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年末年始と地元4

夜はルナとルラが私と一緒に寝ると言って聞かず、アレスまで私の横にやって来ていた。

ちゃっかりミゼルも横にいた。

一応男の子と女の子で部屋はわけてあったんだけど。

なぜかルナとルラに無言でこっちの部屋に連れて来られた。

まあわかってるんだろうな。どうせ男の子の方の部屋にいっても妙な雰囲気になるだけだろうし。アレスがいるのは謎だったけど。

アレスは無理やりルナに追い出されていた。気付いたらいなくなってて、「だって男の子だもん」と言われていた。可愛そうに。



次の日の朝、周りがごそごそと動き始めたのでつられて私も起きる。

朝ごはんを作ろうと起きたルラについて手伝おうとすると「兄ちゃんは寝てて」と言われた。

疲れてるって思われてるんだろうか、せっかくだから横になったままになるけど、いいのかな、これ。

悶々としてたらご飯ができたと呼ばれたのでリビングに向かう。

朝ごはんは昨日の残りのスープに麦と卵を混ぜて作った麦粥だった。本当に前と変わらない生活してるんだな。

もうちょっと贅沢してほしい。そのためにお兄ちゃんは働いているんです。

とはいえ、今までの生活をいきなり変えるのは難しいんだろう。

私だって今の王都での生活に慣れるのにはかなりかかったし、今もやろうと思えばそこらの貴族と同じ生活ができるくらいはもらってるのに生活は庶民的。まあ仕送りしてるのもあるけど。宿舎の家賃も高いし。

「そういえば私が送ってるお金のことなんだけど」

一斉にみんなはこっちを見る。そんな固い話じゃないって。

「あんまり使ってないみたいだけど、どうしたの?」

「えっ……だって兄さんが稼いでるお金だからそうあっさり使えないよ。ほら、僕たちも働いて稼いでるし」

「貯めるならいいんだけど。私もオルトたちにいい生活ができればいいと思って働いてるからさ、できれば使ってほしい。まあオルトたちの自由だしこれ以上は言わないけど」

まああげたものについてあれこれ口出しするのも嫌だしね。オルトたちもお金についてはわかってるだろうからいいよね。

みんな一度顔を見合わせて小さくうなずいた。

「それにしても仕事かぁ、オルトとルナはお店の店員で、ルラが食堂で、アレスが鍛冶屋の見習いだよね」

「そうだよ。あっ、お昼に私の働いてる食堂にお昼食べに来てよ。おかみさんの料理美味しいんだよ」

そっか、町をぶらぶらするだけなのもつまらないし、みんなの働いてるとこ見て回ろうかな。使えそうなのがあったら買えばお店の売上にもなるし。

「じゃあみんなが真面目に働いてるか見に行こうかな。お店の名前教えてくれる?」

私が尋ねたらみんな快く教えてくれた。

場所も教えてもらったし、ハセ区はそう大きい区じゃないから一日で回れる。

朝ごはんを食べ終えて、みんな仕事に出ていってしまった。

食器の後片付けだけ引き受けたから、洗って行けばちょうどお店とかも開店してるよね。

それにレルチェにご飯を食べさせないといけないし。まだみんなを警戒してるっぽくてポケットから朝ごはんの間にも出てこなかったから。

ミゼルは楽しみなのかお皿を洗ってる私にくっついて離れてくれない。上目遣いでこっちを見てくるからすごく可愛い。

人が減って少し落ち着いたのか、机の上に乗ったレルチェも私を上目遣いで見てくれる。同じく可愛い。

幸せだなあとしみじみ感じながら私は出かける用意を始めた。

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