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手紙と従者の告白3

ゼイドは疲れた顔をして入ってきた。

そしてネルとエーシャに席を外すように言う。

「いくらゼイド様でもさすがに2人きりは許容できません。エルティナ様にも同席していただけるなら可能ですが、どなたか王族の許可を得ての面会でしょうか」

「……いや、私個人の面会だ」

「でしたらせめてサグアノ殿下の許可を得てからいらしてください。私どもの一存では許容しかねます」

さすがに未婚女性を男と2人きり、しかも寝室でというのはありえないんだろう。まあ私がネルの立場でも止めてる。

でも、私に何かあるとはずはないし、ゼイドが何かしてくるなんて髪の毛の先ほども思っていない。

「私は構いません。ゼイドのことは信用していますし、何かあっても精霊たちに守ってもらうので、大丈夫です」

そう言うと、ネルとエーシャは困ったように顔を見合わせ、やがて頷いた。

「レネッタ様がそうおっしゃるのでしたら、構いません。レネッタ様の要望は可能な限りお聞きするよう仰せつかっておりますので。ですがこのことはエルティナ様にお伝えさせていただきます」

「わかりました。しかし、伝えるのは私の話が終わってからお願いしたい」

それはさすがに難しいだろう。ネルとエーシャの表情は微妙だ。でも、ここまで真剣なゼイドの様子に、無理だというのは可哀想だ。

「私からもお願いします。どうやら大切な話のようですから」

私がそう言うと、2人は渋々ながらも頷いた。

そしてちらちらとこちらを見ているのを感じたが、やがて扉は閉まり、部屋には私とゼイドだけになった。

「……ありがとうございます。これまで誰にも、サグアノ殿下にさえ話していないことなのです。ですが、レネッタ様にはお話ししておくべきだと思い、失礼ながらこのような夜分に面会させて頂きました」

「いったいどう言うことなんですか?」

自分の上司であるサグアノにすら話をしていないようなことを、他国の人間である私にだけ話すというのは妙だ。

「ええ、おかしなことをしていると思われているのでしょう、ここからお話しするのは、一介の従者の、身の程知らずの憶測であり、懺悔です。話したところでこれからの状況が何か変わるということもない、ただの話です。本当は誰にも話さず、墓に持って行くつもりでした。ですが、巻き込まれたあなたには聞く権利があると、そう思ったのです」

その切羽詰まったような様子の、私は口を挟むことも出来ずただその続きを待った。

「私は、今回のことの……主にカラルド殿下の動きの原因は私にあると考えています」

そう言ってゼイドは語り始めた。


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