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清明様の憂鬱ネット小説大賞六   作者: @のはらきつね
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清明様の憂鬱 水べの夢をこの頃見ない㉒

  目を開けると マッチョのナースたちが 自分を取り囲んでいたので飛び起きた


起き上ると 「 大丈夫」 と言って肩を掴んでがくがくゆすられた首がガクンガクンと言ってむち打ち


になるかと思ったら キッシーがやってきてナースたちが去って行った。


またしても キッシーに救われたが今度はキッシーが「どうした」


と言って自分の顔をまじまじと覗き込んだ  


 医者の眼だったが近い、近い


挿絵(By みてみん)



 「ちょっと待て」と言ってから近い理由に気付いた 自分の目から水が出てるなんだこれ・・・・


「俺 泣いてる?」 聞くとキッシーがうなづいた


 「なんだ 何でだ」 と聞くと 


「そんなこと知るか、眼病なんじゃないか?」とキッシーが言った


「この辺が スウスウする」胸がスウスウ していたので胸を指差して言った


 「気味の悪いことを言うな」 と言ってキッシーは去って行った


 何で 怒られたのかわからないが 何か変な力が働いているのか 


ホントに何かがすとんと向け落ちた


感じがしてとてつもなくだるかった


 いつもの病院の中も何かしら様式化され暗くどんよりと陰鬱に映った


 何だろうこの寝覚めの悪さはと思いながら取り合えず顔を洗いに言った  


それから 夢枕に立った葛の葉を思いだした


(もしかして アイツか)思いながら 鏡を見た.


 髪がのびている 切ってしまおう


そしてさっぱりして考えをまとめよう 決意を固めハサミを持ってきて髪を切ろうとしたら物凄い力


で弾き飛ばされて 壁にぶつかった


マツチョナースのヘッドじゃなかった巨神兵じゃなかった


 婦長が 俺を見下ろしている


異様に光る眼でここはサバンナじゃないはずだが 病院のはずだがナースに(やられるいや狩られる)


と思ったら頭の中で みーみーみー とエラー音が聞こえた


「ダメよ 自分で髪をきったりしちゃあ」 横のタイルにタイルなのにハサミが刺さっている


 「何をやってる」キッシーの声がしてナースが青ざめたのでとっさにハサミを隠して「違うんだ」


と言って説明した 婦長は感謝と何か目を背けたい感情を瞳にたたえて出て行った


 ちょっと待ておれは今ものすごく余計なことをしたんじゃないか 墓穴ほったのか?


キッシーが俺を見ている いつもの幼馴染のなれ合いの視線ではなくなにか強い責任を秘めているような


目で 「本当に大丈夫だから」キッシーが「歩けるか」と言いながら保護者のような目で見たので瞳孔が


大きくなるのを感じながらぶんぶんうなずいた


 なんだこの流れはあの女狐のシナリオかそれにしても安い


安直だなんなんだ何のひねりもないこの幼馴染とのハーレクインロマンスとBLを足しっぱなしにしたよう


な流れは でもキッシーは育ちがいいのでこういう直球に弱いかも


まさかとは思うがノスタルジックな扉が開いたらどーすんだ


キッシーは「気をつけろよ」とだけ言って出て行った


 出て行ってから息をついてそんなベタベタなシナリオに乗れるかーい


 しかも主演女優 最悪だ


 とにかく扉をしめて溶接しておこう


 ちょうどいいや この隙に抜け出してしまえ


わーい 久しぶりに自由だ


 昔よく 通っていた 道を歩く そういえば何でこの道を通ってたんだっけ忘れた 


なんだか暗い気持ちだったような気がするけど今は平気だ 久しぶりの外出で気分が良いついでに髪


も 染めてしまおうか


青髪 はなんかのコスプレみたいで変だとばっさり髪を切った


 また幼くなったが 色がなかなか入んないのでなんかグレーと青の中間色みたいになったでもイメチェ


ンだ  


 葛の葉が夢枕に立つなんて 相当なことだ


何を企んでるか知らんが アイツの長期計画はきっと恐ろしいことだ


 あの 執念深さはホントにすごい


鳴かぬなら 鳴くまで待とうホトトギスの家康どころじゃなくてテープとかマイクロチップとか体に埋


め込んで力づくで鳴かせる奴だ


 生かさず殺さず 永遠に・・・・・


 そんでもって 俺はそのホトトギスだ下手打ったら 永遠に ホーホケキョってなくはめに 


あれ それ(うぐいす)じゃなかったっけ 


ホトトギスってなんて鳴くんだ、まあいいや


 せっかくだからどっかに寄り道してくかな?


 なんて考えながら 歩くそもそも傷は治ってるし 別にいいじゃん 何でまだあの病院にいるのかな


そうだもう退院してもいいんじゃないか? 


あのメギツネの口車に乗って 髪の毛切っちゃって 幻術使えないけど 


体は少し大人になったしマグロも恋しい


そーだ俺は もともと海の男なんだ


 もう 腐れ黒ナマコや 黒イソギンチャクなんかに振り回されてる場合じやなーい


 あんな海産物がどうなったって知ったことじゃない


そっちよりマグロなんだものとか浮かれて歩き帰ったらキッシーに退院するって言おう


取りあえず病院に帰ってってなんだか薄暗い病室に行こうと歩いていくと 


急に後ろからヘッドロックされてぎゅっと抱きしめられた.


と言うか締め上げられた 


「わわわわんぎゃ」 なんだかわからない 状況でなんだかわからない声が出た

 

そのまま 寄り切られて 部屋の中に入る


「お前 その髪はどうした」


 キッシーが 怖い顔で言った


「え、ちょっと 気分転換に」 言ったけど何で何で怒っているんですか?


 と思いながら 氷のような目と高慢な不機嫌な顔を見る


「誰に やられた?」 少し息をはずませたキツシーが言う


 「いや美容師に」と言おうとしたがおかしい


それに 体は大人になっているので 前より明らかにリアルで 余計に変だが 何ら有効な手段も思いつ


かないが 、 俺は彼女じゃないぞたしかになんで髪切って怒られるの


それとも 超異常モテキが来てるのか?  不意に大蛇の唇と胴体が思い浮かんだ


 そして気づいた ここは病院じゃない病院と言うのは病気を治すところだったはずだ ここにいる限り


俺は 確実にもっと多種多様の病気を抱え込んでいく


 病院て 病気を治すところだったはずだ確か、と思ったら力が入らなくなった


渡る世間はホモばかりのこんなとこにいたら俺は今にタンメンの国のアリス


私をお飲みって鶏ガラスープが・・・・ 


「ああ ごめん」 キッシーがいったがそのと気には 意識はこのごろおなじみの絶対安静状態になって


しまって 体がへなへなになって そのままわからなくなった


それを 遠くから 見ているものがいた  葛の葉は 自分の病室からそっとそれを見て 見つからない


ようにさっと思念を閉じシルクの下着とガウンを注文した


ノートパソコンを開いて シルクの下着とガウンを注文した


キッシーにとって現実は 可能性を狭くする存在だ


どんな妖怪にとってもそうだろうが キッシーの場合小さなころから レールが敷かれていてそれは 悩


みを少なくすることでもありまた 人の上に立てると言うことが自分をここまで運んできた


 もちろん それなりの勉強や努力が必要だったので みんなが遊びほうけて百鬼夜行に浮かれているの


に参加したこともなくひたすら 人間の様に受験に向かって勉強した


 だんだん 妖怪の友達も少なくなったがそれを面白がって いつまでも近づいてきて いたずらを仕掛


けてきたのが青竜だだんだんやることが 洒落にならなくなってきて うっとうしくなったが ここに来


てからまったく性格が変わってしまいかつ式神時代のひどさを知って 昔のことは水に流れて行った


大体いつもおなかをすかせているし 生活力ゼロだし薄着で出かけていってさむがってるし焼肉をあ


んなにありがたがって食べるし何か 可愛く思えてきた

 

キッシーは意識していなかったが キッシーは青竜のわがままを聞いてやることで 青竜を支配している


つもりになっていた


真っ先にそれを見抜いたのは葛の葉で 夕方また キッシーは 焼肉屋に誘った


  カルビにつられて青竜はホイホイついていく


葛の葉の頭の中で チェスのボードがトントン動いた


 ずっと前にだがテレビでいろんな形のチェスの駒がトントン動くのをを見て葛の葉は意味も分からない


のにチェスが大好きになった。


 ビショップは誘うもっともっと近くに頭の中でものを組み立てるのは楽しい


  クイーンはキングを守る


 だがクイーンは回収した後 一手 この一手ですべてが変わるだろう  


 葛の葉は薄く微笑んで式神を飛ばした。





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