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日常は束の間

レネッタ視点に戻ります

「さて、今日も仕事が貯まっていますよ」

数十日ぶりの再会後でも、カーレル様は変わりない。

アリュに戻ったその日にカーレル様とは会っているのだが、シャヴィム殿下から大体のことは聞いているとのことで、私から迷惑をかけたことに対する謝罪や弟達のことの礼を言ってそれで終わってしまったのだ。

それに、戻ってきて報告がひと段落した翌日からは、その辺りを忘れてしまうくらいの忙しさだったから、戻って来られた喜びを味わう前に仕事に引きずり込まれたという感じだ。

このところ何で忙しいのかというと、今回のダルネミアとの条約締結に向けた軍備の再編成や予算案、それに伴う報告書作成、軍トップが集まる会議に王宮内での会議。さらにこの忙しくややこしい状況での補佐官の引き継ぎのための資料作成や挨拶回り。その他諸々……と、物理的に目が回ってしまう忙しさだ。

補佐官の後任についてはアルが入ることになった。

ユアリスは本人の強い希望で竜騎士のままでいたいということなので候補から外された。まあ、エルティナ様とのこともあるのだろうけど。

このユアリスとエルティナ様のことについても、今の忙しさに拍車をかけてくる。

すごくおめでたいことではあるし、国としても喜ぶべきことなんだけど、忙しすぎて素直に喜べない。

どうやらあの2人はなんだかんだで上手くいきそうな様子らしい。ユアリスがエルティナ様の尻に敷かれそうではあるが、それは私の仕事には関係のないことだ。

そんなこんなで、とにかく忙しい。

忙しいおかげでシャヴィム殿下とのことも忘れてはいけないのだけど忘れられる。こんな状態だからか、婚約についても正式な発表はまだで、ひと段落するまではあってないようなものだ。

婚約するかもしれないというのに、私がアリュに戻ってから殿下と会ったのは会議とかを除いて一度きりである。それも王宮の廊下ですれ違うときに声をかけられたレベルだ。

「レネッタ君、この資料のチェック頼むよ」

そう言ってカーレル様が物理的に投げてきた資料を風精霊に飛ばしてもらう。元々やっていたので私は当たり前と思っているが、他の部署の人が見たら書類の扱い方としてどうなのかと怒られそうではある。

そして私の呼び方については、カーレル様は最初レネッタさんと呼ぼうとしていたのだけど、なんだか慣れなくて気持ち悪かったから、女相手としてはおかしいけど君呼びをしてもらっていた。

そうして必要最低限の事務的な会話以外は始終無言で仕事を進めていく。

忙しい以外は特に何もない、護衛の役割はほぼしていないけど、補佐官としてはいつも通りの日々だった。

今日も1時間おきに更新していきます(^^)

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