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若葉と一進  作者:
8/34

第八話

今回は三人の視点で物語を進めていきます!一番最初は若葉からです。

一進が風呂に入って、現在わしと莉乃だけが部屋に残されておる。


「なぁ、若」


と、莉乃が喋り出した。


「何じゃ?」

「若は一進の事どう思ってんだ?」

「え!?いきなりなんじゃ!?」

「いや、焦りすぎじゃね?普通に一緒にいてどう思うよって事だよ」

「あ、あぁそういう事か...。まぁ良い奴ではあるの」

「良い奴って言うと例えば?」

「わしはいかんせんこの喋り方で周りからは避けられて来てしもうてな、中学じゃ虐められもした」

「へぇ」


莉乃は静かに聞いてくれた。


「じゃから高校も似たようなものじゃと思っておったが、それを一進が変えてくれた。わしが悩んでおった事は思った以上にどうでも良かった事だと気付かせてくれた」

「…」

「わしは、友であり恩人の一進にその恩をどんな形であれ、返したい」

「そっか」

「すまんのぅ、もう少し楽しい話のはずじゃったんじゃが」

「いいよ、いい事聞けたし」


莉乃は微笑みながら返事をする。


「莉乃は、なぜ一進と一緒におるのじゃ?」

「あ?いいよあたしは」

「わしに話させておいて自分は話さないのはフェアじゃなかろう?」

「……。あたしも若とほぼ一緒だよ。あたし荒れてた時期があって、みんなあたしを避けるのにあいつだけはあたしの前に立ち塞がりやがる」

「ほう」

「うぜぇったら無かったけど、心の中じゃ救われていたんだ。だからあいつがもし何かに迷ったり、苦しんでいたなら、助けてやるつもりだ」

「そうか」


会話が丁度終わったところに、一進が風呂から上がってきた。


「ふい〜いい湯だった〜。若の家の風呂はでかいんだな。ん?どうした?」

「いや、何でもねぇよ」

「その通りじゃ、次は莉乃。入ってくれ」

「ん?いいのか?じゃ、お言葉に甘えてお先〜」


莉乃が風呂に向かって、今度は一進と二人きりになる。



以下、一進視点。



本当に風呂デカかったなぁ。多分、莉乃馬鹿騒ぎしてるな、泳いでなきゃいいけど。


「む?一進、髪まだ全然濡れておるぞ」

「ん?ほんと?」

「拭いてやろう」

「え?いや自分で出来るって」

「遠慮するでない」

「えー…」


されるがまま、若に髪を拭いてもらう。


ワシャワシャワシャ。

あ、拭くのうまい。


「どうじゃ?強いかや?」

「ふあ?いや、ん、めっちゃ気持ちい」

「ふふふ、そうか、それは良かった」


拭き終わり、髪を整えてくれる。


「一進の髪は柔っこいのぅ」

「ん、まぁ確かに軟毛だな」

「綺麗じゃのぅ。下手したらわしより綺麗なんじゃないかや?」

「そんな事ないだろ。若の方が…」


言いかけて、言葉が止まった。

若の髪の毛を見ようとしたら、若の…その…胸部が…目の前に…。


「ん?一進どうした?わしの方がなんじゃ?」

「いや、なんでもない…」


すぐ俯いて、見てないフリ。

若って以外と…、はっ!ダメダメ友達をそんな目で見るなんて!


そんなことをしてるうちに莉乃が風呂から上がってきた。


「何してんだ?」

「髪を拭いてもらってた」

「なんだそりゃ」

「じゃ、さいごはわしじゃな。行ってくる」

「いってら〜」



以下、莉乃視点。



「なぁ、若にも聞いたけど、お前らお互いのことどう思ってんだ?」

「何だ突然」

「いいから、ほれ!」

「どうって、いい友達だと思ってるよ。若といると楽しいからな」

「楽しいってどんな風に?」

「あー、なんか心が満たされていく様な?」

「へぇ、それはまた随分とデカイ存在になってんなぁ」

「そうだね」

「ちょっくらトイレ行ってくるわ」

「んー」


会話を終わらせて、トイレに行く。


(いい友達、心が満たされていく、恩人…ねぇ)


それが、いい友達じゃ出来ない事だって分かってんのかねぇ。


若も若だぜ。

ただの恩人が、他の女と話してるだけの事が、泣きそうになって走り去る程の事なのかよ?

そう、あたしはあの日、一進と一緒に帰った日、泣きそうになって走り去る若に気付いていた。その後一進に紹介されて、また泣かれた。あたしの顔が怖すぎて泣いているのかと思い、軽く凹んだ。


それにしても、こいつは面倒くさい案件だぜぃ。


「まぁあたしには関係の無い事なんだけどな!」


あたしはある様にあり、したいようにさせてもらうぜ。


以下、一進視点。



部屋で一人になったけど、莉乃と若は同時に帰ってきた。途中で会ったんだろう。


そこからは、もう遊びまくる。

ちゃんと買ったお菓子も食いながら。

テレビゲーム、ボードゲームまでやった後、最後は莉乃が今日返そうとしていた明日期限の怖いDVDを見る。


「あ、あ、あ、やばいこれ。やばいやつじゃー!」

「う〜るっさい若!」

「じゃって〜...」

「はいはい若、俺達の間来な?」

「うむ…」


若が一番怖いものが苦手で一番うるさい。

うるさすぎてナレーションの声が聞こえずキレる莉乃と、半泣きで叫ぶ若、その若を慰めながら見る俺。ザ・カオス。


「ぅう...、いっし〜ん。もう終わったかや?」

「いやまだ、今目ぇ開けるなよ。また莉乃がキレるから」

「お、おおぅ、分かった!絶対見んぞ!」

「あー、あそこか!顔ってか、ほぼ点が三つあるだけじゃねぇかよー」

「心霊ビデオみたいなやつって、たまに見つけるの難しいよね」

「たまにウォー〇ーを探せ的な感覚に陥るんだよなぁ...」

「あー分かる」

「のぅ、二人とも。こ、このDVDは、い、いつ終わるんじゃ...?」


悠長に喋っていると、若が下から顔を上げてきた。上目遣いが可愛い。

ついでに今の状況を説明すると、

俺の右側に莉乃、その俺と莉乃の間に若がいるという状況だ。あまりにも怖すぎて、若は胡座かいてる俺の膝、というかもう太ももあたりに顔を埋めている。頭を撫でて怖がる若を(なだ)める。



やっとDVDが終わった。

若は騒ぎすぎて疲れたのか、うとうとしだしていた。


「若、若はベッドで寝な」

「んぅ...、う...ん...」


返事はしたが全然動かない。

仕方ない。


「よいしょっ」

「お〜ちっからもち〜」


若をお姫様抱っこしてベッドに寝かせる。


その後少し二人で昔話や世間話をして、寝落ちした。



今回はそれぞれのキャラの思考を書いてみました〜。

莉乃視点は初めてだったので、上手くかけているか不安です...。

見てくださっている方がいるのを知ってやる気が出てしまいました\(//∇//)\

評価もしていただけて、嬉しいです!

これからも楽しく読んでいただきたいものです。

あと、三人ともお風呂上がるの早い...。

反省です。


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