表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

夏休み初日

ミーン。ミーン。ミーン。ジジジ。ジジジ。

ミンミン蟬の鳴き声に重なるように油蟬の鳴き声もまた聞こえてくる。そんなうっとしい鳴き声とはしゃぐ若者の話し声をイヤホンでシャットアウトし、俺は駅に向って歩いていく。

今日は高校を迎えて最初の夏休みにしてその初日である。だが、この俺冨樫魁斗の気持ちは濃いめのブルーだった。何故ならば予定がないのである。部活もバイトもしていない俺は我が根城で日記帳を開き、空欄を埋めようと起床,歯磨き,飯,昼寝と記す。これが今日の俺の予定なのだろう。俺は深い溜息をして、ベッドにジャンピングをきめこむ。そして「あーあ」と叫び声を響かせる。「うるさいっ!死ねっ!」と言うように隣の部屋から壁を連打する音が聞こえ、俺は怯む。

冨樫明日香。俺の妹である。奴の連打ゲームンの太鼓ゲームにより磨き上げられた。その破壊力はガメック星を破壊するほどである。いや、そんなことはどうでもいいのだが。奴の逆鱗に触れたら面倒だ。俺はパシられ炎天下の中、コンビニマシソンに行きビニ弁とアイスを買わされるのである。いや、予定が出来ていいのかもと思ったりは少しはするのだが、、

「おい。ニート。マシソンに行ってガシガシ君パイナップル味10個買ってきなさい。金は10分以内に帰ってこないとはらわないわよ。」と部屋に入り込んできた妹は言う。

はい。予想的中。ビニ弁はないだけマシか。

「断る。俺は忙しいんだ。この後飯食べて昼寝をしないといけない予定なんだ。帰った帰った。」と俺は言い、妹を部屋から追い出した。俺が再びベッドに横になって数分経った頃だった。ブオンという爆音が俺の部屋に向かって近づいてくる。これはあれだ。奴が吸引力の変わらないタイソーンの掃除機を装着して攻めてくる音だった。この後戦いに敗北した俺は、結局奴の脅迫に負けて俺は予算の1000円をポケットに入れ、駅のマシソンに向かうのである。これが俺の生活記録初日の出来事である。しかし、この日のマシソンでの出来事が俺の夏休みの生活をあんなに変えるとはこの時の俺には知る由も無かった。


続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ