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ヤンキーが語る昔ばなしシリーズ  作者: 山田マイク
『ヤンキー昔ばなし』
13/40

13 『やぎさんゆうびん』


 YO!

 元気かブラザーマイメン!


 夏は暑くて超ホット!

 汗だく全開で猛暑はSOバッド!

 俺の好きな動物一位はユミんちのグッドキャット!


 ん?

 暑さでついに脳みそをやられたのかって?


 ……おめー、段々口が悪くなってんな。


 いやYO。

 実は最近ヒップホップにハマっててYO。


 キムラ先輩んちで聞いたラップが超ビーフで。

 バリバリかっこよくて、すっかりTORIKOになっちまったってわけ。


 DEYO。

 どうも俺ってそっちの才能があるみたいでYO、最近はもう自然とライム踏んじまうんだよね。


 ……なんだよ、その嫌そうな顔は。

 なんか文句あんのかYO。


 お前の陰気くさい顔見てると超サッド!

 最近はこれでなんでも出来るぜアイパッド!

 俺の好きな動物一位はユミんちのキャット!


 どうよ。

 バッキバキのライムが決まってんBE。


 え?

 普通に喋れって?

 読者が読みにくくてしょうがない?


 何わけワカメなこと言ってんだよてめー。


 まあいいよ。

 しょうがねえな。

 普通にしゃべってやるよ。


 いやよ。

 ものすげー昔によ、とある村によ。

 黒ヤギと白ヤギのおっさんが住んでたのよ。


 二人はダチでよ。

 離れていたから、手紙を出そうって思うわけよ。


 まず黒ヤギは「元気ですか」って手紙書くわけ。

 で、それを受け取った白ヤギはよ、久しぶりの黒ヤギさんからの手紙に喜ぶわけよ。

 

 でもよ。

 中身を読もうとした瞬間、白ヤギは我慢できなくて読まずに食べちゃうの。

 

 で、白ヤギはよ、「こないだの手紙の内容はなんでしたか?」って黒ヤギに手紙を出すの。

 黒ヤギは返事が来たって喜んで読もうと思うんだけどよ、やっぱり我慢できなくて食っちゃうの。


 あとはもう無限ループよ。

 お互いに手紙を出し合って、そのたびに手紙読まずに食ってんの。


 ……あのよ。







 
















 メール使おうや。


 

 多分おっさんだからスマホとか苦手なんだろうけどよ。

 時代についていかねーと駄目だぜ。


 まあ俺もよ。

 スマホとかよく分かんねーから未だにガラケーなんだけどよ。

 しかもらくらくフォンなんだけどよ。

 さすがにメール機能はついてるぜ。

 黒ヤギのおっさんも白ヤギのおっさんもよ、手紙書けるんならきっとメールも覚えられるぜ。

 

 メェ~とか言ってねえで、まずはケータイ買おうぜ。

 通話プランとかややこしくてくっそめんどくせえけどよ。

 

 ん?

 ……ちょっとまてよ?


 よく考えたらこいつら、我慢できなくて契約書とかも食っちまいそうだな。


 もうよ、直接会いに行けや。


 でよ。

 結局二人のヤギは連絡がつかずに疎遠になったらしいぜ。


 まじでメールは便利だぜ。



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