表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
清明様の憂鬱ネット小説大賞六   作者: @のはらきつね
17/72

清明様の憂鬱 第三章⑨

「あの そっち方面じゃなくて普通に ホストクラブとかで働かせてれば あいつなら大成功してたと


思いますが・・・・・」


「だめですよ そんなの本人が楽しいじゃないですか これはリベンジなんですのよ ぎゃはははは」


「その 青竜が飲ませられそうになって 泣いたものと言うものは あなたが私に 吸い出せといったも


のと同じものですよね?」 


「うな?」葛の葉が目を丸くしていった言った


 「なんです うなって」 


「うなこと 気づきませんでしたわ 本当に なんて 頭の回転が速いんでしょうねえでも鮮度が ぜん


ぜんちがうじゃあ ないですか?」微笑んで言った 


「あのなんでそんなに嬉しそうなんです」


「嬉しいだなんて、白虎の男らしさに心底感動しているのですよ 本当に頼れる殿方がいてよかっ


たわ さあ 吸って 吸って 吸いまくってください」


 白虎は正座したまま声明を見下ろした


 ういろうのようなそれは 凝固して 今は抹茶のアイスバーから何かのさなぎのようになっている。


 

 白虎は正気に戻らねば救わなければならないのは清明様の生命であり尿道ではない


こんなほんわかぱっぱの毒牙にかかってる場合ではない 白虎はパンパンと自分の頬をたたいた


挿絵(By みてみん)

 

「何とかしなければ・・」


「そうねえ まず 尿道のあたりから リバーシブルにしてみましょうか?」


 「裏返して どうするんです それから 尿道のことは 一時 保留にしておいてください」


「じゃあこれで たたいて 亀裂を 作ればいいと 思いますよ」持ってきたのはカナヅチだった 


「ちょっと大丈夫何ですか?中に清明様がいるんですよ」


「前回もそうしましたからねぇ 、たぶん大丈夫だと思いますわ」


 「たぶんて?」


「えっと あんまりよく覚えてないんですが、三拍子とかから入って」


「リズムは関係ないでしょう」 

 

「まあ ゆったりとしたリズムに乗ってあとはだんだんコツがつかめるんじゃないでしょうか」 


にっこり笑って言った 


「では メゾフォルテからせーの たんたん♬」


少しづつ 力を入れて たたくと 亀裂が 入って来た。


その時「ざわざわ」と音がして「あれ」と思ったら「ざわざ わざとだからだ」大声がして抹茶のアイ


スバーが、ズズッズ と起き上った。


 そのまま、腕と思われるところが、メリメり盛り上がった


「わざとだからだろう だからこんな バカげたことがくりかえされんのじゃ」


「ちょっと びっくりさせないでください 清明様だったんですか?」葛の葉が青ざめながら 胸を押


さえて言った。


「おまえは わしが入ってることも忘れてたんか脳までくさってるのか?


 早く病院へいけこの黒イソギンチャク」


「さっきまで緑亀だったくせに何を言いますか?」葛の葉がいつものように開き直り始めた。


「だいたい、感謝の気持ちがないんですよ 体毛で旗でもおったらどうなんです」


 葛の葉がさっきとは 全然違う口調と表情に変わり言った


「白虎殿だって 尿道まで 入ったすまし汁を絶妙なテクニックまで使って吸い出してくれようとして


いたんですよ」


「使ってませんよ」思わず白虎も大声を出した 


出したがその声とともにまた力が抜けきってうなだれた


 なんだろう、この感覚は フランス語の なんだっけ フランス語でしか言い表せない感覚


ああそうだ デジャヴ


「何でもかんでも 人のせいにするな 下品なことを言うな この心も体も言えな


いところも真っ黒なはりねずみ」


「なんですってぇ、 黒はもっとも エレガントな色なんですよ ココ、シャネルだって成功の秘訣は黒


なんです。 それにあなたを助けようとしていた私になんという言いぐさをするんです」


「シャネルの黒と色素沈着を一緒にするな下司狐」清明が怒鳴った

 

何度似たような応酬が 繰り返されたことだろう白虎は力が抜けきってうつ伏せに倒れた


その際 頭蓋を強打したが あまり痛くなかった。


その時朱雀が動いたのが見えて白虎は這いずって朱雀のところまで行った


その気配に気づいて朱雀は目を開けて白虎を見た。


「白虎殿?何かあったのですか?」


「どうしてです」


「顔が迷子になっているように見えるからです」言い方は拙かったが表情は凍えて痛々しかった


不意に清明に必死で宝塚のことを話す姿が思いだされた


 相手はおざなりに聞き流してしまうだけなのがわかっているのにそれから、今の疲れ果てた自分なぜ気


ずかなかったのだろう


あの時のこの人と今の自分は孤独さがそっくりだ


 自分よりずっと長いこと色々な事をかかえこんできた


のだろう 突然降ってわいた感情だが、白虎は近くにあったタオルを取って朱雀の足を取ってその上に


そっと置いた今してあげられるのはそれだけしかなかった


白虎は後ろの罵り合いを振り返って言った  


「あなたは こういう時どうしていたんです どう思っていたんです」


「何もしません、聞き流すだけです まともには聞いていられませんから・・・」


「何で あなた一人が 我慢しなければならないんです?」白虎は語気を強めて言った 


「私は 悲しいのや 寂しいのはいやなので 悲しく寂しくなるようなことはしたくない、それからあな


たにもそんな思いはさせたくないし そんな環境に置いてくことはいやです」 


「なにを言って?」朱雀は混乱して白虎の目を見てハッとした 


今までにみたことのないような強い光が宿っている 


 白虎は心が疾走を始めるのを感じた 


食卓の明かりが漆黒の髪に緑色の光輪を作っていたそれが白虎には痛々しい茨の冠のように見えた。 


 大体いつも喧嘩しているこの二人がおかしい 


この二人は何食わぬ顔でテレパシーを使って物凄い罵り合いをしているなどややこしいことが日常茶飯事


で何も考えずぼーっとテレビを見たり食事をとっているとき突然葛の葉が床に突っ伏して号泣したり


清明が真っ赤になって怒鳴ったりしてそのまま修羅場に突入するような気ちがい沙汰が週一


 酷い時では 毎日あったりする 


何食わぬ顔で 二人にしかわからない罵り合いは繰り返され、清明の好きなジブリのキャラクター変身し


て「ああん、13歳で自立だと育児放棄じゃねえ、義務教育位受けさせろや」とヤンキー座りで言う葛葉


とそれを見て真っ赤になり混ぜるな危険と書かれた洗剤を混ぜ合わせる


清明のポルターガイストを黙ってみているしかないのだ。


 「お前のような奴はもういらん 封印してやる」後ろで清明の怒鳴り声がした


封印とは陰陽師だけが持つ特権で妖怪には死を意味する


 「なんですって あなたの為に働いて来た私を封印するですってえ」葛葉の悲鳴のような声が


聞こえさらにわけのわからない声をあげながら葛葉が両手を振り上げ印を結んだ



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ