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ヒーロー ミーツ スパイダー

「ヒーロー?」

何を言っているんだ。皆が騒然となる。

「あの、馬鹿が、」

「おい、ヒーローって昔絶滅したあの、ヒーローか?」

「そうだよ。別に絶滅したわけじゃない。君たちジョーカーの正義に俺たちの正義が一時的に敗北しただけだ。」

「勇騎、余計なことを喋るな。お前の師匠との約束忘れてないだろうな」

「了解っす、黙っときます。」

「あー、落ち着け、仮にも将来の幹部候補生がこんなことで騒ぐな。心配するな。危険はない、詳しい事情は言えないが、こいつはこれから卒業まで、他の生徒と何一つ変わらず、生活してもらう。ヒーローであろうがなかろうがそんなことは問題ではない。郷に入っては郷に従え、ここのルールには従ってもらう。それがコイツがここにいる条件だ。

お前たちも幹部候補生であることを忘れず、ただ勉学に努めろ、以上だ。それでも不服があるものはこの場に申し出ろ」

月影の言葉に一同は沈黙し、その場は収まり、全校集会は続けられる。

「どうするんだ?兜?あいつSランクという事はこのクラスだぜ。」

「何ビビってだよ、いいか、ヒーローなんてもんはただの負け犬だろ、何の問題もない、雲野に続きおもちゃがもうひとつ増えたって思えばいいだよ。」

兜は余裕を見せ、恐れるに足らないとクラスメイトの前で息巻く。

そして全校集会が終わると、入口で勇騎がみんなにこれからよろしくと手を差し出すが皆、余計なことには関わりたくないと、彼を避けて行動を出て行く。

そんな中、兜はそんな勇騎の手を叩き落す

「おい、このあとは昼休みだ、ちょっと体育館の裏にツラ貸せよ。」

勇騎はそんな兜の手を取り、笑顔で分かったといい、他の生徒にも手を差し出す。

だが、あいも変わらず、皆彼を避けていく、そして誰もいなくなった、そう思った時

「ちょっと、雲野くんやめときなさいよ。」

「ダメだよ、ちゃんと助けてくれたんだからお礼を言わないと。」

「君はさっきの、」

「雲野翔真、さっきはありがとう。」

「気にしなくていいよ、ヒーローとして当たり前だよ。よろしく、」

翔真はそれに答えるように手を差し出す。

「志堂君はヒーローらしいけど、ここで、それは言わないほうがよかったね。ここはジョーカーの幹部候補生を育てるための学校。どんな事情があるかは知らないけど、皆いい顔はしないよ。悪いことは言わない、大人しくしておいたほうがいい。」

「うん、分かっている師匠からも問題を起こさないように言われるからね。」

わかってないだろ、勇騎の即答がその不安を駆り立てる。

「師匠?」

「そう、二堂烈火、僕の師匠で世界最高のヒーローさ」

「ちょっと、雲野くん、行くわよ。」

「でも、」

「いいから」

「女の子、彼女さんかな?いいなぁ、」

翔真はクラスメイトに引っ張られ、勇騎から強制的に離され、保健室に連れ込まれる。

一方、勇騎は全員を見送ると約束したんだったと体育館裏へと走っていく。


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