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清明様の憂鬱ネット小説大賞六   作者: @のはらきつね
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清明様の憂鬱 第三章➂

もう何もかも、支離滅裂だった


もうこうなったら、謝ろう あの医者が母親、ただの母親でなく強力な鬼神であり、最強の軍隊を操る母


親に告げ口する前にあやまって、 あやまって謝り倒そう、


そうだ、大阪のおかんの方式で行こう


 これしかないだろう。


うなだれて歩き出そうとしたとき、誰かが何か叫んだと思ったら地面がなくなった

 

砂が顔の上にパラパラ落ちてきて落とし穴に落ちたのだと気づいた。


「清明様」 色々な手に引っ張られて起き上った。  


「なんだこれは」朦朧としながら言った


「すいません昔ながらの方法がきくかと思いまして まあ初心に戻って戦おうと思いましてな」


 いつの間にか来ていたぬらりひょんが言った。 


「初心忘れるべからず なーんてあはあは」作り笑いをしたが清明の表情を見て黙り込んだ。


(謝りにいかねば)その一心から立ち上がって歩きだした  


また誰かが叫び、 木切れか何かをけったような感覚を覚えるなり両足が体の下から消えて天地が逆さまに


なり 一瞬でまっすぐになり、ゆらっと揺れてロープで逆さ吊りになっているのがわかった


「かかったあ」という声がして、小豆洗が暗闇から大勢、 とびだして来ていっせいに小豆を投げつけ始


めた 。




「清明様、清明様」


誰かが耳元で叫んでいる、お願いだから静かにしてくれ、もうどうにもならないのだから


「起きてください、この役立たず」


「役不足」


「謝れ」 


「生れてすいませんって謝れ」 余計な事はなぜはっきりと明確にきこえるのだろう  


「なんだとー」 言って目を開けた。

 

朱雀と葛の葉の顔が見える 隣にお六さんの顔が見える。


  「ここは」 「屋敷の地下ですよ」


「あなたは小豆洗いの罠にかかって、ぼこぼこにやられたんですそして気を失った、小豆で・・・」 


「小豆で」 



「小豆で」 お六さんが笑いをこらえて言った。 


「ああ思い出した、リピートすな」  

 

「清明様は笑われないと本領を発揮しないじゃないですか、憎しみをばねにして復讐帳を作るんでしょ


う、それから夜な夜なわら人形にくぎを打って、相手のいない隙にこっそり消しゴムの角とか使って、


最後は駄々っ子パンチで立ち向 かうそして泣いてからが強い」 朱雀が言った。


「何だその変な細かい観察日記みたいな嫌味は、ああそれよりどうしたんじゃ、襲撃はお前ら、南米に


言ってたんじゃないのか?」  


「戦いは回避できました」


「やっぱり あの先生は育ちがいいのでたたき上げの変態には赤子の手をひねるようなものだったので


しょう 


それにとても、いい買い物ができました、使わずにすんでよかったですが、清明様もこの屋敷がどれだけ


無防備だったかお分かりになったでしょう」葛葉が言った。


「ああ」 


 よくわかった、何しろ 最新の兵器をもった部隊に小豆と落とし穴で立ち向かおうとしていた


のだから、 その時


「 うーん、うーん」 どこからかうめき声が聞こえるのにきずいた。


「なんだあの声は?」 


「ああ、スマシ牧場からですよ」


 「なんだスマシ牧場って?」


 「スマシたちがね 資金繰りに協力してくれたんです 臓器提供してくれて」


  「はあ?」 

 

「スマシの腎臓は2日たつと元に戻るんです、しかも人間のものと酷似しているんです」 


 葛の葉がにっこりして言った。


「臓器提供って鬼かお前は」  


「あら、スマシは回復が早いうえ、痛点が少ないので痛みもないし適合率が高いんですよ、割と世のため


人のためになってますし、その代り大好きな豚肉と焼酎をあげているし、オズの魔法使いの


ドロシーとトトのような親密な関係ですわ、故郷が一番てねぇ、この屋敷を守るため協力しあっているん


ですわ」                        


(オズの魔法使いまでだすか、ファンタジックな感じで言ってるがやってることは臓器売買だし、しかし


こいつの偽善とすりかえには時々感動すら覚えるな)清明は思ったが口には出さなかった。


「どこか、痛みます(役立たず)」


 葛の葉が優しく穏やかに聞いたが心の声も聞こえた気がする。

 

「いや、それより 白虎殿はどうした」


「座敷牢に入っております」朱雀が言った


「そこまでしなくてもいいだろう」  


「自分で入ったんですよ、まだ時々フラッシュバックが起こるそうです」


 「ええちょっと待て、何日立ってる」


「5日です、玄武様から式神をもらってすぐ戻りましたから」  


「わしは5日も寝とったんか?」

 

「清明様すいませんでした」急に後ろで小豆洗いの声がした。


答えるよりより早く朱雀が正座したまま裏拳を叩き込んだ。


 小豆洗いが吹っ飛び頭蓋骨が砕けるような音がして動かなくなった。


「ななな、なにをすんじゃ」 清明が言ったが 


「ああごめんなさい、南米帰りのときは急に後ろに立たないで」  


朱雀が後ろで ピクリとも動かない、小豆洗いを囲んで唖然としている小豆洗いの仲間に言った


「お前が座敷牢に入ったほうがいいんじゃないか」 


「ドン・マルコのファミリーは敵が多いんですよ、普段はいい人なんですが・・・」


「朱雀はともかくお前は何してたんじゃ」 葛の葉に聞いた


挿絵(By みてみん)


「もちろん、戦いはできませんから、もっぱら通訳と交渉です、身の回りには常に結界を張っております


し夜目が効きますから大丈夫です、それより白虎殿のが心配です、いったい何を打たれたんでしょう


ねぇ」


「そんで何をされたでしょう、よくあんな状態で逃げられましたね」


「うーん」 みんなしばし考え込んだ。 



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