九月の詩
吟遊詩人よ 九月の吟遊詩人よ
夏の残り火がその身を焦がし 秋の気配はまだ遠い
夏の支度で夜をゆく 意外と寒くて風邪をひく
秋の支度で夜をゆく 暑い
吟遊詩人よ 哀しき吟遊詩人よ
御身の上の太陽は ただひたすらに大地を照らす
照り返しがめっちゃ暑い
吟遊詩人よ 九月の吟遊詩人よ
残暑を嘆き 九月っぽい悲鳴をあげよ
秋よ 秋よ 暑いのはもういや いやなのさ
吟遊詩人よ 熱帯夜の吟遊詩人よ
ゆめとうつつを眺めつつ
魂の呟きを
そよ風が吹くように
囁くように
「台風こねーかな」
哀れな吟遊詩人よ 全ての祈りは無駄となる
本当に来たらどうするんだ
「幼馴染が突然出来ねーかな」
悲しき吟遊詩人よ そなたの歌声はどこにも届かない
届くかボケ
「風吹いてスカートめくれないかな」
痛ましい吟遊詩人よ 慎みたまえ おお 御身を慎みたまえ
というか、そんな事口に出して言うな
気象庁よ おお 愛しき気象庁よ
秋はいずこに 立秋はいずこに
おお 吟遊詩人よ 秋を求めて昼を越え 夜にひれ伏す吟遊詩人よ
立秋に届けと声を上げ 届かぬ歌を哀しく歌う
えーと2007年の立秋は……8月8日? 馬鹿じゃないの!?
おお 麗しの気象庁よ
傾いた暦が 斜めに傾いた月と星が
こすれてずれていく
いいかげん実際の季節とあわせなさいよ
グレゴリオキック