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精霊と子供目線2

気付けば、他の子達も何人か精霊と契約したようだった。

「あのお兄さんを助けにいこうよ」

誰かがそう言ってみんなの同意を集める。

僕はもちろん賛成した。というか誰も反対なんてしなかった。

精霊と契約できなかった子達は、危ないかもしれないから、精霊と契約できた子を一人残してぼろぼろの家に待機させた。

「僕も行く」

ある男の子だけ、付いてこようとした。

「君は精霊と契約できていないでしょ?危ないからここにいて」

「僕は大丈夫だよ。強いもん」

男の子はそう言っている。

「でもさ……」

「いいよ。それよりも早くお兄さんを助けにいこうよ」

確かにここで口論している場合じゃない。

僕はそこで言葉を切って他の何人かの子達と一緒にそこを出た。



僕の契約した精霊は光精霊だったので、僕が先頭に立って進んだ。

少し行ったところでお兄さんは見つかった。

「お兄さん!」

誰かが叫ぶ。

お兄さんは一人で何匹もの魔物と戦っていた。

肩に怪我をしていて血が流れている。

ちょうどお兄さんに向かって飛びかかる魔物に大量の水が当たった。

僕も一部が氷っている魔物に向かって稲妻を放たせる。

こちらに気付いたお兄さんはなにかを言いたげに口を開いたけれど、近くでまだ息をしている魔物がいたので、それに止めをさして近くにいた男の子に近付いて話をしていた。

「一緒に逃げよう」

お兄さんはそう言って爽やかな笑みを浮かべた。




どれくらい歩いただろう。

獣道っぽいところから、人が通ってできたらしい少し開けた道に出た。

「お兄さん肩大丈夫?」

しばらく黙っていた精霊の目の男の子が、私が時々肩を気にしているのを見て心配してくれた。

「大丈夫だよ。血は止まったから。心配してくれてありがとう、えーと……」

精霊の目の子なんて呼ぶわけにもいかないし。

「僕はカイだよ。お兄さんは?」

「私はレゲル……」

名前言って大丈夫だろうか。言っちゃったからもう遅いけどね!

「レゲルさん?」

この子達が私を知らないことを祈ろう。

「ねえ、レゲルさんって貴族様なの?しゃべり方がなんか違うような気がするもん」

……しゃべり方?確かに毎日貴族に囲まれて過ごしてたらそうなるよね。

「貴族じゃないよ。まあ知り合いに貴族がいるからうつったかもしれない」

いるどころか私の知り合いほぼ貴族かそれ以上の人達ばっかりだ。よくよく考えたら私の知り合い凄い人だらけ。

「知り合いに貴族様がいるの?」

「うっ、うん。ところで休まなくて大丈夫?疲れてない?」

とりあえず話題を変えよう。

騎士団の人達がいるところまでまだ少しかかるから、今無理させちゃだめだし。

「僕は大丈夫だけど……」

そう言って男の子は何人かの子達をちらりと見た。一番年下っぽい子達は少し辛そうにしていて、木の幹に手を当てながら歩いている子もいた。

「少し休もうか。誰か火を起こせる?休んでも寒さに体力を持っていかれたら意味がないから身体を温めた方がいいよ」

私はできるだけ乾いた木の枝を集めてそれに火をつけてもらう。

普段精霊に温度の調節をしてもらってるから寒いのとかあんまり慣れてない。これじゃあすぐ風邪引くかな。自分のためにも寒いのとか暑いのになれた方がいいよなぁ。しばらく精霊に頼るのはよそう。人間楽を覚えたら離れられなくなるってほんとだよ。

しばらくみんなでぴったりと寄せあって火で暖まると、少し元気が戻ってきた。

みんなが少し落ち着いたのを確認して、私は焚き火を消した。上から砂をかけて跡を隠し、からだがまた冷えきらないうちにそこを出発した。









年末に年末の話を書きたい、そんな思いです(。-∀-)

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