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あれ?選択肢を間違えましたか?  作者: 東のローラン
一章 前世を思い出した幼稚園児編
5/21

4話 考察してみた。

 普段よりも早く布団に潜り込み、僕はこの前世の世界と似た世界について考える。


 最近は減ってきているが、どうやら僕は前世に関わることを考えてしまうと、考えすぎて長い時間ボーと過ごしているらしい。僕的にはそんなに時間経ってますか?というような感覚なのだけどね。でそれが問題になってしまってしまう。


 子供と言えば起きている間は何かしらの行動を起こし続けるものだ、大人しい性格と判断されている次郎であっても、リビングのソファの上で虚空を見つめて動かないのは、誰が見たって異常に感じるだろう。


 実際それを見ていた使用人たちは心配に思ったとのことだ。僕だってそんな人間がいたら精神状況が心配になる。ましてや僕は、前世を思い出した混乱が元で引きこもりを起こした人間だ。


 それゆえ一度ならば偶然かなとも思うが、三度目に至っては時間まで計っていた使用人たちから、これは拙いとお母様に報告が行ってしまう。その後、母はとても心配するようになっしまい危うく精神科に連行される所だった。


 ゆえに前世に関する疑問等は、その場で考えるのでは無く、記憶しておいて夜寝る前に考えるようにした。これ以上心配もかけたくはないし。


 子供は寝るもの早いから、怪しまれない。また僕は何故だかわからないけど、他の園児よりも睡眠時間が短いので睡眠時間を削ることなく、ゆっくり考察することができる。



 で本題の世界についてだけど、大まかな地球の歴史は似通っている。ただ細かい所は違っていて、首相や政党の名前が違っていたりするが、大抵は似たような歴史を歩んでいる。


 だが、不自然な点もある。自分も含めて自分の周りには苗字に数字の付く名家が、不自然なくらいに周りにいるのだ。いや集められているのか?


 それで思ったのは……これはもしや自分は、ギャルゲーとか乙女ゲーの世界、もしくはそれに似た世界に転生してしまったのではないかと……


 それが正解だとすると、自分の立ち位置はどうなのかという疑問が湧いてくる。主人公なのか、悪役なのか、モブなのか、はたまた親友兼情報提供者なのか……攻略対象者はキツイよね、下手するとシナリオという名のマインドコントロールで対象の乙女としか恋愛出来ないかもしれない。


 ようやく自分自身の人格問題に片が付いて、自分の周りの事に気が向くようになったらこのざまである。僕に安息の日は訪れるのだろうか。


---


「次郎明るくなったかと思ったら、今日はまた一段と暗い顔してんなぁ。」


「そーだよ、それに溜息つくとしあわせが逃げるって母さん言ってたよ。」


「ジロちゃん今日は、仕事のうまく行っていないお父様見たいだね。」


「……ふぅ。」


 そして明くる日、幼稚園の休み時間が始まるなりお馴染みメンバーからの集中砲火である。


 一応心配されてるのかな、しかし昨日は結局考えすぎてあまり眠れていなかった。あぁ眠い、あと五分寝かしてぇ…あっ彩ちゃん揺さぶらないで下さい、ちゃんと起きますから。


 しかしテンプレなら生前好きなゲームへの転生だろうに、いやまだ僕は前世の記憶をすべては思い出してないのだ。もしかしたら転生前の僕は、テンプレの如く神に会い大好きなゲーム世界に転生したのやもしれないが……。


 所詮僕は何の答えも持っていないのだ。


 いやしかし最後の彩ちゃんの例え……僕が言うのも変だが、園児らしからぬ発言だよね……ママゴトスキーだから転生者ではないと思うけど……そういえば


「ねぇ彩ちゃんのおとうさんって何のお仕事している人なの?」


とりあえず情報収集もついでに彩ちゃんに切り出してみると


「パパのお仕事?そんなのわかんない、ママは大変な仕事って言ってるよ。」


 そりゃそうだよね、幼稚園児だぜ親の仕事に詳しい訳がない。


 そういえば良いことなのだが、日本は災害が多いはずなのに台風や地震等の自然災害が異常なくらいに少ないのだ。これもゲームなら災害なんて特定のイベントでしか起きない


 突然の地震に驚き体勢が崩れた彼女抱きしめる的な……。


「俺のとおちゃん庭師してるぞ」


 おっといけない、また長考してしまう所だった。しかし聞いてないけど涼のおとうさん庭師だったのか……


「へぇ~そうだったんだね涼君。」


「おいおいおまえんちの専属庭師なのに知らなかったのかよ。」


「えぅ、そうだったの!?知らなかった。」


 いや確かに同じ車で幼稚園まで移動していたから、親族か何かかと思ったら友人兼護衛みたいなポジなのか涼君は……


「あたし知らないから帰ったら聞いておくね!」


 いやごめん雅美ちゃんにも聞いてなかったけど、まぁいいか意外な繋がりがあるやもしれないし。明日また聞いてみよう。


「ごめんなさいジロちゃん私も聞いてみるね。だから早くママゴトしよ。」


 どんだけ好きなんだよ、確かに彩ちゃんはあんまり体を動かす系は苦手みたいだけど、他にもあるでしょうよ……でもまぁ疲れてて涼君との全力駆けっことかしたくないしなぁ……


「……わかったよ彩ちゃん。場所はいつものとこ?」


「待てってまだ今日の駆けっこは終わってないぞ、今日こそは勝つ!」


「えぇ~たまには別のであそぼうよ~」


 よしなら野球しようぜ……あっ無理ですか……そうですか


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