くさくなりやがったんですね。…仕方ありません』



『しゃ、喋った…!?で、殿下!!』


『セラン、とりあえず言うこと聞いておけ。お前は魔力を暴走させたんだ。制御の仕方を教えてくれるって』


カナタと呼ばれた蛇がセランに何か言葉をかける。セランは混乱しながらもカナタが唱えた呪文を復唱する。


その光景をぼんやりと見ていた私の前に黒い鳥がやって来て告げたんだ。


『お前はこの国の王族だろ?だったら覚えておいてくれ。


見ての通り魔族は少し結界が揺らいだだけでこちらに来れる。

まぁ、本体は向こうにあるから今の姿は仮だし、力も半減してるけどな。

だけど本気でやろうと思えばこの国、いや人間界なんていとも容易く破壊できる。

だけどほとんどの魔族は人間界に興味無いんだよ。

魔界は広大だ。この国の何千倍もの土地が広がってる。中には凶暴な種族もいるが、そいつらも魔界の中で暴れ回るだけで精一杯な程だ。

人間界に構ってる暇なんてないんだ。だから結界は頑丈にやっとけ。結界を何重にかけるんだ』



『…君は一体、何者なの?魔王なの?』


私の問いかけに鳥は笑った。表情は変わらないんだけど、何故か笑ったように見えたんだ。


『惜しいな。まだ(・・)魔王じゃねぇ。ま、お前と同じ立場だからな。それから俺はお前より年上だ。君じゃなくサミエル様と呼べ』


『…………じゃあ、僕もガキじゃなくてバージュって呼んでよね!』


彼…サミエルの態度に私も緊張が解れてまるで友達の様な接し方になった。


それからセラン達が終わるまで他愛もない話をしていたんだ。



やがて別れの時に彼がこう言ってくれたんだ。


『バージュ、良い王になれ』


そうして来た時と同じように光に包まれる間際に見えたんだ。



漆黒の羽根を持つ美しい男の人がこちらを見て笑っていたのが。









ーーーー陛下はとても懐かしそうに話していた。


「その後王の座に就いてからもう一度行ったんだが、彼らには会えなかった。それからは…」


陛下が再び話始めようとした時、ノックの音がして文官が部屋に入ってきた。


「陛下、そろそろお時間が…」


「…あー、もうそんな時間か…。

すまないね2人とも。今日はこれまでにしよう。また機会があればハルさんの称号についても話そう」



陛下に促され、私達が帰路につこうとした時ニールが陛下に呼び止められて2、3言葉を交わしている。


何だかニールの顔が強ばっているのは気のせい?


ニールに聞いてもはぐらかされてしまった。



それにしても、ずっと昔からあった結界を意図せず開けてしまったんだよね…。

私がこの国にいる限り、結界は意味を成さない。…だったら他の国へ行くべきなんだろうか。




結局その日はどうするべきか結論が出ず、家に着くとそのまま倒れるように眠ってしまった。

1話に収めるためにあれこれ削ったのでバタバタ感が否めないです。反省…。

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